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ナムジャイブログ

2016年12月12日

中間クラス航空会社

 飛行機に絡めた話を、『TABINOTE』というサイトで連載している。詳細はそちらを読んでほしいのだが、最近、タイスマイルと香港航空という二つの飛行機に乗った。そこから感じるのは、航空会社の新しい流れである。
 どちらも預ける荷物は無料で、しっかりとした機内食も出す。いってみれば既存の航空会社と同じなのだが、料金が違う。LCCと既存の航空会社のちょうど中間あたりの運賃を打ちだしているのだ。
 たとえばバンコクと東京。往復運賃でみると、LCCが3万円前後で手に入れば安いほうだろう。既存の航空会社は5万円ぐらいからだろうか。この路線に、香港乗り換えだが、香港航空は3万円強という値段を設定している。いってみれば中間クラス航空会社といったらいいだろうか。
「LCCはストレスが多いから嫌だけど、既存の航空会社は少し高い」
 そう考える客層を狙っている気がする。タイスマイルはタイ国際航空のスタイルに反発した社員がはじめたという噂がある。香港航空は、しばらくは影が薄い存在だったが、中間クラスの運賃を打ちだして人気が出てきた。台湾はトランスアジア航空がその位置にいたようにも思うが、先日、全便、運航の停止を発表した。中間クラスの航空会社は、ぎりぎりの採算で運航しているのだろうか。
 しかし中間クラスの航空会社からは、アジアの自由さのようなものが伝ってくる。日本は鳴りもの入りLCCが登場したが、以来、LCCと既存の航空会社の住み分けしっかりと行われ、また無風状態になってしまった。
 それはなにも飛行機の話だけではない。たとえばタイにはロットゥーという乗りものがある。日本では乗り合いバンと訳されることが多い。
 このロットゥーにしても、最初は自然発生した乗り物だった。バスは渋滞で時間がかかる。だったら、目的地までノンストップで走る小型バスを走らせてみよう。儲かるかもしれない。そんな乗りで生まれた。最初は違法な乗り物だった。しかし瞬く間に増え、そのルートも多彩になっていく。そしてロットゥーのターミナルまでできてしまった。
 この時点でようやく政府も腰をあげ、ロットゥーを認可することになっていった。こうして新しい乗り物が定着していく。
 近い将来、バイクタクシーにも動きが出るかもしれない。タイやカンボジア、ベトナムなどは、バイクタクシーなくして都市の機能が保てないほどになってきている。
 最近のタイを見ていても、彼らのなかで大型バスやタクシーの存在感が薄くなってきている。
 これからも、アジアでは、新しい交通機関が生まれていく予感がある。社会のエネルギーとは、こういうことなのかもしれない。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=ミャンマー鉄道、終着駅をめざす旅がはじまります。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅がはじまる。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 12:00│Comments(1)
この記事へのコメント
そういえば、年末年始のジャカルタ往復で最安値だったのが、香港航空+中華航空の乗り継ぎルートでした。5万円台前半と、LCCよりも安かったです。
Posted by 浅井潤水 at 2016年12月16日 10:01
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