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ナムジャイブログ

2017年05月08日

旅の勘はあっても体力が……

 前回、この原稿を書いてから1週間がすぎようとしている。まだミャンマーにいる。ということは、ずっと列車に揺られる旅が続いているということだ。いま、マグウェイという街にいる。
 ミャンマーの全鉄道路線に乗る──という企画を軽はずみにはじめてしまった。いま、その深みにずっぽりとはまっている。
 ミャンマー人に協力してもらい、路線はある程度わかってきたが、その運行スケジュールはなかなかわからない。さまざまな資料を集めたが、実際に駅に行くと、違っていることが多い。そこでまた日程がずれてしまう。
 旅の経費もあるから、できるだけ効率的に列車を乗りこなしていこうと思う。そこでポイントになるのは、列車以外の交通機関。列車の終着駅のカレーミューという街に着いたときも、さて、これからどうやってパッコクに戻ろうか……と悩んだ。街のいろんな人に訊く。僕はミャンマー語ができないから、なかなかすぐにはわからない。ミャンマー人もいい加減で、「モンユワ経由のバスは15時間ぐらいかかる」とか、「マンダレーに出たほうがいい」などという。訊き歩いて、パコックへ直接向かう乗り合いバンがあることがわかる。これが正解だった。列車で2日かかった道のりを、10時間でつないでしまった。そんなことはわかっていたが、ミャンマーはもう車の社会なのだ。それをどうつないでいくか。勘が頼りになる。
 いまのミャンマーは猛烈に暑い。締め切りの関係で、この時期の列車旅になってしまったが、気温が40度を軽く超えてしまう気候は堪える。ミャンマーの列車には冷房がない。午後1時をすぎたあたりから、吹き込む風は熱波に変わっていく。頬に当たる風が、暑さを超えて痛くなってくる。
 魔の時間と勝手に名づけた。午後1時から午後4時頃まで、ひたすら耐えなくてはならないのだ。
 20代から30代半ばにかけ、僕はいつもひとりで旅をしていた。しかしそれが流れだったのか、旅を仕事に売ってしまった。それ以来、カメラマンと一緒に旅をすることが多くなった。
 そして60歳をすぎ、またひとり旅に戻ってしまった。理由のひとつは出版不況である。カメラマンと同行する経費が出ないのだ。
 これも運命なのかもしえないとは思う。ひとり旅は気晴らしが難しい。若い頃、どうやって旅を続けていたのか、記憶も朧げた。
 旅を続けてきたおかげで、旅の知識は多くなった。勘も備わってきたのかもしれない。しかし体力がなくなってきている。
 なかなかうまくいかないのだ。
 今日は午後の魔の時間に、バイクに1時間も乗らなくてはならない。
 まだ旅は続く。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=タイからラオスへの旅。そして、世界の長距離列車旅を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。難関のミャンマーの列車旅が続く。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 21:08│Comments(3)
この記事へのコメント
頑張って旅を続けてください。次回作、楽しみに待ってます。
今度はユーラシア大陸、温泉巡り旅というのはどうでしょうか?
Posted by 高原泪 at 2017年05月08日 23:18
一人旅はつらいですが、読んでいるほうはなぜか面白いです。ミャンマー行って見たいな~
Posted by にし at 2017年05月30日 08:04
バイクで1時間… 
僕はカンボジアで40分程乗ったのですが
道も悪くケツが痛くなり二回程休憩しました。
お尻は侮るとキケンです。
気を付けてどうぞごぢ愛下さい。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2017年07月18日 17:52
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