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ナムジャイブログ

2017年02月20日

整わない生活

 ミャンマーのモンユワという街にいる。タイのメーサイからミャンマーのタチレクに入り、飛行機でラーショー。そこから列車でマンダレーに出た。マダヤーを列車で往復し、モンユワまでやってきた。
 昨夜は夜の10時に寝てしまった。というのも朝のというか、深夜の3時起きが2日間も続いたからだ。
 なぜ、ミャンマーの鉄道は、こんなにも発車時刻が早いのだろうか。この国の列車に乗るたびに思うことだ。列車の速度が遅く、目的地にその日のうちに到着するにはこの時刻しかないのだろうか。運行を見てみると、必ずしもそればかりではない気がしてくる。昼や夕方に着く便もある。
 3時や4時に出発することが、どこか当然といった感じが、ミャンマーの列車には流れている。乗客の一部は、駅のホームで眠る。いまの季節は、夜になると気温がさがる。皆、毛布を被ってホームで寝ている。
 列車なら午前3時、飛行機なら午前5時といった出発時刻がいちばんきつい。もっと早ければ、寝ずに乗り込む。もう少し遅ければ寝る時間が増える。どう考えても中途半端な時刻なのだ。
 以前、タイの地方都市に住む知人がバンコクにやってきて、一緒にホテルに泊まったことがあった。彼は夜の9時台になるとそそくさと寝る準備をはじめた。
「毎日10時までには寝ますね。起きるのは3時か4時ですから」
 彼は農家ではない。車の修理工場を経営していた。確かにタイも、地方に行くと、動きはじめる時間が早くなる。家の前の道を掃きながら、いつも朝日を眺める、という奥さんもいた。4時起き組である。
 おそらくタイ人は昔、皆、4時頃には起きていた気がする。暗いうちに畑や田に出ていたという話を聞いたこともある。ミャンマーも同じなのだろう。だから3時や4時の列車にも抵抗がない……。
 日本人の知人が最近、朝型に変わった。4時、おそくとも5時には起きるようにしているという。
「朝日を見るのって気持ちいいですよ。人生観が変わります」
 彼は定年を機に朝型に変えた。
 少し羨ましかった。日本にいると、常に締め切りに追われ、朝も夜もなくなる。寝たのか、眠っていないのか、わからないことすら珍しくない。これでは人生観など変わるわけがない。
 やはり人生観を変えるには、心の余裕がなければできないことなのか。
 旅が立て込んでいる。来週はロシアに向かわなくてはならない。いったいいつ、生活を整えることができるのか。モンユワでそんなことを考えている。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=インドでいちばん長い列車の旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅が続く。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 12:05│Comments(0)
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