2019年09月23日
紛失スマホをみつけたシムカード
スマホをなくした。9月5日だった。帰宅する電車のなかだった。改札を出て、スマホがないことに気づいた。車内でメールをチェックした記憶があった。電車のシートの上にあるのかもしれない。駅の窓口に紛失届をだした。翌朝、駅横の交番にも紛失届。その場でチェックしてもらったが、警察の遺失物のデータのなかに、僕のスマホはなかった。
どう探そうか。スマホには、現在ある場所を調べる機能があるという。しかしそれには登録が必要だった。その手続きはしていなかった。
僕のスマホはやや複雑だ。機械はタイのバンコクで買ったものだ。一応、正規の店で買っている。しかし日本ではガラケーももっている。スマホに入っているシムカードは、日本では格安シムと呼ばれる会社と契約したもので、通信機能だけがある。電話としては使えない。だから電話をかける方法もない。
僕はしばしばスマホを紛失する。前回はスマトラ島。トバ湖からブキティンギという街まで、チャーターした車に乗った。15時間も乗り続けた。その車内に落としてしまった。
運転手の電話番号もわからなかった。翌朝はジャカルタに向かう。探す時間もない。結局、諦めるしかなかった。
それから1年半。今度は東京で……。
メールはパソコンでなんとかなった。電話はガラケーをもっているから問題はない。すべてをスマホに集めている人より支障はないほうだろう。
困ったのはラインだった。主に家族のやりとりに使っているが、人によってはライン中心の人がいる。そんな人との連絡はとれなくなった。
しかしラインはやっかいだった。二重に認証するシステムになっていて、いろいろやってみたが、なかなか使うまでにはならなかった。そうこうしているうちに、カナダの北極圏に行く日が近づいてきた。すると娘が助け舟を出してくれた。使っていないiPadをくれるという。それを鞄に入れて日本を離れた。
iPadは大きい。これなら落とすこともない気がする。僕はこのほうがいいんだろうか、などと考えながら使っていた。
困ったことがひとつあった。ツイッター用に北極海を撮ろうとしたときだった。冷たい強風が吹きつける海岸でiPadを出しだが、風を受ける面積が大きすぎ、固定することができない。風を受けたiPadは激しく前後に揺れるのだ。サケの燻製小屋に隠れるようにしてなんとかシャッターを押した。
メールが届いたのはその夜だった。格安シムの会社からだった。高尾警察署から連絡がきたという。どうやって僕を割り出したのかはわからなかった。
警察は遺失物探しにメールは使わない。おそらく、高尾警察署がシムカード会社に電話をかけ、カードに書かれた番号から僕がわかったのだろう。
こういうみつかり方もある。これをIT社会というのだろうか。
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★「旅情報ノートクラブ」始めました★
下川裕治をリーダーに、僕らの街、バンコクを紹介する旅好きライター集団。ゲストハウスに必ずあった"旅の情報ノート"に書き込むように『歩くバンコク』で情報発信し、旅好き仲間と交流できる会です。
★詳細→ http://www.arukubkk.com/
★FBページ(いいねお待ちしてます)
→https://www.facebook.com/arukubkk.tabi.note/
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■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=台湾の超秘湯の旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまも続いています。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
どう探そうか。スマホには、現在ある場所を調べる機能があるという。しかしそれには登録が必要だった。その手続きはしていなかった。
僕のスマホはやや複雑だ。機械はタイのバンコクで買ったものだ。一応、正規の店で買っている。しかし日本ではガラケーももっている。スマホに入っているシムカードは、日本では格安シムと呼ばれる会社と契約したもので、通信機能だけがある。電話としては使えない。だから電話をかける方法もない。
僕はしばしばスマホを紛失する。前回はスマトラ島。トバ湖からブキティンギという街まで、チャーターした車に乗った。15時間も乗り続けた。その車内に落としてしまった。
運転手の電話番号もわからなかった。翌朝はジャカルタに向かう。探す時間もない。結局、諦めるしかなかった。
それから1年半。今度は東京で……。
メールはパソコンでなんとかなった。電話はガラケーをもっているから問題はない。すべてをスマホに集めている人より支障はないほうだろう。
困ったのはラインだった。主に家族のやりとりに使っているが、人によってはライン中心の人がいる。そんな人との連絡はとれなくなった。
しかしラインはやっかいだった。二重に認証するシステムになっていて、いろいろやってみたが、なかなか使うまでにはならなかった。そうこうしているうちに、カナダの北極圏に行く日が近づいてきた。すると娘が助け舟を出してくれた。使っていないiPadをくれるという。それを鞄に入れて日本を離れた。
iPadは大きい。これなら落とすこともない気がする。僕はこのほうがいいんだろうか、などと考えながら使っていた。
困ったことがひとつあった。ツイッター用に北極海を撮ろうとしたときだった。冷たい強風が吹きつける海岸でiPadを出しだが、風を受ける面積が大きすぎ、固定することができない。風を受けたiPadは激しく前後に揺れるのだ。サケの燻製小屋に隠れるようにしてなんとかシャッターを押した。
メールが届いたのはその夜だった。格安シムの会社からだった。高尾警察署から連絡がきたという。どうやって僕を割り出したのかはわからなかった。
警察は遺失物探しにメールは使わない。おそらく、高尾警察署がシムカード会社に電話をかけ、カードに書かれた番号から僕がわかったのだろう。
こういうみつかり方もある。これをIT社会というのだろうか。
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Posted by 下川裕治 at
16:08
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2019年09月16日
北極圏に舞う煙
カナダのイヌヴィックにいる。北緯66度19分。北極圏である。今日、この街からトゥクトヤトゥクまで行ってきた。目の前に北極海があった。
気温4度。すでに冬ざれたといってもいい寒さだった。
カナダのユーコン州にあるホワイトホースから、延々と車の移動である。途中のドーソンシティからデンプスターハイウエイがのびている。冬季は閉鎖される道だ。このハイウエイの終点はイヌヴィックだった。しかし2年前、さらに北のトゥクトヤトゥクまでの144キロが開通。その道を走ったわけだ。
30年前、トゥクトヤトゥクを訪ねていた。そのときは道がなく、小型飛行機に乗った。世界の道は、北へ北へとのびている。
30年前、トゥクトヤトゥクの浜には、イヌイットの人々が暮らすテントがあった。凍結する冬の間は、さらに北に向かい、そこで猟をしながら暮らす。それがイヌイットの日常だった。しかし氷が融けると身動きがとれなくなってしまう。海岸にテントを張り、寒くなるのを待つわけだ。海岸で暮らす彼らは、陸にあがった河童だった。
しかし今日、トゥクトヤトゥクの海岸ではテントは見つからなかった。町なかには、いかにも政府の援助といった家が並んでいた。そこを歩く人々の顔は日本人にそっくりだった。イヌイットだった。
ホワイトホースから北上するルートは、カナダ側から見れば、辺境に向かう道だが、民族的にはアジアに近づいていく道である。遠い昔、アジアからインディアンがアメリカ大陸に渡った。その後、イヌイットが移っていく。彼らはアメリカ大陸の先住民族ということになる。
インディアン、そしてイヌイットは、その後、つらい立場に置かれていく。世界を席巻していった文化は、狩猟の暮らしとプラスとマイナスの電極のように反発してしまう。
30年前、イヌイットはその分岐点にいたように思う。しかし猟のために移動する生活スタイルは、政府にとっては都合が悪い。国民としての権利や義務という範疇に入ってこないのだ。
イヌイットたちの意識も変わってきた。政府の援助は、一時、アルコールに溺れる大人をつくっていったが、やがて、人生観が変化していく。たとえば子供の教育。そのためには定住が必要だった。
狩猟民族の多くは、こうして民族の生活スタイルを変えていく。インディアンは森のなかの小屋を離れ、イヌイットはテントを捨てて、家に住むようになっていく。
しかし流れる血はそう変わらない。
海岸に沿って粗末な小屋が並んでいた。どれもサケを燻製にする小屋だった。彼らはきっと、焚火のにおいに反応してしまうのだ。その反応力は僕らより強い。日本人が焚火のにおいに反応するレベルではない気がする。
小屋からのぼる煙が、北極からの風に舞っていた。
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気温4度。すでに冬ざれたといってもいい寒さだった。
カナダのユーコン州にあるホワイトホースから、延々と車の移動である。途中のドーソンシティからデンプスターハイウエイがのびている。冬季は閉鎖される道だ。このハイウエイの終点はイヌヴィックだった。しかし2年前、さらに北のトゥクトヤトゥクまでの144キロが開通。その道を走ったわけだ。
30年前、トゥクトヤトゥクを訪ねていた。そのときは道がなく、小型飛行機に乗った。世界の道は、北へ北へとのびている。
30年前、トゥクトヤトゥクの浜には、イヌイットの人々が暮らすテントがあった。凍結する冬の間は、さらに北に向かい、そこで猟をしながら暮らす。それがイヌイットの日常だった。しかし氷が融けると身動きがとれなくなってしまう。海岸にテントを張り、寒くなるのを待つわけだ。海岸で暮らす彼らは、陸にあがった河童だった。
しかし今日、トゥクトヤトゥクの海岸ではテントは見つからなかった。町なかには、いかにも政府の援助といった家が並んでいた。そこを歩く人々の顔は日本人にそっくりだった。イヌイットだった。
ホワイトホースから北上するルートは、カナダ側から見れば、辺境に向かう道だが、民族的にはアジアに近づいていく道である。遠い昔、アジアからインディアンがアメリカ大陸に渡った。その後、イヌイットが移っていく。彼らはアメリカ大陸の先住民族ということになる。
インディアン、そしてイヌイットは、その後、つらい立場に置かれていく。世界を席巻していった文化は、狩猟の暮らしとプラスとマイナスの電極のように反発してしまう。
30年前、イヌイットはその分岐点にいたように思う。しかし猟のために移動する生活スタイルは、政府にとっては都合が悪い。国民としての権利や義務という範疇に入ってこないのだ。
イヌイットたちの意識も変わってきた。政府の援助は、一時、アルコールに溺れる大人をつくっていったが、やがて、人生観が変化していく。たとえば子供の教育。そのためには定住が必要だった。
狩猟民族の多くは、こうして民族の生活スタイルを変えていく。インディアンは森のなかの小屋を離れ、イヌイットはテントを捨てて、家に住むようになっていく。
しかし流れる血はそう変わらない。
海岸に沿って粗末な小屋が並んでいた。どれもサケを燻製にする小屋だった。彼らはきっと、焚火のにおいに反応してしまうのだ。その反応力は僕らより強い。日本人が焚火のにおいに反応するレベルではない気がする。
小屋からのぼる煙が、北極からの風に舞っていた。
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Posted by 下川裕治 at
12:27
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2019年09月13日
【新刊プレゼント】『10万円でシルクロード10日間』
下川裕治の新刊発売に伴う、プレゼントのお知らせ記事の投稿です。

下川裕治 (著)
『10万円でシルクロード10日間』
KADOKAWA刊
1,700円(税別)
◎ 本書の内容
旅のプロ・下川裕治氏が懇切丁寧に解説する、シルクロード旅行ガイドブック
東洋と西洋が入り交じる中央アジアは、世界中のどの国とも異なる独特の情緒を持っており、おすすめの地域です。特に春と秋は澄み渡る青空と乾燥した空気が相まって、非常に快適な旅を楽しめます。中央アジアはイスラム圏ですが、ソ連統治時代を経たせいか非常に世俗的であり、飲酒も可能。現地の女性もイスラム圏で見られるような抑圧的な服装をしている人はおらず、その点の心配も無用です。名所も豊富なわりにまだ観光客もそこまで多くなく、世界的にも穴場な観光スポットとなっています。本書ではシルクロードの起点西安からシルクロードの中心ウズベキスタンまでを、2つのルートから豊富な写真とともに解説する、ちょっと人とは違う旅行がしたい人向けのフォトガイドブックです。
新刊本『10万円でシルクロード10日間』 を、
抽選で"3名さま"にプレゼントします!
応募の条件は以下です。
応募は以下の内容をご記入の上、下記のお問合せフォームよりご連絡ください。応募受付期間は2019年9月27日まで。当選発表は発送をもってかえさせていただきます。
お問合せフォーム
http://www.namjai.cc/inquiry.php
今すぐほしい!という方は、下記アマゾンから購入可能です。
アマゾン:
『10万円でシルクロード10日間』 (KADOKAWA)
【新刊】

下川裕治 (著)
『10万円でシルクロード10日間』
KADOKAWA刊
1,700円(税別)
◎ 本書の内容
旅のプロ・下川裕治氏が懇切丁寧に解説する、シルクロード旅行ガイドブック
東洋と西洋が入り交じる中央アジアは、世界中のどの国とも異なる独特の情緒を持っており、おすすめの地域です。特に春と秋は澄み渡る青空と乾燥した空気が相まって、非常に快適な旅を楽しめます。中央アジアはイスラム圏ですが、ソ連統治時代を経たせいか非常に世俗的であり、飲酒も可能。現地の女性もイスラム圏で見られるような抑圧的な服装をしている人はおらず、その点の心配も無用です。名所も豊富なわりにまだ観光客もそこまで多くなく、世界的にも穴場な観光スポットとなっています。本書ではシルクロードの起点西安からシルクロードの中心ウズベキスタンまでを、2つのルートから豊富な写真とともに解説する、ちょっと人とは違う旅行がしたい人向けのフォトガイドブックです。
【プレゼント】
新刊本『10万円でシルクロード10日間』 を、
抽選で"3名さま"にプレゼントします!
応募の条件は以下です。
1.本を読んだ後に、レビューを書いてブログに載せてくれること。
(タイ在住+日本在住の方も対象です。)
(タイ在住+日本在住の方も対象です。)
応募は以下の内容をご記入の上、下記のお問合せフォームよりご連絡ください。応募受付期間は2019年9月27日まで。当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

http://www.namjai.cc/inquiry.php
1.お問合せ用件「その他」を選んでください。
2.「お問い合わせ内容」の部分に以下をご記載ください。
・お名前
・Eメールアドレス
・ブログURL
(記事を掲載するブログ)
・郵送先住所
・お電話番号
・ご希望の書名
(念のため記載ください)
2.「お問い合わせ内容」の部分に以下をご記載ください。
・お名前
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・ブログURL
(記事を掲載するブログ)
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(念のため記載ください)
今すぐほしい!という方は、下記アマゾンから購入可能です。

『10万円でシルクロード10日間』 (KADOKAWA)
Posted by 下川裕治 at
15:24
│Comments(1)
2019年09月13日
【イベント告知】新刊「10万円でシルクロード10日間」発売記念
下川裕治の新刊「10万円でシルクロード10日間」発売を記念して、トークイベントを開催いたします。
詳細は以下です。
今回は、東京での◆下川裕治さんトークイベント◆新刊「10万円でシルクロード10日間」発売記念のお知らせです。
◆下川裕治さんトークイベント◆
「10万円で気軽に楽しむシルクロード旅行の魅力」
-------------------------------
新刊『10万円でシルクロード10日間』(KADOKAWA)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、10万円で気軽に行くシルクロード旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。ビザが緩和され、移動手段や治安においてもハードルが下がり旅行しやすくなったシルクロードや中央アジアは、ウズベキスタンを中心に、近年、観光客が増えていて、特に女性に大人気の旅行先になっています。中央アジアはイスラム圏ですが、ソ連統治時代を経たせいか非常に世俗的で、飲酒も可能で、現地の女性もイスラム圏で見られるような抑圧的な服装をしている人はおらず、そういった点も女性に人気の理由になっているのかも。新刊は、シルクロードの起点西安から新疆ウイグル自治区、カザフスタンを超えてシルクロードの中心地ウズベキスタンまでを、2つのルートから豊富な写真とともに下川さんが解説したフォトガイドブックになっています。意外と安く、気軽に行ける中央アジアやシルクロードの国々を、下川さんが現地取材した際の貴重なエピソードを交えながらお話していただきます。下川ファンの方はもちろん、シルクロードや中央アジアの国が大好きな方や個人旅行に興味のある方はぜひご参加ください!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
-------------------------------
●下川裕治(しもかわゆうじ)
1954年長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。新聞社勤務を経てフリーに。アジアを中心に海外を歩き、『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビュー。以降、おもにアジア、沖縄をフィールドに、バックパッカースタイルでの旅を書き続けている。『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)、『「生き場」を探す日本人』『シニアひとり旅バックパッカーのすすめ アジア編』(ともに平凡社新書)、『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』(中経の文庫)など著書多数。
◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/
-------------------------------
【開催日時】
・10月10日(金) 19:30 ~
(開場19:00)
【参加費】
各1000円※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】
旅の本屋のまど店内
【申込み方法】
お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:KADOKAWA
詳細は以下です。
今回は、東京での◆下川裕治さんトークイベント◆新刊「10万円でシルクロード10日間」発売記念のお知らせです。
◆下川裕治さんトークイベント◆
「10万円で気軽に楽しむシルクロード旅行の魅力」
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新刊『10万円でシルクロード10日間』(KADOKAWA)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、10万円で気軽に行くシルクロード旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。ビザが緩和され、移動手段や治安においてもハードルが下がり旅行しやすくなったシルクロードや中央アジアは、ウズベキスタンを中心に、近年、観光客が増えていて、特に女性に大人気の旅行先になっています。中央アジアはイスラム圏ですが、ソ連統治時代を経たせいか非常に世俗的で、飲酒も可能で、現地の女性もイスラム圏で見られるような抑圧的な服装をしている人はおらず、そういった点も女性に人気の理由になっているのかも。新刊は、シルクロードの起点西安から新疆ウイグル自治区、カザフスタンを超えてシルクロードの中心地ウズベキスタンまでを、2つのルートから豊富な写真とともに下川さんが解説したフォトガイドブックになっています。意外と安く、気軽に行ける中央アジアやシルクロードの国々を、下川さんが現地取材した際の貴重なエピソードを交えながらお話していただきます。下川ファンの方はもちろん、シルクロードや中央アジアの国が大好きな方や個人旅行に興味のある方はぜひご参加ください!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
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●下川裕治(しもかわゆうじ)
1954年長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。新聞社勤務を経てフリーに。アジアを中心に海外を歩き、『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビュー。以降、おもにアジア、沖縄をフィールドに、バックパッカースタイルでの旅を書き続けている。『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)、『「生き場」を探す日本人』『シニアひとり旅バックパッカーのすすめ アジア編』(ともに平凡社新書)、『ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅』(中経の文庫)など著書多数。
◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/
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【開催日時】
・10月10日(金) 19:30 ~
(開場19:00)
【参加費】
各1000円※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】
旅の本屋のまど店内
【申込み方法】
お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。
TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:KADOKAWA
Posted by 下川裕治 at
15:08
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2019年09月09日
261万8000円の寄付をいただいた
9月4日、僕らが企画したクラウドファンディングが終了した。僕らは、バングラデシュ南部のコックスバザールという街で、30年近く小学校を運営してきた。その校舎が老朽化し、長年続けてくれている先生たちへの給料も増額したかった。
30年前に比べれば、バングラデシュの物価はかなりあがった。それに見合って給料もあがっていったが、その上昇に合わせる財力が僕らにはなかった。
そこでクラウドファンディングの話がもちあがった。
クラウドファンディングという資金調達手段は知っていた。しかしそれは、映画の製作資金やユニークな飲食店の開店資金、クラフトビールをつくりたい……とどこか想像力のあるプランに、人々は興味をもつような気がしていた。それに比べたら、僕らのクラウドファンディングはあまりにベタだった。小学校の修理や先生の給料……王道だったが新しさはなかった。
はじめての資金調達方法に、バングラデシュの小学校関係者も半信半疑だった。僕自身もどうなっていくのか予測も立たなかった。
しかしふたを開けてみると、次々に寄付が集まりはじめた。ありがたかった。50万円を超えたとき、少し怖くなった。
ここ10年、寄付集めに奔走していた。50万円という寄付は夢のような額だった。それがインターネットというツールを使うと、すぐに集まってしまう。
しかし寄付を送ってくれた人たちの顔が見えない。これまで何回となく頭をさげた先には顔があった。しかし今回は、見知らぬ人が反応してくれていた。
顔が見える寄付。これまでの僕らの募金活動はまさにそれだった。しかし顔が見えない寄付は、簡単に顔が見える寄付額を超えてしまう。僕は本名で本を書いている。旅先の写真には、しばしば自分の顔が載る。そういう世界を生きている身にしたら、匿名性の強いものへの信頼は薄い。しかしその世界が、多額の寄付を送ってくれる。僕は悩んだ。人の社会は、まだ捨てたものではないということなのだろうか。
261万8000円の寄付が集まった。
僕にできることは、顔の見えない構造のなかにいる人々と、学校の生徒や先生という顔が見える存在を、できる限りつないでいくことのように思う。そんなお礼の形を考えなくてはならない。生徒ひとり、ひとりと寄付を送ってくれた方を繋いでいくこと……。
9月末に半分ぐらいのお金をもってバングラデシュに行くつもりだ。日本の銀行に置いておくより、バングラデシュの銀行の方が金利が高い。できるだけ有効に使いたい。現場での援助がはじまる。
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30年前に比べれば、バングラデシュの物価はかなりあがった。それに見合って給料もあがっていったが、その上昇に合わせる財力が僕らにはなかった。
そこでクラウドファンディングの話がもちあがった。
クラウドファンディングという資金調達手段は知っていた。しかしそれは、映画の製作資金やユニークな飲食店の開店資金、クラフトビールをつくりたい……とどこか想像力のあるプランに、人々は興味をもつような気がしていた。それに比べたら、僕らのクラウドファンディングはあまりにベタだった。小学校の修理や先生の給料……王道だったが新しさはなかった。
はじめての資金調達方法に、バングラデシュの小学校関係者も半信半疑だった。僕自身もどうなっていくのか予測も立たなかった。
しかしふたを開けてみると、次々に寄付が集まりはじめた。ありがたかった。50万円を超えたとき、少し怖くなった。
ここ10年、寄付集めに奔走していた。50万円という寄付は夢のような額だった。それがインターネットというツールを使うと、すぐに集まってしまう。
しかし寄付を送ってくれた人たちの顔が見えない。これまで何回となく頭をさげた先には顔があった。しかし今回は、見知らぬ人が反応してくれていた。
顔が見える寄付。これまでの僕らの募金活動はまさにそれだった。しかし顔が見えない寄付は、簡単に顔が見える寄付額を超えてしまう。僕は本名で本を書いている。旅先の写真には、しばしば自分の顔が載る。そういう世界を生きている身にしたら、匿名性の強いものへの信頼は薄い。しかしその世界が、多額の寄付を送ってくれる。僕は悩んだ。人の社会は、まだ捨てたものではないということなのだろうか。
261万8000円の寄付が集まった。
僕にできることは、顔の見えない構造のなかにいる人々と、学校の生徒や先生という顔が見える存在を、できる限りつないでいくことのように思う。そんなお礼の形を考えなくてはならない。生徒ひとり、ひとりと寄付を送ってくれた方を繋いでいくこと……。
9月末に半分ぐらいのお金をもってバングラデシュに行くつもりだ。日本の銀行に置いておくより、バングラデシュの銀行の方が金利が高い。できるだけ有効に使いたい。現場での援助がはじまる。
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