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ナムジャイブログ

2015年06月08日

繁雑なことが増えていく

 雨が降り続く台北にいる。梅雨はもう明けかかっている……というが、この雨脚は梅雨である。
 昨日、台北に着いた。いつもは携帯電話をチャージするのだが、今回はインターネットシムカードを入れてみることにした。
 しばらく前から、台湾の携帯電話のチャージ額が最低300元になってしまった。約1200円である。海外ではそれほど携帯電話を使わないから、チャージ額だけが貯まっていく。しかし有効期限が先に切れてしまう。そのためにチャージをしなくてはならないのだが、300元はやはりもったいない。
 空港の電話会社のカウンターを見ると、3日間限定だが、インターネットが無制限で使うことができ、携帯電話は100元分が含まれるインターネットシムカードが300元と書かれていた。このほうが得ではないか。
 僕は海外の友人から譲ってもらったスマホを使っているので、シムカードは自由に入れることができる。
 カウンターは大陸からやってきた中国人観光客で混みあっていた。列に並び、300元のシムカードを注文した。係りの男性が、慣れた手つきで設定をしてくれる。その間も、ひっきりなしに近くにいる中国人が係員に声をかけてくる。いつものことだが……。
「電話はいまから。インターネットは5分後から使えます」
 そういわれてスマホを受けとった。
 知人に電話をかけ、メールを1通送った。そこまでは問題がなかったのだが、それ以降は電話しか使うことができなくなってしまった。インターネットが接続しない。
 台北市内に入り、同じ電話会社のオフィスで調べてもらった。
「インターネットは使い切っていますね」
「無制限って頼んだんですけど」
 係員が設定を間違えた? 声をかけてくる中国人がいけないのか。空港のオフィスに戻るしかなかった。しかし時間もない。
「200元払ってもらえれば、3日間の無制限になりますが」
 釈然としなかったが、200元を払った。
 これから旅行者はインターネットシムを使うようになっていくだろう。バンコクのホテルのオーナーがこんなことをいっていた。
「ネットがつながらないっていう苦情は多いんです。でも、もうネット環境への投資はやめました。インターネットシムを空港で入れるお客さんが増えてますから」
 インターネットシムを入れざるをえない時代が近づいているわけだ。しかし設定は係員任せだ。今回の台北の件にしても、トラブルの理由はよくわからない。そのうちに、設定も自分でやらなくてはいけないことになる気がする。APNとかユーザー名とか……。また繁雑なことが増えていく。
 いまから気が重い。


  

Posted by 下川裕治 at 13:17Comments(4)

2015年06月05日

【新刊プレゼント】アジア行ったりきたり『僕はこんな旅しかできない』

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下川裕治/著


僕はこんな旅しかできない
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Posted by 下川裕治 at 20:51Comments(1)

2015年06月01日

アメリカと中国か

 街から日本語が消えていく──。そんな思いに駆られるチェンマイだった。それははじめての感覚ではない。
 今年に入り、何回か滞在したソウルがそうだった。おそらく今年、韓国を訪ねる中国人は700万人を超えるといわれている。その多くはソウルに集まってくる。700万人という数は尋常ではない。やってくる外国人が1000万人を超えた、といった話が、日本では盛んに語られているが、韓国は中国一国で700万人なのである。
 以前、ソウルの明洞には、日本語が溢れていた。しかし日本人観光客の数を中国人が凌駕してしまったいま、当然のように日本語案内が中国語に切り替わっていく。レストランの店頭に置かれたメニューは、まず中国語。そこをめくると日本語が顔をのぞかせたりする。店に貼られる手書きの宣伝も中国語に染まっている。
 チェンマイもそうだった。旅行会社の前に立つトレッキングの幟は、英語と中国語。もう日本語は印刷されていない。屋台の掲げられたメニューは、タイ語と中国語だ。
 街では中国人をよく見かける。若い中国人の間では、バイクを借りることが人気のようだった。しかし中国人の運転は荒いから、タイ人の間では、こんな言葉が囁かれる。
「信号が青に変わっても、すぐに発進させると危ない。中国人は信号を無視してバイクを走らせるから」
 いま、世界のあらゆる国の共通した話題は中国人観光客である。その多くが悪口だ。世界に旅行に出かける中国人は、行く先々で中国人のイメージを悪くしてしまっている。それは日本やタイも同じなのだが、年間700万人の韓国や、中心部の人口が20万人ほどのチェンマイでは話が違ってくる。
 それは相対的な数の問題なのだろう。
 チェンマイの観光業界は生きていかなくてはならない。いくらマナーが悪くても、中国人は金を落としてくれる。表面では笑顔をつくらなくてはいけない。だからよけいに、裏での悪口に熱が入る。人間とはそういうものだろう。
 チェンマイから引きあげる日本人は多い。仕事ではなく、年金を頼りにするロングステイ組には、円安は痛い。暮らすことが難しくなってきているのだ。
 それに比べ、ドル高を背景にしたアメリカ人のロングステイ組が増えている。なんでも1万人を超えたのだという。
 つまりはアメリカと中国か──。
 チェンマイの路上で、ふたつの大国の存在感をまざまざと見せつけられてしまうのである。

  

Posted by 下川裕治 at 08:47Comments(1)