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ナムジャイブログ

2015年07月28日

【イベント告知】◆スライド&トークショー◆新刊「一両列車のゆるり旅」発売記念

今回はリマインドでお知らせです。

下川裕治の新刊発売記念イベント。
8月7日に東京で開催ですよ。

詳細は以下です。


今回は、東京での下川裕治スライド&トークショーのお知らせです。

下川裕治の新刊「一両列車のゆるり旅」の発売を記念して、下川裕治スライド&トークショー行います。

 新刊『一両列車のゆるり旅』(双葉文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ローカル鉄道で巡るのんびり旅の魅力について、スライドと動画を眺めながらたっぷりと語っていただきます。
 夏の北アルプス、吹雪の日本海、里山の無人駅など、 本書で「身延線・大糸線」「水郡線・只見線」「鳴門線・牟岐線・徳島線・予土線・内子線」「留萌本線・宗谷本線」などをゆったりと走る各駅停車に乗り、昭和の名残漂う駅前旅館に泊まる旅を体験した下川さん。
 ローカル鉄道でしか味わえない日本各地のさまざまな 文化や風習の違いについて、下川さんの貴重な体験談が聞けると思います。また、台湾や韓国のローカル線と駅前宿の情報も聞けるかも。

下川ファンの方はもちろん、鉄道好きの方や台湾や韓国の鉄道に興味のある方はぜひご参加ください!

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【日時】
 8月7日(金)  
 19:30 ~ (開場19:00) 

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

【参加費】  
 900円

【会場】
 旅の本屋のまど店内 

【申込み方法】
 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
 TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp

※お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください。定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627
 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp

主催:旅の本屋のまど 
協力:双葉社

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Posted by 下川裕治 at 21:04Comments(1)

2015年07月27日

衰退する日本を封印する若者

 アジアに出向くことが多いから、現地にいるライターと会うことは多い。現地に住む人しかわからない情報を日本に送り、その原稿料を生活費の足しにしている人もいる。
 あるバンコク在住のライターがこんな話をしてくれた。
 彼は先日、こんな記事を送った。
──バンコクに次々に誕生する日本料理店。経営者は日本人でも、日本人のための店をつくっても成功しない。タイ人が多くやってくる店でないとダメ。バンコクでは日本人客への期待は相対的に下がっている。
 彼には悪いが、バンコクの様子がわかっている人なら、誰でも知っていることだ。しかしこの原稿が採用されなかった。
「日本人とか日本の衰退のような話は、なるべく紹介しない方針だっていうんです。記事のアクセスが悪くなるとかで」
「どういう人たちが読むサイトなんです?」
「主に若者かな」
 台北で日本の媒体向け広告を担当する知人がこんなことをいった。
「高級フカヒレ店で、日本人客はもう歓迎されないんです。日本人はすぐシェアできないかっていうと。それに比べ、アジアの人はどーんとひとり一人前……。日本向けに広告を出しても費用対効果が悪いと」
 この話は以前、僕もこのブログで書いた。別のライターが、この話を若者向けサイトに書いたところ、抗議がかなりあったという。僕も穏やかなものだったが、40代の知人からこんな苦言が届いた。
「いいじゃないですか。日本人は堅実で」
 しかし若者の反発はもっと強いらしい。
 現実を知るとこ──。その重要さを教え込まれて育ってきた。だからアジアのなかで日本人の存在感が薄れてきていることを書く。しかし日本人の多くは、そんな記事から目をそむけようとする。その傾向は、若者のほうが強いらしい。
「もう日本は終わりですよ」
 こんな状況を肌で感じるあるジャーナリストは投げ捨てるようにいった。現実に目を向けず、優秀で美しい日本人話ばかりを求めようとする。
 それは日本人だけではない傾向にも思う。欠点に目を向けることは、自分や自国の状況に自信があるからだ。日本人は日本の力が落ちてきていることに気づいている。だから衰退していく日本話に耳を閉じる。その上にいまの日本の政権運営もある。しかしそこからしかなにも生まれないのだが。
 貧すれば鈍する……そういうことなのだろう。こう書くと、また多くの日本人が不愉快な思いをする。しかし目の前には現実が横たわっている。その差をどう埋めるというのだろうか。

  

Posted by 下川裕治 at 13:46Comments(2)

2015年07月20日

タイ人の労働意欲が空まわりする?

 宿の前の小さな店で、30バーツのそばを食べ、バイクタクシーに乗って、エムクオーティエというショッピングモールに出かけた。そのなかにある紀伊國屋書店で講演とサイン会があったからだ。
 バンコクでは話題のモールである。BTSのプロムポン駅。その南側にはエンポリアムという高級ショッピングモールがある。駅の北側に2番目のエンポリアムができた。それがエムクオーティエである。
 バイクタクシーを降りたとき、おじさんから、行く先を訊かれた。エムクオーティエといっても通じない。
「エンポリアム2」
「あれか」
 おじさんは無表情のまま指さした。汗の饐えたにおいが鼻についた。
 エムクオーティエは迷子になりそうなモールだった。館内には庭園があり、レストランはらせん状の通路に沿って続いていた。高級店が並んでいるが、店のレイアウトにそれぞれ工夫の跡がある。単なる大きな建物というだけではないデザインコンセプトがあるような気がした。
 アジアはいま、巨大ショッピングモールのブームである。ベトナム、カンボジア……。まるで経済成長を誇示するかのような建物が建ちあがる。エムクオーティエは、その先をめざしているようにも映る。
 しかし収まりのつかないものが、突きあげてくる。それは胃のなかにある30バーツのそば? バイクタクシーのおじさんの体が発する汗のにおい?
 格差社会である。その幅は年を追って広がっているようにも見える。アジアの人々は平等意識が薄い。政治家は貧しい人々を救済するというが、それは富裕層の既得権を守ったうえでの話だ。それはどの国でも同じなのかもしれないが、アジアのそれは、あきれるほどに露骨だ。エムクオーティエは、その象徴にも映る。
 貧しい庶民はエムクオーティエのなかをぶらぶら歩き、やがてここで惜しげもなく金を使う生活を思い描く。そこから生まれる上昇志向が、経済成長に結びついていく。それがアジアの成長のカラクリだろうか。
 最近、バンコクの街を見て呟いてしまうことがある。
「タイ人って、こんなに働いただろうか」
 飲食店で働くタイ人はけなげでもある。チェーン店の店員はサービスのマニュアルをきっちりとこなす。
 その労働意欲を支えるものは、努力が報われるという見晴らしのいい社会だ。しかしタイの軍事政権には逆向きのベクトルが働いているように思う。政治の混乱が招いたことでもあるのだが、軍による政治運営はあまりに長く、ときに陳腐だ。そのなかで、なにかが空まわりしているような気がしてならない。

  

Posted by 下川裕治 at 10:00Comments(1)

2015年07月13日

【イベント告知】◆スライド&トークショー◆新刊「一両列車のゆるり旅」発売記念

ぞくぞく続きます、下川裕治の新刊発売記念イベント。

今回は、東京での下川裕治スライド&トークショーのお知らせです。

下川裕治の新刊「一両列車のゆるり旅」の発売を記念して、下川裕治スライド&トークショー行います。

 新刊『一両列車のゆるり旅』(双葉文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ローカル鉄道で巡るのんびり旅の魅力について、スライドと動画を眺めながらたっぷりと語っていただきます。
 夏の北アルプス、吹雪の日本海、里山の無人駅など、 本書で「身延線・大糸線」「水郡線・只見線」「鳴門線・牟岐線・徳島線・予土線・内子線」「留萌本線・宗谷本線」などをゆったりと走る各駅停車に乗り、昭和の名残漂う駅前旅館に泊まる旅を体験した下川さん。
 ローカル鉄道でしか味わえない日本各地のさまざまな 文化や風習の違いについて、下川さんの貴重な体験談が聞けると思います。また、台湾や韓国のローカル線と駅前宿の情報も聞けるかも。

下川ファンの方はもちろん、鉄道好きの方や台湾や韓国の鉄道に興味のある方はぜひご参加ください!

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【日時】
 8月7日(金)  
 19:30 ~ (開場19:00) 

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

【参加費】  
 900円

【会場】
 旅の本屋のまど店内 

【申込み方法】
 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
 TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp

※お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください。定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627
 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp

主催:旅の本屋のまど 
協力:双葉社

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Posted by 下川裕治 at 15:19Comments(0)

2015年07月13日

借金を踏み倒してもうまいものを食べる人々

 経済破綻とは無縁なのだが、最近、日本でギリシャヨーグルトがちょっとしたブームになっている。「ようやく……」という思いはある。ギリシャに行ったら、まず食べたいもののひとつだった。
 開眼したのは、アテネの路地裏にあるホテルだった。簡単な朝食がついていた。5ユーロも払ったのに、ネットがなかなかつながらず、夜中まで悪戦苦闘していた。その日は午前中の便でロンドンに行くことになっていたから、寝不足で朝食のテーブルに座った。
 パンとコーンフレーク、紅茶かコーヒー、そこにオリーブ、クリームチーズらしきものが皿に盛られていた。それをパンにつけて食べた。クリームチーズらしきものがおいしかった。寝不足の体に、しっかりと刻み込まれていく味だった。
「これ、チーズ? ヨーグルトのような風味がするんですけと」
 同行していたカメラマンがいった。たしかにチーズにしたら、さっぱりとしている。
 ホテルのおじさんに訊いてみた。
「ギリシャヨーグルトさ。私たちは毎朝、これだよ」
 以来、チャンスがあれば、ギリシャヨーグルトを探した。
 日本で売られるようになったギリシャヨーグルトは、一般のヨーグルトよりかなり高かった。
「普通のヨーグルトの水を切ればギリシャヨーグルトになるらしいわよ。そんなに食べたいなら、自分でつくったら。ギリシャヨーグルトは高いから」
 妻からそういわれた。
 そんなもんなんだろうか。
 ざるにキッチンペーパーを敷き、そこに市販のヨーグルトを入れ、水を切る。それから数時間。ギリシャヨーグルトができあがってしまった。ギリシャで食べた味と大差はない気がする。
 しかし嵩は3分の1ほどに減っていた。
 ギリシャは借入金を返済できず、EUが示す財政再建策を受け入れるか、どうか……で国民投票にもつれこんだ。そして、ギリシャ人は、EU案を拒否した。つまり、借金は返さないよ、といっているようなものだ。
 その最中も、彼らはギリシャヨーグルトを食べていた。そしてドイツをはじめにするEU諸国の多くは、普通のヨーグルトを食卓に乗せいていた。ギリシャ人は、金がないというのに、市販のヨーグルトの3倍の濃さのヨーグルトなのだ。
 僕はギリシャという国が好きだ。住んでもいいとさえ思っている。おそらくそれは、旅人の感覚なのだろう。旅が楽しい国は、借金を踏み倒しても、うまいものを食べる国民性の国だ。日本人にはない性格ということなのだろうか。
  

Posted by 下川裕治 at 15:10Comments(2)