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ナムジャイブログ

2013年10月28日

【お知らせ】11月16日日本アセアンセンターシンポジューム

今回は、シンポジュームのお知らせです。
11月16日に日本アセアンセンターで開催されるイベントに下川裕治がパネリストとして参加します。

ASEAN航空市場シリーズ

<第一部>2015年ASEAN単一航空市場形成に向けて
<第二部>LCCでASEAN旅!マル得活用術


■主催:国際機関 日本アセアンセンター

■後援(予定): 国土交通省航空局
一般財団法人 運輸政策研究機構

■場所:
日本アセアンセンター アセアンホール

■参加費: 無料

■概 要:

日本アセアンセンターでは、2011年度、2012年度と過去2年に渡って開催したASEAN航空市場、格安航空会社(LCC)に関するセミナーを通じて情報提供を行って来た。2015年AEC形成に向けて日本-ASEAN間の往来はより一層の活発化を呈することは明らかである。今年度は、<第一部>を航空運輸業界向けとして、ASEAN単一航空市場の最新情報を中心としたセミナー、<第二部>を一般利用者向けとして、日-ASEAN間、およびASEAN域内のLCCを含んだ航空利活用の実践的紹介を主としたセミナーとして展開し、本件に関心の高い方々が多く参加できるよう、機会を分けて開催する。

<第二部> 「LCCでASEAN旅!マル得活用術」

■開催日時:

2013年11月16日(土)  
10:30 ~ 12:50 (10:00 受付開始)

■講師およびパネリスト:
・司会進行&ASEANLCC活用術と最新情報:
・航空・旅行アナリスト 
帝京大学非常勤講師 鳥海高太朗 
・まだ知らないASEANのLCC:  
日本アセアンセンター 観光交流部 伊藤

トーク 使える!ASEANのLCC: 
・旅行作家 下川裕治 
・Scoot日本・韓国支社長 坪川成樹 
・Peach Aviation(予定)

  

Posted by 下川裕治 at 12:33Comments(0)

2013年10月28日

空港での口げんかとベトナム

 ベトナムの本ばかり読んでいる。
 ベトナムには何回となく訪ねているが、あるとき、ひとりのベトナム人がいった言葉がずっと引っかかっていた。
「もし南ベトナムが勝っていたら、ベトナムは韓国ぐらい発展していたかもしれない」
 ベトナムという国を歩きながら、この言葉は、収まりのつかないものとして横たわっていた。アメリカ軍が撤退し、北ベトナムと南ベトナムは統一された。世界の多くの人々がこの結末を歓迎した。日本でもベトナム反戦運動は広がりをみせ、戦争の終結で平和が訪れたという気運に包まれていた。
 しかしベトナム人は、単に「抗米戦争」が終わったと見ている。その後、ベトナム軍のカンボジア侵攻があり、中越戦争とまだ戦争は続いていたのだ。
 ベトナム軍をカンボジアへ向かわしたものは、中国の膨張主義と覇権主義だったといわれている。ベトナムは中国に比べれば小国にすぎないが、アメリカに勝ってしまった。その自信が、中国と密接な関係にあったポル・ポト政権への侵攻へつながる。それは戦争に勝ってしまったことの代償だろうか。
 ひとりのベトナム人の言葉は、勝った北ベトナムに向けられていた。もちろん彼は負けた南ベトナム出身である。
 大国と小国……。アジアを歩いていると、喉に刺さった骨のような刺激がいつもある。中国、アメリカ、そしてロシアである。グルジアは親米色の強い政権から、ロシア寄りに舵を切りそうだ。大国とのバランスのなかで生きていかなくてはいけない小国の運命のようにも映る。
 バンコクと日本の往復に、しばしば中国系の航空会社を利用する。先日も北京経由で東京に戻った。スワンナプーム空港の搭乗待合室に座っていると、搭乗券とパスポートをチェックするカウンターで、中国人女性とタイ人スタッフがもめていた。どうも、「パスポートと搭乗券を知り合いに預けてあるが、その知人が免税店で買い物をしているので、先に私をなかに入れろ」と要求しているようだった。しかしそのいい方が、まさにけんか腰なのだ。中国人の添乗員が割って入った。
 しかたなく、タイ人スタッフがマイクを貸し、添乗員が中国語で館内放送をした。
 それから10分ほどがたっただろうか。パスポートと搭乗券を預かっていた男性が、免税品の入った袋を手にやってきた。
 と、そこで殴りかからんばかりのけんかが起きてしまった。「どうして早くこない」、「そんなことは知るか」といった内容だと思うのだが、その口論の激しさに、タイ人スタッフや乗客が立ち尽くしてしまった。
 中国人のこういった激しさと、ベトナムが警戒した膨張主義や覇権主義が直接に結びつくわけではない。しかし人間の意識の奥で重なっているような気がしないでもない。
 ベトナム戦争以降のベトナムを見ると、そんな気になってくるのだ。

(お知らせ)
朝日新聞のサイト「どらく」連載のクリックディープ旅が移転しました。「アジアの日本人町歩きの旅」。アクセスは以下。
http://www.asahi.com/and_M/clickdeep_list.html
  

Posted by 下川裕治 at 12:23Comments(0)

2013年10月25日

【新刊プレゼント】女子バンコク

今回は、下川裕治が企画を立てた、女子向けの、バンコク本プレゼントのご案内です。

【新刊】


編著者
女子バンコク取材班
+ひとり旅活性化委員会


女子バンコク


◎ 本書の内容

 こんな遊び方あったんだ!ディープで楽しい〈刺激的すぎる〉バンコクガイド

女子のための女子によるバンコク最強ガイドブックが誕生! バンコクに通ったり、現地雇いや駐在で暮らしている日本人女子たちが今本当に行きたい最新スポット&話題のお店情報を紹介。女子会inバンコク、合コンinバンコク、夜遊びinバンコク、おひとり様inバンコク、セレブ気分inバンコクなど、これから暮らしてみたいという人や旅行者にもお役立ちの、リアルな体験談と取材記事でバンコクの様々な楽しみ方を提案します。他ガイドでは取り上げられていないちょっぴりディープな夜遊び情報も掲載!!

〈章構成〉第1章 ここは押さえたい! いちおしスポット/第2章 ひとりでも仲間でも楽しめちゃうバンコク/第3章 セレブになれるバンコク散歩/第4章 バンコク女子とハジける夜!/第5章 越えちゃいました☆ディープ・バンコク/第6章 働いてみるバンコク


【プレゼント】


新刊本「女子バンコク」を、

抽選で"3名さま"にプレゼントします!

応募の条件は以下です。

1.本を読んだ後に、レビューを書いてブログに載せてくれること。
(タイ在住+日本在住の方も対象です。)

応募は以下の内容をご記入の上、下記のお問合せフォームよりご連絡ください。応募受付期間は2013年11月10日まで。当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

えんぴつお問合せフォーム
http://www.namjai.cc/inquiry.php


1.お問合せ用件「その他」を選んでください。

2.「お問い合わせ内容」の部分に以下をご記載ください。
 ・お名前
 ・Eメールアドレス
 ・ブログURL(記事を掲載するブログ)
 ・郵送先住所
 ・お電話番号
 ・ご希望の書名(念のため記載ください)

今すぐほしい!という方は、下記アマゾンから購入可能です。

女子バンコク (ガールズ・トラベラーズ・ファイル)
編著者:女子バンコク取材班+ひとり旅活性化委員会

えんぴつアマゾン:
女子バンコク (ガールズ・トラベラーズ・ファイル) [単行本(ソフトカバー)]

  

Posted by 下川裕治 at 18:19Comments(0)

2013年10月21日

安住の安宿が消えていく

 台北の安宿でこのブログを書いている。
 18日の夕方、東京で『週末台湾でちょっと一息』という僕の本の講演会があった。たくさんの人が集まってくれたが、そのなかで、ひとりの中年男性からこんな質問を受けた。
「息子と一緒の台北に行って、本に書いてある和泰大飯店を探したがみつからなかったんですが」
 台北駅の北側には、かなりの数の安宿がある。和泰大飯店はそのなかの1軒。気に入った宿で、ここ1、2年の常宿にしていた。
「そんなことはないと思いますけど……」
 翌朝のエアアジアで台北に来た。和泰大飯店はあった。しかしブザーを何回押しても返事がない。見ると横に貼り紙があった。改装工事に入り、しばらく休業と書いてあった。
「ここもか……」
 台北駅の北側の安宿はどれも古い。時代にとり残されている。この種の宿はいま、再開発の波に晒されている。建て替えられ、こぎれいなビジネス風ホテルに変わっていくことがよくある。昔、よく泊まった梅軒という宿は、蘭庭というしゃれたホテルに変身した。もちろん宿代は2倍ほどになったが。
 和泰大飯店は、ビルの5階のワンフロア―を使った宿だった。建て替えられることはないと思っていたのだが、改装ということになってしまった。宿代は800元、日本円で2400円ほどだった。改装後はやはり、2倍ぐらいになってしまうのだろうか。
 宿を探した。そこでみつけたのが、いま泊まっている北門大旅社である。ここも古いホテルだ。おばさんがひとり、フロントに座っている。1泊700元。しかし部屋には、「免費無線寛頻上網」と書いてある。Wi-Fiが無料ということだ。
 宿泊客は少ない。20部屋ぐらいありそうなのだが、宿泊客は3、4人。フィリピン人のおばさんがひとりで、部屋の掃除を担当している。それだけでまわっている宿である。
 このホテルの行き先にも雲が垂れ込めていそうだ。これからしばらくは、この宿に厄介になりそうだが、突然、建て替え話が降りかかる可能性が高い。そして、僕は行き場を失い、台北駅の北側を東奔西走することになるのだろう。安住の安宿は台北の街ではみつかりそうもない。
 あと10年、台北駅北側の安宿は生き延びてくれるだろうか。
 それはアジアの街に共通したことのようにも思える。これから僕はその憂き目を、さまざまな街で味わっていくのかもしれない。

(お知らせ)
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Posted by 下川裕治 at 18:42Comments(3)

2013年10月14日

トランジットスタンプと金木犀

 13日の日曜日、午前1時発の飛行機でバンコクを発った。北京経由の中国国際航空である。雨季の終わりの、湿った暑い空気をまとった飛行機は、気温13度の北京空港に着陸した。Tシャツ1枚姿の乗客は、タラップを降りながら、その寒さに震えた。
 北京空港は単純な乗り換え、つまりトランジットである。しかし、中国という国は空港から出ない、トランジット客でもパスポートを審査する。イミグレーションのようなブースの前にできた、長い列につかなくてはならない。
 トランジット客にとっては、無駄な審査に映る。世界の多くの空港は、パスポート審査などなしに乗り換えることができるからだ。こういうことをする国は、僕が知っている限りでは、中国とアメリカである。つまりは大国ということなのだろうか。世界の警察、中華思想……。そんな言葉が脳裡をかすめてしまう。
 パスポートの残りページが少なくなってきているから、よけいに無駄に思える。この審査を通ったことを示すスタンプがパスポートに捺される。それもパスポートの後ろのページに。その後には、居丈高なセキュリティーチェックが待っている。街に出れば、それほどではないのだが、空港のなかだけは、中国の嫌な面が浮き立ってしまうのだ。
 東京は穏やかな秋晴れだった。連休の中日でもあった。休日と思うと、少し気が楽になる。電車のなかに漂う、日本という国がもつ息苦しさが和らぐような気がするからだ。平日の早朝に成田空港に着き、混み合う通勤電車に乗ろうものなら、気分はずんずんと落ち込んでいく。この国で生きてきたことがことすら幻ではなかったのだろうか……と思えてくる。
 空席が目につく電車に乗って、東京の秋空を見あげていた。
 金木犀が満開だった。そのにおいに包まれながら、少しずつ、少しずつ、この国の日々を確かめるように思い出していく。たかだか10日ほど、この国を離れたにすぎない。しかしその間に、金木犀は茜色の花をつけ、芳香を放っていた。季節を追いかけるこの国の自然は忙しいが、密やかだ。
 バンコクと東京には、ずっしりと仕事が詰まっている。その間をつなぐ飛行機に乗る。
 その8時間ほどに間に、さまざまなことを考える。これも旅なのだろう。秋空を眺めながら、そんなことを考えていた。

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Posted by 下川裕治 at 12:41Comments(0)