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ナムジャイブログ

2009年06月16日

暑さが刷り込まれたタイ人

 タイ人の冷房好きと氷への執着には、ときに言葉を失う。タクシーに乗り、冷房の効き具合が悪いと、すぐに文句をいう。冷房が効いているところでの喫煙禁止というルールが、思いのほか徹底したのは、彼らが煙草より冷房をとったからだと思う。飲み物も冷たくなければ許さない。挙げ句にビールのシェイクまでつくってしまう。
 なにもそこまで……。
 バングラデシュに行った。ダッカからバンコクに戻る飛行機のなかで、僕はそのタイ人になっていた。
 6月のバングラデシュは暑かった。身の置き場がないほどの熱に包まれていた。湿度90%以上、気温は40度を超えていただろうか。それでも冷房や氷があれば……。バングラデシュの南端、コックスバザールという街では、高級ホテルに行かないと無理な話だった。電気はあるのだが、計画停電が頻繁に起きる。電力量が足りないのだ。こうなると、エアコンも冷蔵庫も使えない。頼りの扇風機も、停電時にはぴたりと停まり、全身を汗が流れ、思考回路が停まる。
 午前中はなんとかなるのだが、午後には頭も体も動かない。そんな4日間をすごし、ダッカの空港に入った。さすがに冷房が効いている。エアコンは偉大だとつくづく思った。乗り込んだ飛行機のなかで、水を頼み、つい氷も注文していた。冷えた水がこんなにおいしいとは……。
 タイ人の体と脳は、電気がなかった時代を引きずっているのにちがいない。耐えられない暑さが刷り込まれてしまっているのだ。


Posted by 下川裕治 at 00:26│Comments(0)
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