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ナムジャイブログ

2016年01月25日

【新刊プレゼント】週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分

下川裕治の新刊発売に伴う、プレゼントのお知らせです。今回の舞台は、シンガポール・マレーシアです。

●2月4日には新刊発売記念のスライド&トークショーを行います。詳細は以下をご覧ください。
http://odyssey.namjai.cc/e172822.html

【新刊】




下川裕治(著) / 阿部稔哉(写真)


週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分
(朝日文庫)


◎ 本書の内容

かつてひとつの国だった、ふたつの国。マレーシアから追放されたシンガポールは目覚ましく発展し、人気の旅行先になった。物価の高いシンガポールの格安すき間を探し、世界遺産の街でニョニャ料理を味わい、マレー人の小宇宙に浸る。やさしい風に誘われて、ぶらり漂う南国旅。


【プレゼント】


新刊本『週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分』を、

抽選で"3名さま"にプレゼントします!

応募の条件は以下です。

1.本を読んだ後に、レビューを書いてブログに載せてくれること。
(タイ在住+日本在住の方も対象です。)

応募は以下の内容をご記入の上、下記のお問合せフォームよりご連絡ください。応募受付期間は2016年2月14日まで。当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

えんぴつお問合せフォーム
http://www.namjai.cc/inquiry.php


1.お問合せ用件「その他」を選んでください。

2.「お問い合わせ内容」の部分に以下をご記載ください。

 ・お名前
 ・Eメールアドレス
 ・ブログURL(記事を掲載するブログ)
 ・郵送先住所
 ・お電話番号
 ・ご希望の書名(念のため記載ください)


今すぐほしい!という方は、下記アマゾンから購入可能です。

えんぴつアマゾン:
週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分(朝日文庫)


  

Posted by 下川裕治 at 13:25Comments(0)

2016年01月25日

イサンの首タオル

 昨年、ミャンマーを歩いた。そのときに同行した知人が、途中で体調を崩した。ミャンマー北部の、ラーショーという街だった。
 夕飯をすませ、ホテルに戻ると、彼は首にタオルを巻いて、ベッドに横になっていた。
「勤めていたとき、上司が仕事中、いつも首にタオルを巻いていたんです。訊くと、上司の席に上に冷房の排気口があるからだっていうんです。人間の体は、首の裏がすごく大切。ここを冷風から守れば、体調はいいんだよって説明されましてね」
 彼は海外で風邪をひいたときなど、いつも首にタオルを巻いて寝るのだという。こうすれば大崩れしない……彼が身に着けた旅行術だった。
 昨年の暮れ、タイのイサンにいた。列車やバスを乗り継いでまわっていた。夕方、ブアヤイという駅に着いた。
 駅舎を出、宿を探そうと近くを歩いた。そのとき、寒気を感じた。背筋や足がやけに寒かった。風邪の前兆だった。
 翌日も、列車に乗らなくてはならなかった。熱が出るとつらい。駅前の薬局に入った。そこで風邪薬を買い、ついでにホテルの場所も教えてもらった。
 いい街だった。少し歩くと、池があり、その前の広場に何軒もの屋台が出ていた。
 ホテルは池の傍にあった。部屋に入り、シャワーを浴び、薬を飲んだ。そのとき、首タオルの話を思い出した。
 やってみようか。
 持参していたタオルを首に巻いて、ベッドに入った。翌朝の列車は朝の5時50分にブアヤイ駅を発車する。
 5時に起きた。すっきりというわけではなかったが、熱は出てない。
 5時半に駅に着いた。見ると、駅舎の脇で火を焚いていた。イサンの12月は、けっこう冷え込む。昼間はTシャツ1枚でもいいが、朝夕は薄手のセーターがほしくなる。
 焚火の周りに3人の男がいた。そして全員が、首タオルを巻いていた。僕も鞄からタオルを出して首に巻き、炎に手をかざした。
 男たちが頬を緩めた。
「マイナーウ」(寒くない)
 といった。
 イサンの12月も首タオルだった。日本ならマフラーになるが、そこまで、寒くはない。首タオルがちょうどいい。
 列車は、まだ暗いブアヤイの駅を発車した。
 客はほとんどいない。斜め向かいにおばさんが座ったが、彼女も首タオルだった。
 最近、風邪をひくことが多い。年のせいかもしれない。首タオルでどこまでしのげるのだろうか。

  

Posted by 下川裕治 at 13:11Comments(2)

2016年01月18日

【イベント告知】「週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分」発売記念

下川裕治の新刊「週末シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分」発売を記念して、スライド&トークショーを開催いたします。

詳細は以下です。


今回は、東京での下川裕治スライド&トークショーのお知らせです。


 新刊『シンガポール・マレーシアでちょっと南国気分』(朝日文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ふらっと行く週末シンガポール&マレーシアの旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。
 前作『週末ソウルでちょっとほっこり』では、ハングルの海を漂って注文のコツを覚え、韓国人の飲みっぷりにつきあって二日酔いになり、未知なるKポップの世界に一歩踏み込んで週末のソウル旅行の楽しみ方を紹介していた下川さん。
 本作では、物価の高いシンガポールの格安滞在術を探し、マレーシアの世界遺産の街でニョニャ料理を味わい、マレー人の小宇宙に浸るなど、週末のシンガポール&マレーシア旅行の楽しみ方をオススメしています。
 かつては一つの国で、それぞれ目覚ましく経済発展し、人気の旅行先になったシンガポールとマレーシアの今を取材した下川さん独自の旅の情報が聞けるはずです。
 下川ファンの方はもちろん、シンガポールやマレーシアが大好きな方や週末旅に興味のある方はぜひご参加ください!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

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【開催日時】 
2月4日(木)  
19:30 ~ (開場19:00)

【参加費】  
900円   
※当日、会場入口にてお支払い下さい

【会場】 
旅の本屋のまど店内

【申込み方法】 
お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)

※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 
(定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp

主催:旅の本屋のまど
協力:朝日新聞出版
  

Posted by 下川裕治 at 19:23Comments(0)

2016年01月18日

蔡英文はきっと台湾の民度の象徴

 1月16日に日本に戻った。前夜、台北に降り続いていた冷たい雨を知らないような冬の青空が広がっていた。
 それが恒例のように、15日の夜、台北にいた。翌日に総統選を控えていた。台湾の総統選は、いつも、親中派の国民党と、中国と距離を置こうとする民進党の一騎打ちになる。今回は、ほぼ結果はわかっているという総統選だったが、その空気を味わいたかった。
 今回、民進党の最後の集会は、総統府前の凱達格蘭大道で行われることになっていた。これまでの選挙では、国民党がしばしば集会を開いた場所だった。そこで今回は民進党。やはり結果はわかっていたのかもしれない。
 民進党の前回の集会は、板橋の競技場だった。スタンドに座ってステージにあがる支持者たちを見ることができたが、今回は通りの特設会場。途中の道から支持者たちの列が続き、なかなかメイン会場に近づくことはできなかった。それでも人をかいくぐって前に進み、照明の台座によじ登ってステージを眺めた。
 雨具を着た熱心な支持者たちが前列を埋める。ステージでは支持者の演説や「ヒマワリ学生運動」のテーマソングを若者が歌う。それなりの盛りあがりはあった。
 民進党の総裁候補は蔡英文だった。
 地味な女性だった。4年前も立候補し、ステージにあがったが、ほかの政治家のようなオーラがまったくなかった。演説からもパワーが伝わってこない。国際経済法の学者だから……という人もいるが。
 民進党のなかでの党歴も長くない。新北市の市長選や前回の総統選に出馬したが、どちらも落選している。
「だからなんですよ」
 台北に住む知人はいう。8年間、国民党の馬政権が続いたが、その前は民進党の陳水扁が総統だった。しかし資金スキャンダルが表面化し、最終的には逮捕される。国民党に比べれば、清廉なイメージを前面に出していた民進党が抱えた現実はかなり重かった。そこからの脱却に8年かかったということかもしれないが、そのためには蔡英文という地味なキャラクターが必要だった気がする。
 開票結果は日本で知った。予想通り、蔡英文は680万票を得る大勝。立法院でも民進党は過半数を獲得した。
 翌日の日本の論調は、「台湾人意識」一色だった。たしかに世代交代的な意味合いは強い。中国か独立かという対抗軸のなかで生きてきた政治家の時代は終わったのかもしれない。しかし、そう決めつけることに、若干の違和感がある。
 経済力では、台湾は中国に大きく水をあけられた。そこで台湾が主張するのは民度のような気がする。初の女性総統はその対抗軸の象徴だった気もするのだ。

  

Posted by 下川裕治 at 18:36Comments(1)

2016年01月04日

ビールのシンガポール式隘路

 間もなく1冊の文庫本が発売になる。『週末シンガポール、マレーシアでちょっと南国気分』。朝日新聞出版から発行が続いている週末シリーズの1冊である。
 このシリーズ本はバンコクにはじまり、台湾、ベトナム、沖縄、香港・マカオ、ソウルに続く1冊である。週末シリーズということになっているが、僕の本だから、ガイド的な要素は少ない。その国に踏み込んだ内容を書かせてもらっている。版を重ねているのは、アジアを描く書籍の多くが、観光に偏りすぎていたからのように思う。それだけアジアが身近な存在になっているのだろう。何回か訪ねていれば、「なぜ?」が生まれてくる。そんな疑問に、的確な答えを出すことができているかはわからないのだが。
 シンガポールでは昨年、困った法律が施行された。夜の10時半から翌朝の7時まで許可を得ていない店は、酒類を出すことができなくなったのだ。そこに追い打ちをかける新たな規制も発表された。「リカーコントロールゾーン」というもので、このエリアに指定されると、土曜日の朝7時から月曜日の朝7時までビールを飲むことができなくなってしまうルールだった。僕が根城にするゲイランとリトルインディアは、そのエリアになってしまった。
「夜と週末はビールもだめか」
 と天を仰いだが、この法律は公の場所だけが対象だった。
「公園や公道はだめってこと? だったら僕が毎晩座るホーカーズは、大丈夫じゃない」
 と胸をなでおろしたが、ホーカーズは実は公道の上にある店だ、という解釈は聞こえてきて、シンガポールのグレーゾーンに入り込むことになる。ホーカーズはシンガポール式の屋台村なのだが、個人所有ではなく、国家環境庁や住宅公団などが所有している。つまり公の場所なのだと……。
 一気にシンガポールの空に暗雲がたちこめてしまった。これは実際にホーカーズに座るしかない。しかし答えはでなかった。夜の10時半でビールが飲めなくなるホーカーズは多かったが、なかには12時近くまで飲むことができるところもあった。週末の対応もまちまちだった。
 原稿を書きながら、何回もシンガポールに住む知人に連絡をとった。
「状況、変わってきてますね。ホーカーズのなかに公道と公道ではない場所が存在するみたい。公道ではないテーブルは飲んでいいみたいなんです」
 とてもこのブログのスペースでは説明できないややこしいシンガポール式隘路だった。詳しくは本ということなのだが、本でも正確には書ききれなかった。ホーカーズに座ってみるしかない。ビールが面倒な街になった。
  

Posted by 下川裕治 at 09:40Comments(3)