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ナムジャイブログ

2016年10月24日

ラープもタイ中華の軍門にくだる

 タイを描く本の取材を続けている。締め切りがきつく、取材をしては、それをすぐに原稿に書く日々に陥っている。
 テーマの一つであるタイ料理について、昔から思っていたことがある。タイの料理には、純血タイ料理と、タイ中華料理ともいえる料理群があると思うのだ。純血タイ料理というのは、酸味や辛さが独立し、舌の上で混ざり合わない料理である。ヤムやゲーンというスープに多い。それに対して混ざり合った味が、タイ中華料理。混ざった味のことをロットチューとという。
 タイ人に協力してもらい、一般的なタイの料理をタイ料理とタイ中華料理に分けてもらった。
<タイ料理>
 ココナツミルクが入らないトムヤムクン/ソムタム/ラープ/ゲーンソム/ヤムウンセン/ネーム/ガイヤーン/ナムプリック/チムチュム
<タイ中華料理>
 クイッティオ/バミー/パッタイ/トートマンプラー/カーオマンカイ/カーオカームー/クラッパオムーサップ/ラートナー/スーキー/タイスキ/プーパックポンカリー
 タイ料理に詳しくない人には、わからない料理があるかもしれない。詳細は、2月に発売される本を読んでほしいのだが、食べたことがあるタイ料理を思い浮かべながら、分類された料理を眺めてほしい。
 日本人がタイ料理といい、人気の高いものは、ほとんどがタイ中華料理なのだ。
 実はこの傾向は、タイ人にもいえる。タイ人が口にする料理の多くがタイ中華料理なのだ。いまやタイでは、タイ中華料理が全盛といってもいい。
 タイ人と一緒にその理由を考えてみた。
 タイ料理はつくるのに時間と手間がかかってしまう。タイ中華料理は、炒める料理が多いから簡単にできる。そしてタイ中華料理の多くはあまり辛くない。料理によっては、辛みを自分で加えるタイプだから、辛さの調節もできる。そしてタイ中華料理は早く食べることができる。
 タイ中華料理は、忙しい現代に合った料理ということになる。それに対して、辛くて酸っぱい純血タイ料理は、ゆっくり、のんびり食べたほうが味わい深い。
 どうもそういうことなのだ。
 ラープウンセン、という料理を思い出した。2、3年前から、イサーン料理屋に登場したという。ラープをウンセンと和えてあるのだが、それを口に運んだとき、思わず「これは中華じゃない」と口にしてしまった。
 ラープも、タイ中華料理の軍門にくだってしまった。タイ中華料理の勢いは止まりそうもない。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=台湾のディープ旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。マレーシアの鉄道の完乗し、ベトナムへ。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 08:49│Comments(1)
この記事へのコメント
日本のタイレストランで気軽に食べられるものは、本当にタイ中華料理ばかりなのですね。
ココナツミルクが入らないトムヤムクンがあるのも知りませんでした。
2月に新刊が発売されるとのこと、楽しみにしています。
またトークショーもして頂けたら嬉しいです。
Posted by たぬきまるようこ at 2016年10月26日 13:21
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