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ナムジャイブログ

2021年12月27日

イスタンブールで表舞台に出る

 noteとYouTubeで「コロナ禍の世界一周」の旅の連載をはじめている。
 noteの連載の直近のものは、
https://note.com/shimokawa_note/n/n10ae2d30f3b4
 YouTubeの直近連載は、
https://www.youtube.com/watch?v=jFh873KB1jU
 になる。週に3本の連載を続けているわけで、日々、コロナ禍の旅を考えているといってもいい。
 コロナ禍で世界をまわり、はっきりわかったことがある。それは新型コロナウイルス対策という面で、世界は2分されているということだ。その境がイスタンブールだった。アジアとヨーロッパの境界の街は、ウイルス対応でも同じ役割を担っていた。
 今回、イスタンブールの空港は2回利用した。1回目はトランジット。バンコクから乗った飛行機からイスタンブールでアテネ行きに乗り換えた。
 セキュリティチェックを通り、アテネ行きの搭乗フロアーに出たとき、足が止まってしまった。店はすべてオープンし、照明がキラキラ光っていた。多くの店がシャッターを降ろす日本やタイの空港を見てきた目には、裏舞台から表舞台に躍りでたような感覚に包まれた。そしてこの賑わいは、イスタンブール以西で続いた。飛行機は急に混みはじめた。
 つまり規制緩和の欧米と、厳しく規制するアジア……。この構図がくっきりと浮きだっていた。
 飛行機が着いたギリシャでは、エーゲ海の島やアテネに滞在した。入る店はどこも入口でワクチン接種証明書を提示するようにいわれた。バスターミナルで水を買おうとしたときも、ワクチン接種証明書が必要だった。僕が世界一周をしたのは11月から12月。日本には市区町村が発行した紙の証明書しかなかった。この証明書ではダメだと、入店できないレストランもあった。
 これがアジアと欧米の違いなのだろうか。以来、考え続けている。
 ギリシャではあれほど頻繁に要求されたワクチン接種証明書だが、東京の店では提示を求められたことがない。しかし日本の水際対策はますます厳しくなっている。
 欧米の国々は、国からの規制を緩くしている。その代わり、各店舗や個人の予防対策を徹底させようとする。そこにあるのは、国家が全面に出るのではなく、現場で注意していかないと感染症を収束に向かわせることができないという経験だろうか。そこには、彼らの国家観が見え隠れする。自己責任に委ねたほうがウイルス対策は効果をあげる?
 そこを突き詰めていくと個人主義に辿り着く……。
 それに比べると、アジアは国家で対応に力を入れる。全体主義のにおい。極端に国家を前に出して規制しているのが中国だ。
 コロナ禍の世界一周。見えてきたものがある。
(2022年1月3日のブログは休載させていただきます)

■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
面白そうだったらチャンネル登録を。
■noteでクリックディープ旅などを連載。
https://note.com/shimokawa_note/
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=コロナ禍の海外旅行を連載中。
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji

 

  

Posted by 下川裕治 at 12:32Comments(0)

2021年12月20日

声をあげる意味をわかってほしい

 12月25日の午後2時から、ツイキャスでライブを行うことになった。
https://twitcasting.tv/c:shimokawayuji/shopcart/123674
 来年は海外への旅に出たい……そう思っている人たちの不安や疑問にできる限り答えていこうというライブである。
この企画を決めたのは、12月8日だった。世界一周の旅が終わり、自宅で自主隔離のただなかだった。
 すでにオミクロン株の感染ははじまっていたが、世界をまわってきた感覚は、僕の体を覆っていた。そのなかで、僕の体験を伝えなくてはいけないと思った。
 世界の人々は、僕らが考える以上にたくましく、コロナ禍のなかで元気にやっている。そんな空気感……を味わってほしかった。
 自宅で隔離しているわけだから、テレビや新聞、ネットを通した報道によく触れることになる。家族の会話も耳に入る。そのなかにいると、自分のエネルギーが吸いとられているような気がした。なぜ日本はこうなっていってしまうのだろう。
「オミクロン株の感染が広まり、日本人の意識は海外への旅どころではないのでは」
 実際、そうなのだ。海外への旅のライブなどやめたほうがいいのではないか。そんな思いが頭をもたげてくる。そもそもライブに参加する意欲が、いまの日本人にはないかもしれない。
 しかし世界の人々は、オミクロン株を別の視点で眺めているようにも思える。
 たとえば、世界を一周で訪れた4ヵ国のオミクロン株への対応をみてみる。
タイ:アフリカの8ヵ国からの入国は禁止としたが、それ以上の規制はしないと明言。アルコール類の提供時間などでは、むしろ緩和に動いている。
トルコ:オミクロン株によって入国規制が変わったという情報は入っていない。
ギリシャ:ワクチン接種証明かPCR検査の陰性証明のどちらかだったが、ワクチン接種証明があってもPCR検査の陰性証明が必要になった。
メキシコ:入国制限がない、という制度に変化はない。
 ギリシャに変更はあったが、隔離をするとか、入国禁止にするといったことはない。12月19日の時点での話だ。今後、規制を加えていく国もあるかもしれないが、僕が目にした世界、とくに欧米は、「すでに舵を切った」といった感覚が強い。
 やはり感覚が違う。世界の国々は、オミクロン株を軽視しているわけではないと思う。舵を切ったというベクトルのなかで、オミクロン株に対応していく発想だろうか。
 心は揺れたが、あえてライブを行うことにした。もう変異株に振りまわされたくはないという思いはある。そして、自分の安全を自己責任として守っていく。声をあげる意味をわかってくれれば……と思う。


■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
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Posted by 下川裕治 at 13:24Comments(0)

2021年12月13日

コロナ禍の旅でスクリーンショット上達す

 12月10日から、noteでクリックディープ旅の「コロナ禍の世界一周」の連載がはじまった。週1回のペースで書き進めていくつもりだ。
https://note.com/shimokawa_note/n/n7f603b9c298a
 そのなかで紹介しているが、最初に訪ねたタイに入国するとき、僕は6種類の書類を手にしていた。枚数にすると20枚を超える。ワクチン接種証明書、医療保険、隔離ホテルのバウチャー、タイランドパスのQRコード、PCR検査の陰性証明……。次に訪ねるギリシャに入国するときに必要な「渡航者ロケータフォーム」もプリントしていた。
 プリントしたのは念のためであって、この内容は、一応すべて、スマホにとり込んでいた。これがコロナ禍の旅……。
 実感した。
 世界の国々は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにスマホに目をつけた。皆、もち歩いているから、そこにデータをとり込んだり、データを解析していけば、感染を防ぐことができる……と。
 僕のスマホにも、日本のCOCOAという接触確認アプリが入っている。感染した人に接触したときに連絡がくるらしい。隔離中なのでMySOSのアプリも機能している。
 世界の国々も考えることは同じだ。スマホに依存する。しかし入国ポイントの空港ではネットにつながっていない可能性が高い。そこで画像をスクリーンショットで撮り、保存しておくように指示される。
 コロナ禍の世界一周──。入国規制やPCR検査にも苦労したが、それと同じぐらい、スマホに向かって悪戦苦闘していた。
 アテネの宿で天井を見あげ、溜め息をついていた。翌日、トルコに向かう。トルコはワクチン接種証明があれば入国できたが、入国時に保健省の「Essential Infomation」に入力して送信。返信される画面をスクリーンショットでスマホの画面で表示できるようにしなくてはならなかった。
 まず入力でつまづいた。宿泊するホテルの住所。プルダウン表示に該当する区がない。打ち込むこともできない。何回か戻り、繰り返し入力してはけられという作業を2時間ほど続けただろうか。困って近くの区を選んで住所などを入れると、なぜかOK。
 それをスクリーンショットでとり込まなくてはならない。僕はこれが苦手だった。音量ボタンと電源ボタンを同時に押すスマホなのだが、どうもタイミングが合わず、10回やって1回ぐらいしかうまくいかない。トルコの入力画面も縦にすごく長く、それをうまくとり込めない。3時間ぐらい繰り返しただろうか。だんだんうまくなってきたが、きちんといかない。結局諦め、パソコンで同じことをして、メールで送信。それをスマホにとり込んだ。アテネだからどこかでプリントできたとは思うが、最後は意地。なんとかスマホで表示できるようにした。
 半日ぐらいスマホにかじりついていた。この時間があったら……。これがコロナ禍の世界一周?
 翌日、イスタンブールの空港に着いた。スマホをポケットのなかに忍ばせ、いまか、いまかととり込んだスクリーンショット画面提示の指示を待ったが、結局、その機会はなく入国してしまった。
 そりゃないだろ。
 空港で呟いたが、ホテルの住所をみられるとまずいので黙っていた。
 コロナ禍の世界一周で、スクリーンショットがうまくできるようになりました……これでは寂しい。

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Posted by 下川裕治 at 13:42Comments(0)

2021年12月07日

世界一周の旅は終わったが……

 昨夜(12月4日)、日本に帰国した。なんとか世界一周の旅を終えることができた。ホッといいたいところだが、いま、いくつかのトラブルに振りまわされている。
 帰国便はメキシコシティからバンクーバーを経由し東京、というエアカナダだった。選んだ理由は安かったからだ。
 メキシシティの空港でのチェックイン。PCR検査の陰性証明、そしてワクチン接種証明書を提出し、無事に飛行機に乗り込むことができた。座席は8割がた埋まっていた。機内の雰囲気はとくに変わったこともなく、客室乗務員のなかに日本人がひとりいて、親し気に話しかけてきてくれた。
 しかしそんな空気は、バンクーバーで乗り込んだ東京行きの便で一変した。客室乗務員は防護服姿。乗客がマスクをはずしたり、鼻の下にずれてしまったりすると、すぐに注意を受ける。
 マスクをとっていいのは食事のときだけ。それも座席の横一列の人たちに食事が行き渡るまで待たなくてはならない。一斉にマスクをとって食事なのだという。小学校の給食のようだった。
 同じ航空会社なのになぜ? オミクロン株のため? しかしカナダもアメリカも感染者が出ていた。メキシコも時間の問題。そんな状況なのに、日本に向かう機内は言葉にならない緊張感が漂っていた。なぜ?
 日本到着。トルコが3日間強制隔離の対象になっていた。安全のために自主的に成田のホテルをとっていたが、それがわかったのでキャンセルしていた。ところが、
「トルコに行っても、ワクチン接種証明があれば、強制隔離がないことになりました」
「いつそうなったんですか?」
「今日です。どうしますか」
「どうっていわれても。成田のホテルはキャンセルしてしまったし、もう1回PCR検査を自費でうけて帰宅するつもりだったんで」
「わかりますが、泊まるところを入力しないと入国できません」
 慌ててホテルに電話。なんとか部屋があった。そこでスマホに入ったMySOSで泊まる場所を変更しようとすると、それができない。
「そうですか。ここに電話してください」
 厚生労働省の入国者用コールセンターの電話を教えてくれた。今日(12月5日)の朝から電話をかけているのだが、まったく通じない。
 聞いたところでは、隔離ホテルが満室になってしまい、ワクチン接種があれば……ということになったらしい。オミクロン株への警戒はわかるが、制度やシステムが追いつかなければ意味もない。振りまわされるのは僕らなのだ。
 加えて……。またしてもロストバゲージに遭ってしまった。正式には荷物が遅れて届くケースで、ディレイドバゲージというようだが。メキシコシティで預けた荷物が成田空港まで届かなかった。航空会社から何回もの電話連絡。荷物はなぜかロンドンに行ってしまったらしい。着替えもなく、メキシコシティと同じ格好でこの原稿を書いている。
 いつになったらMySOSが通じ、荷物は届くのだろうか。こんな事態が待っているとは思わなかった。

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Posted by 下川裕治 at 12:38Comments(1)