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ナムジャイブログ

2010年02月08日

テキサスバーガーの乾いた味

 テキサスバーガーを食べたいと思った。日本のマクドナルドが、期間限定で発売した。その広告を電車のなかで見たとき、あのずっしりと胃に応えるハンバーガーが懐かしかった。
 もう20年以上前である。僕は『12万円で世界を歩く』という貧乏旅行の連載で、アメリカを一周した。乗り物はグレイハウンドバスのみという貧しい旅だった。
 ヒューストンを出発したバスは、深南部の街をつなぎながらニューオリンズをめざしていた。途中で停まった小さなバスディーポだった。そこで僕はテキサスバーガーに出合った。当時の記録を見ると、コーヒーとテキサスバーガーで2・8ドルとある。安さに惹かれて頼んだのだと思う。
 とにかくでかかった。パンは自分の顔より大きい。そのなかに乾いた味のハンバーガーが挟んである。ただそれだけだった。
 食べても、食べても、手にはテキサスバーガーが収まっていた。アメリカ人のなにがすごいかといって、同じ味の食べ物を延々と食べ続けることができることだと、改めてそのときに思ったものだった。店にいたのは、太った黒人ばかりだった。テキサスバーガーには、南部の貧困の味がした。
 期待などしていなかった。日本のマクドナルドである。どうせ味は日本人向けにアレンジされているのに違いなかった。しかしテキサスバーガーという以上……。
 1個420円もした。チーズやベーコンも挟まれた盛りだくさんハンバーガーである。食べながら、「おやッ」と思った。ぱさつき感が、本物のテキサスバーガーにちょっと似ていた。野菜はフライドオニオンだけという組み合わせが、乾いた感じを醸しだしているのだろう。食べた後にやってくる胃のむかつき感も、本家にちょっと似ていた。
 このテキサスバーガーが売れに売れたのだという。マクドナルドは、1日の売り上げが28億円を超える新記録を樹立したと発表した。
 日本人はどうなっているのだろうか。草食系とかロハスなどとは逆行する食べ物である。アメリカ南部の貧しい味なのだ。ただ腹がいっぱいになるだけという代物である。
 たしかに日本の景気は悪いが、それとは無縁の現象のように見える。やけ食いというわけでもなかろうに。日本人も日本のハンバーガーに飽きたということか。


Posted by 下川裕治 at 17:26│Comments(1)
この記事へのコメント
テキサシバーガーなど売れに売れていますね。我が愚息や我輩もよくマクドを利用します。美味しいのです。食べている時は。しかし、後から食べた事を反省します。まるで、豚骨ラーメンのチャーシュー大盛のように。
Posted by ソンブーン at 2010年02月09日 22:00
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