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ナムジャイブログ

2015年09月14日

シンガポールで窓を探す

 シンガポールにいる。物価が日本より高いこの街は、あまり長く滞在したことがない。1泊ぐらいで隣国のマレーシアに抜けてしまう。ここ1年ほどの間に3回泊まっているが、滞在日数は短かった。
 そして泊まったホテルの部屋にはいつも窓がなかった。シンガポールでは、安いホテルを探していくと、こういうことになってしまうようだった。
 窓がないからといって、それほど不満があるわけではない。いままでさまざまなホテルに泊まってきた。許容範囲は相当に広い旅人でもある。しかし、部屋に入り、その部屋に窓がないと、少し気落ちする。朝になっても光は射しこんでこない。外気も入ってこない……。
 窓なし部屋は、なにもシンガポールの安宿に限ったことではない。台湾、中国、香港……あたりではしばしば出くわす。中国人は窓なし部屋に抵抗感がないらしい。
 今回シンガポールの原稿を書くこともあって、事前にホテルの予約サイトを見てみた。窓の表示はどうなっているのか知りたかったのだ。しかしそこから窓のある部屋を探すことは難しかった。知り合いに訊いてみた。
「そうなんですよ。窓があることは、日本人にとってあたり前のことでしょ。だから表示がないんです。シンガポールの安い宿に泊まった人が、『窓がない部屋でびっくりした』といった書き込みがよくあるんです」
 では、どうやって窓あり部屋を探すのか。
 まずシンガポール空港のホテルの予約オフィスに訊いてみた。シンガポールの安めの宿はリトルインディア周辺やゲイランという売春街に多い。『81ホテル』というチェーンホテルがあり、1泊50~60シンガポールドル、日本円で5000円前後の料金だった。
「窓? それはわかりません。訊く?そこまではやっていません」
 結局、ホテルを直接訪ねるしかなかった。
 ゲイランで探した。
「窓のある部屋?」
 フロントのおじさんの表情が曇る。頭のなかで部屋のタイプを思い出そうとしている。彼らには関心のないことなのだ。
「この部屋は窓があったと思うよ」
 鍵を渡されて部屋を見ると、窓がないこともあった。
 ホテルを何軒まわっただろうか。10軒近くになった。『81ホテル』の1軒に窓のある安い部屋があった。しかしかなり混んでいて、1泊しかできない。翌日、またホテル探し……。そこで出合ったホテルは、サイトに登場してこないような古い宿だった。そのホテルは全室に窓があった。
 そういうことらしい。昔はシンガポールの宿も窓があったのだ。土地代や建設費が高くなって、窓なし部屋が登場した……。
 中国人らしい発想ということか。


Posted by 下川裕治 at 13:36│Comments(1)
この記事へのコメント
窓のない部屋、マレーシアでも何度か泊まりました。安宿の宿命でしょうか。
なんだか圧迫感が有りますよね。
特に狭いと息苦しさをおぼえます。
ある程度の広さがあるときにならないのですが…
結局のところ窓のない部屋は疲れます

サイトから予約する場合、最近でこそ
no windowなど表記がある場合もありますが実際は違うことも有ったりと…
クチコミって大切ですね。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2015年09月19日 04:30
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