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ナムジャイブログ

2016年10月10日

ミャンマー列車旅の絶句

 東南アジアの全鉄道路線に乗るという旅を少しずつ続けている。いまはミャンマーのマンダレー。ヤンゴンを列車で出、パガン、エーヤワディー川を列車で越えてパコック。そこからモンユア、キンウーとローカル列車でつなぎ、今朝、マンダレーに着いた。
 ミャンマーの全鉄道路線に乗ることは、東南アジアの国のなかでいちばん難しいかもしれない……。それを痛感したのは、最初に向かったヤンゴン駅だった。
 ミャンマー内で列車が走っている路線を確認したかったのだ。ミャンマーはイギリス植民地時代の名残なのか、路線が多い。しかし、長い軍事政権時代はなおざりにされ、メンテナンスも行われず、運行ができない路線が多いと聞いていた。それをチェックしなければ、全路線に乗るというプランが立たない。運行状態のわからない路線を紙に書き出し、窓口でそれを見せた。たとえば、マンダレーからカレーミョまでの路線。すると駅員はこういった。
「列車はマンダレーからパコックを通ってカレーミョへ行く。走っている? そんなことはマンダレーかパコックの駅じゃなきゃわからないよ」
「……」
 絶句──。ヤンゴン駅は日本でいったら東京駅。そこで全国の運行路線がわからないのだ。
 最初に訪ねたのは当日券の窓口だった。翌日以降の切符を売るオフィスなら……と向かったが、結果は同じだった。
「近くまでいかないとわからないのか」
 ヤンゴン駅で天を仰いだ。
 気をとり直してパガン行きに乗った。予定の所要時間は18時間。ボックス席しかない車両でひと晩を明かす、つらい列車だった。運賃は500円ほどと安かったが。
 はじめは、すいていた。これなら体を横にできると思ったが、夜中の12時、3時といった時間に、どやどや客が乗り込んでくる。
 列車は2時間遅れでパガンに着いた。重い体で窓口に立つ。
「パコック行きが2分後に出ますよ」
 そんな路線があることも知らなかった。最近、走りはじめたという。急いで乗り込んだ列車は、「自動扉」という漢字が躍る日本の車両が1両。とことことエーヤワディー川を越えた。1時間半ほどでパコックに着く。
「カレーミョまでは?」
「もう走っていません」
 乗らなくてもいい、という安堵が体を包んだが、こんなことを延々と続けなくてはならない。僕はミャンマー語を話せないから、何回も確認しなくてはならない。
 この先、いったいどうなるのか。
 考えただけで気が重い。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=台湾のディープ旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。マレーシアの鉄道の完乗し、ベトナムへ。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 12:00│Comments(1)
この記事へのコメント
さすがミャンマーの鉄道!
見事な縦割り行政のようなシステムですね。
これじゃミャンマーの鉄道を全踏破するのにどのようにして計画をたてか、、、
非常にしんどいですね。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2016年10月18日 20:34
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