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ナムジャイブログ

2009年12月07日

初冬の装置

 初冬の日本は、この国らしさが際だつ気がする。先週、句会があって大磯に出かけた。かつて三井財閥の邸宅があったという小山が公園になっていた。その紅葉の庭に人が集まっていた。日が落ちると、ロウソクがともり、ライトアップされるのだという。
 こういう風景を目にすると、日本人はあるスイッチが入ってしまうのだろうか。庭園では、雅楽が演奏されるのだという。
 茶室で抹茶をもらう。茶人の世界では、11月が正月である。初夏に摘みとった茶を甕に入れて発酵させる。その封を切るのがこの時期なのだ。
 今日、高尾山に行った。まだ紅葉は残っていた。それを求めて、多くの人が参道を歩く。あまりの人の多さに、尾根道を避けた山道に入り込む。小春日和の一日で、射し込む光に、赤い紅葉が浮き立っていた。
 季節は移っていく。日本人は、そこに美しさを見いだしてきた。そのアイテムが初冬には多い気がするのだ。たまにはもっとゆっくりと、この国の装置を味わいたいのだが、明後日には、飛行機に乗って、南の国に行かなくてはならない。
 夜、信州の実家から宅急便が届いた。そこにはリンゴの柿がどっさり入っていた。


Posted by 下川裕治 at 15:02│Comments(0)
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