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ナムジャイブログ

2019年03月29日

【新刊プレゼント】『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』

下川裕治の新刊発売に伴う、プレゼントのお知らせ記事の投稿です。

【新刊】



下川裕治 (著)


『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』

KADOKAWA刊
972円(税込)


◎ 本書の内容

現代中国からいにしえの天竺へ! 時空を超えたバックパッカーの旅路「バックパッカーの神様」ともいわれる旅行作家の下川裕治氏が20年来温めてきた企画、玄奘三蔵の歩いた道を辿る旅を綴った書き下ろし新作。数千円で行けるルートをあえて使わず、数万円をかけて越えた国境。富士山頂なみの高所で氷点下に震えたかと思えば、灼熱のパキスタン・インドで狭いベッドに2人して寝る寝台列車。「風の谷のナウシカ」の舞台とも言われる絶景を眺め、今夜の寝床もわからぬまま突き進むタクラマカン砂漠……。7世紀に行われた玄奘の旅路を可能な限り再現するため、普通の人なら絶対行かないルートを辿ったバックパッカーが、21世紀に決行した旅路の果てに見たものとはいったい!?


【プレゼント】

新刊本『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅(中経の文庫)』 を、

抽選で"3名さま"にプレゼントします!

応募の条件は以下です。

1.本を読んだ後に、レビューを書いてブログに載せてくれること。
(タイ在住+日本在住の方も対象です。)

応募は以下の内容をご記入の上、下記のお問合せフォームよりご連絡ください。応募受付期間は2019年4月11日まで。当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

えんぴつお問合せフォーム
http://www.namjai.cc/inquiry.php


1.お問合せ用件「その他」を選んでください。

2.「お問い合わせ内容」の部分に以下をご記載ください。

 ・お名前
 ・Eメールアドレス
 ・ブログURL
  (記事を掲載するブログ)
 ・郵送先住所
 ・お電話番号
 ・ご希望の書名
  (念のため記載ください)


今すぐほしい!という方は、下記アマゾンから購入可能です。

えんぴつアマゾン:
『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』  (中経の文庫)
  

Posted by 下川裕治 at 12:36Comments(0)

2019年03月25日

蚊帳のなかで眠る

 昔から蚊には悩まされてきた。蚊のいない街……世界では珍しいと思う。昨年、ウズベキスタンのタシケントにいた。このエリアの春と秋は、もう天国ではないかと思うほどいい気候に包まれる。地元の知人がこういう。
「この時期、外で寝ることができますよ。気候もいいし、タシケントには蚊がいませんから」
 そう聞いたとき本当に天国かと思った。たしかにタシケントには蚊がいない。
 いまバンコクにいる。暑くなってきた。この時期いつも思うのだが、蚊が少ない。1回も刺されないことが珍しくない。昔から思うのだが、本格的な暑気は、蚊が少ない。むしろ、その手前の時期のほうが蚊は多い。
 台湾でも同じことを聞いた。台北は、6月、7月といった時期が、いちばん暑くなる。しかし蚊は少ない。多いのは2月から4月ぐらいだという。アジアのなかでも、台湾は蚊が多いところだと思う。彼らがそういうから、たしかかもしれない。本格的な暑気の前に蚊が多くなる……。
 今年の2月。バングラデシュ南部の村で家を借りて住んでみた。その家の壁は、竹を編んだだけの一枚壁だった。隙間だらけだ。バングラデシュでは珍しくないが、こういう家に寝泊まりしたのははじめてだった。
 夜、外の気配がよくわかった。庭に入った猫の息遣い、ネズミの足音、ヤモリの鳴き声……。壁は隙間が多いから、蚊の出入りは自由である。蚊の多い時期だった。やはり暑くなる前の時期である。部屋のなかでは蚊帳を吊って寝る。
 快適に寝るためには、蚊帳のなかに蚊を入れないことだった。そのためには、まず細心の注意を払って、蚊帳を畳むことだった。朝になり、蚊帳をかたづけるのだが、そのとき、丁寧に折り畳む。なかに蚊が入らないようにするのだ。そして、蚊帳を吊るときは、速さを心がける。さっさと吊るし、下側は布団に巻き込んでいく。
 しかしいくら注意しても、蚊は入ってきてしまう。電気を消し、体を横たえると、ぷーんという羽音。あれは不快である。そのために殺虫剤を買った。蚊帳を吊った後内部に吹きかけた。
 日本のメーカーが蚊がとまると死ぬ薬剤を練り込んだ糸で編んだ蚊帳をつくった。よく売れているという話を聞いた。しかしなぜ、売れるのかわからなかった。蚊帳の外にいる蚊がとまって死んだところで、眠る側には関係のないことだ。
 ぷーんという羽音を耳にして、はじめて気づいた。そういうことだったのか……。
 蚊を殺す蚊帳──。それは、外にいる蚊ではなく、蚊帳のなかに入った蚊対策だった。
 開発者はきっと、蚊帳の中に入ってしまった蚊に悩んだのに違いない。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズが連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
  

Posted by 下川裕治 at 12:09Comments(0)

2019年03月20日

【イベント告知】新刊「ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅」発売記念

下川裕治の新刊「ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅」発売を記念して、トークイベントを開催いたします。

詳細は以下です。


今回は、東京での◆下川裕治さん×中田浩資さん スライド&トークショー◆新刊「ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅」発売記念のお知らせです。

◆川裕治さん×中田浩資さん
スライド&トークショー◆

「シルクロード&中央アジアの旅の魅力 ~ 三蔵法師の旅路を辿って」

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新刊『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』(中経の文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんとカメラマンの中田浩資さんをお招きして、シルクロードと中央アジアの旅の魅力について前編、 後編の2週に渡ってスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。東南アジアの「マイナー国境」をひたすら越える旅や超過酷なユーラシア大陸を横断する鉄道旅、格安エアラインで世界一周するなど、60歳を超えてなおいまだにハードなバックパック旅行を続ける下川さんが今回挑戦したのは、20年来温めてきた企画、玄奘三蔵の歩いた道を辿って中国からシルクロード、中央アジアを抜けてパキスタン、インドへと向かう巡礼旅。富士山頂なみの高所で氷点下に震え、灼熱のパキスタン、インドでは狭いベッドに2人で寝台列車に揺られ、「風の谷のナウシカ」の舞台とも言われる絶景を眺め、今宵の寝床もわからぬままタクラマカン砂漠を突き進むなど、7世紀に行われた玄奘の旅路を可能な限り再現するため、普通の旅人なら絶対に行かない過酷なルートを辿った旅になっています。4/11(木)の前編では中国から中央アジアを巡るシルクロード編を、4/19(金)の後編ではパキスタン、インド編のお話をしていただく予定です。下川ファン、中田ファンの方はもちろん、シルクロードや中央アジアの歴史や文化が好きな方や国境フェチの方、バックパック旅行に興味のある方はぜひご参加ください!


※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

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●下川裕治(しもかわゆうじ)

1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『シニアひとり旅 バックパッカーのすすめアジア編』 等。

◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/

●中田浩資(なかたひろし)

1975年徳島市生まれ。フォトグラファー。大学休学中の97年に渡中。99年までの北京滞在中、通信社にて報道写真に携わる。帰国後、会社員を経て2004年よりフリー。旅行写真を中心に雑誌、書籍等で活動中。

◆中田浩資さんHP
http://www.nakata-photo.jp

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【開催日時】 
・4月11日(木) 前編 19:30 ~
(開場19:00)

・4月19日(金) 後編 19:30 ~
(開場19:00)

【参加費】  
各1000円※当日、会場入口にてお支払い下さい

【会場】 
旅の本屋のまど店内

【申込み方法】 
お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 
※参加希望回(2回とも、前編のみ、後編のみ)の明記をお願いします。
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F

http://www.nomad-books.co.jp

主催:旅の本屋のまど 
協力:KADOKAWA  

Posted by 下川裕治 at 15:17Comments(0)

2019年03月18日

引きずられる便利さ

 徳島、大阪、京都をまわった。白血病で息をひきとったジミー金村さんの墓参を兼ねた取材だった。
 取材や旅という世界になると、僕は海外というフィールドのほうが多くなる。たまに日本で取材旅行に出ると、
「日本はなんて便利なんだ」
 と呟くことになる。日本語が通じる、ということもあるのだろうが。
 飛行機が徳島の空港に着くと、便に合わせた徳島駅行きのバスが待っていた。取材を終え、ビジネスホテルで原稿を書いていた。相変わらずだが、本の原稿に追われている。
 ふと気がつくと、11時をまわっていた。なにか食べなくては……とホテルを出ると裏手にスーパーが店を開いていた。24時間営業だった。
 ビジネスホテルのある場所は、徳島の繁華街から少しはずれていた。もう徳島大学が近い。そんなエリアなのに終日営業。僕は助かったが、店内は閑散としていた。
 店内を歩くと酒類のコーナーがあった。
「そうか、日本は深夜でも自由に酒を買うことができるんだ」
 としばし、ずらりと並ぶビールの前で立ち止まってしまった。
 翌朝、バスで大阪に出ようと思った。駅前にあるバスセンターに出向くと、簡単に切符を買うことができた。大阪行きのバスは30分おきに出ていた。乗り込むと、客は10人ほどだった。バスは鳴門海峡を越え、淡路島を縦断し神戸に出て、梅田に到着した。3時間ほどで着いてしまった。
 そこから茨木に行くことになっていた。阪急電車の駅はすぐ近くだった。
 やはり日本は便利だった。
 日本のコンビニが終夜営業の見直しを検討しているという。いまの日本は、人手不足がかなり深刻なのだ。その話を聞いた知人のイギリス人はこういった。
「いいんじゃない。日本は、便利すぎるから」
 彼はイギリスに里帰りして、日本に戻ったばかりだった。
「ロンドン郊外の実家にいたんだけど、夜の10時頃、コーラが飲みたくなって、ふと考えたんですよ。日本はすぐ近くにコンビニがあるけど、ロンドンは違う。あっても早く店は閉まってしまう」
 彼は日本の大学を卒業し、10年以上、東京に住んでいた。
 日本には、「引きずられる便利さ」があるような気がしてならない。他店が24時間営業に踏み切ったからうちも……という発想だ。それを競争の論理といっていいかわからないが。徳島の住宅地に近いスーパーが終日営業にする意味があるのかとも思ってしまうのだ。その空気感が便利な日本をつくりだしたが、その空気に足を引っ張られている気がしないでもない。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズが連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
  

Posted by 下川裕治 at 15:43Comments(0)

2019年03月11日

子供がいれば生きていける

 以前、バングラデシュの難民キャンプの話をした。60万人以上のロヒンギャ難民が暮らしているクトゥパロンキャンプ。そのなかの医療施設で医師と交わした会話が気になっている。彼はキャンプ内で生まれる子供の多さを気にしていた。
「正確な数はわからないんですが、推定で1年間に2万人ぐらいの子供が生まれているようなんです」
 2万人──。とんでもなく多い。出生率の算出は簡単にはできない。60万人というと、日本でいうと鳥取県の人口が近い。鳥取県で1年間に生まれた子供は約4500人ぐらいだから、その4倍以上になる。
「妊娠がわかって診療所にやってくる。しかし、夫の名前を書かない女性が多いんです。いろんな事情があるのかもしれませんが」
 医師はファミリープランの話もするといっていたが。
 難民キャンプには女性や子供が多い。紛争地から避難してきたわけだから当然だろう。クトゥパロンの難民キャンプを案内してくれたのはベンガル人。イスラム教徒だった。
「NGOのスタッフのなかには、出生率の高さを、イスラム教で説明する人がいる。一夫多妻だからと……。でも、いまのイスラム社会では、そんなことはあまりありません。ロヒンギャはイスラム教徒だけど、同じですよ」
 ではなぜ出生率が高くなるのだろうか。
「難民キャンプでは出生率が高くなる」という話をだいぶ昔に聞いたことがある。タイにいくつかあったカンボジア人の難民キャンプで援助活動をしている日本人からだった。
 カンボジアにはその後、UNTAC(国連カンボジア暫定統治機構)の管理のもとで選挙が行われた。そのとき、1ヵ月ほどプノンペンに滞在した。すでに旅行者もカンボジアには入っていた。そのひとりから、郊外の売春宿の話を聞いた。
「ベトナム人が多いけど、カンボジア人女性の一画もある。そりゃ、ひどいところです。掘っ立て小屋のなかがカーテンで仕切ってあって。そこで聞いたんだけど、カンボジアの女性は避妊をしないらしい。子供がほしいそうなんです。どんなに厳しい環境でも、子供がいれば生きていけるって、彼女たちは考えるらしい」
 そういうことなのだろうか。難民になったこともなく、男性でもある僕にはなかなか想像できない。しかし、身寄りのないひとりの女性が、将来が見えないなかで生きていかなくてはならない。紛争はそんな状況をつくりあげてしまう。
 それでも生きていく女性たち。その支えになるのが子供たち……。
 クトゥパロンの難民キャンプで考え込んでしまった。診療所には10人を超える女性たちが順番を待っていた。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズが連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
  

Posted by 下川裕治 at 13:02Comments(1)