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ナムジャイブログ

2009年11月23日

閉鎖されるマイハウスホテル

 唐突な言葉だった。バンコクに到着し、いつものようにチェックインをした。そのとき、顔見知りのスタッフがこういったのだ。
「ユージ。来月の14日は泊まることができないよ」
 そう聞こえたのだ。
「その日だけ?」
 僕は聞き返した。
「違う。14日にこのホテルはなくなる」
 フロントのスタッフは「ハーイ」というタイ語を使った。
「………」
 その理由も聞けなかった。僕は少し動揺していたのかもしれない。
 マイハウスホテル。
 パホンヨーティン通りのソイ・アーリーにある。はじめて泊まったのは25年近く前になる。マレーシアホテル周辺や中華街の安宿しか知らなかった僕には高級ホテルだった。部屋には冷房があり、冷蔵庫や電話が置かれていた。その後、ソイ・アーリーの向かいのソイ6にあったタイ人の家に下宿し、タイ語を学んだ。家族でアパートを借りて住んだのもソイ・アーリーだった。
 その後は月1回程度の割合でバンコクに来る年月が十数年続いている。泊まるのは、いつもマイハウスホテルだった。月に数日として、年に約2ヶ月。僕は1000日近くこのホテルに泊まったことになる。
 僕のバンコクはいつもこのホテルであり、ソイ・アーリーだった。
 翌日、少し詳しいことがわかってきた。このホテルを買う投資家が現れたのだ。
 はじめて泊まったとき、すでに古いホテルだったから、築30年は軽く超えている。とり壊し、コンドミニアムが建つらしい。
「どこへ?」と聞かれても答えられない。
 僕にとって、ひとつの時代が終わったことだけはたしかだ。
 そんなことを、1泊620バーツの部屋でぼんやりと考えていた。


Posted by 下川裕治 at 13:06│Comments(2)
この記事へのコメント
下川さん
こんばんは。
deguponと申します。

今年の夏に、マイハウスホテルに泊まっておりました。
ショックです。
しかし時代の流れで、仕方ないことなのでしょうか…
タイはこれから経済的に成長していくと思いますが、私個人の勝手な思いですが、そんなに成長しなくても・・・と思ってしまいます。
Posted by degupondegupon at 2009年11月23日 21:42
次々と古い建物が壊され近代化して行くバンコク。
僕は、年に一度休暇をとりニューペッチャブリー通りのSIAMホテルを常宿にしバンコクをぶらぶらしていました。昼間は閑散とした薄暗いホテルで夜は、売春宿になり凄く賑やかでした。一泊724バーツとリーズナブルでスタッフも親切な人達でした。しかし、そのホテルも数年前に取り壊されました。
昨年、5月にバンコクを訪れましたが、なかなかお気に入りのホテルが見つかりません。
今年は、バンコクをやめ11日から、ソウルに行きます。お気に入りのホテルが見つかる事を期待して…
Posted by ソンブーン at 2010年01月06日 10:11
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