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ナムジャイブログ

2016年03月14日

シベリアに春がきた

 北京から北上し、モンゴルを縦断し、いま、ロシアのキャフタという街にいる。モンゴルとの国境に接した街で、泊まっているホテルの窓の下には国境のフェンスが見える。
 途中、モンゴルのウランバートルとスフバートルに泊まった。
 寒かった。
 ウランバートルは標高が高いため、気温はマイナス20度を下まわった。10分も歩いているとつらくなってくる。手はポケットに突っ込む作戦でしのいだが、頬や耳が痛くなり、しだいに頭もずきずきしてくる。意味もなく、雑貨屋に入り、体を暖めて、また街に出ることを繰り返していた。
 経済的には破たんしているというモンゴルだが、ビルが急激に増え、しゃれた店が並んでいる。レストランに入ると、メニューにはパスタとかステーキといった欧米料理しかないところが多い。モンゴル料理は片隅に追いやられている。
 モンゴル料理に詳しいわけではないが、中国からやってきたせいか、そのバリエーションは多くない。駅前の食堂に入ると、皆が食べているのは羊肉を具にした水餃子ばかりだったりする。
 中央アジアの国々や、アフリカに似ていた。その国の料理のバリエーションが少ないから、すごい勢いで外国料理が入ってきてしまう。自分たちの料理がなかなか進化しない。
 人々の意識も外国に傾いていく。経済成長を迎える前に国際化してしまったということだろうか。旅人にしたら、少し寂しいが、これも現実なのだろう。どうしてモンゴルまで来て、フライドポテトがいっぱいのステーキや韓国焼肉を食べなくちゃいけないのか……と呟いてしまうのだ。
 モンゴルから陸路で国境を越えた。ロシアに入ると、食事をする店が極端に少なくなる。スーパーや雑貨屋にある惣菜が充実していて、それを買ってホテルの部屋で食べたほうが、ロシア料理は充実する。
 いま滞在しているキャフタという街は、国境に隣接したエリアと、バスターミナル周辺エリアに分かれている。国境に隣接したエリアに泊まっているが、社員食堂のようなカフェテリア方式のレストランが1軒あるだけだった。ロシアの最初の街だから……とボルシチを食べてみたが、貧しいシベリアの味がした。
 今日からシベリアの列車旅がはじまる。モンゴルに比べると標高が低い分、だいぶ気温があがってきた。シベリアも春を迎えようとしている。東北を襲った津波から5年。日本は桜の季節が近づきつつある。それに比べれば脆弱な春なのだが……。


Posted by 下川裕治 at 13:46│Comments(1)
この記事へのコメント
先日チャオプラヤー川をオレンジフラッグのボートで
終点駅まで行く途中でモンゴル人女性が隣に座ったのです。
少し話をしたのですが最初は相撲の朝青龍の話で盛り上がり。
途中でモンゴルの食事が恋しいと言っていました。
モンゴル料理のどんなメニューが美味しいのか聞いておけばよかったです。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2016年03月16日 22:39
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