2010年02月15日
真冬のTシャツ
お願いだからセーターぐらい着てほしい……と思う朝がある。自宅から駅に向かう道の途中に小学校がある。その登校時間。こちらがもこもこと着込み、マフラーに手袋まではめているというのに、その前をTシャツ1枚の少年が、ランドセルを背負い、涼しい顔で歩いている。
お願いだから、半ズボンはやめてほしい……と朝の駅で呟くことがある。どこかの私立小学校に通う少年だろうか。真冬でも制服は半ズボンなのだ。
以前、娘が通う小学校で、1年中、Tシャツ1枚で通した少女がいた。思いあまって訊いたことがある。
「寒くないの?」
「ぜんぜん寒くない」
小学生の体は、大人とは違うのだろうか。
本人たちが寒くないと思っているのはいい。人のことなのだ。しかし氷点下にもなろうという冷気のなかで、露わになった腕や太ももを目にすると、こちらのほうが寒くなる。
先週の日曜日、ソウル郊外の水原という街にいた。ここには水原華城という世界遺産がある。ソウルに戻ろうと、水原駅で列車を待っていると、ホームのベンチにTシャツ1枚の欧米人が座っていた。天気はよかったが、真冬の韓国である。しばらく前に降った雪が溶けない気温なのだ。
「どういう奴っちゃ」
子どもの体質のまま、大人になってしまったのだろうか。
体で感じる寒さは、湿度も影響するという話を聞いたことがある。湿度が低いほうが寒さを感じないのだという。
たとえばロサンゼルス。やや寒い時期になると、セーターを着込む人もいれば、それまでのTシャツ1枚ですごしてしまう人がいる。湿度が低いため、Tシャツでもなんとなくすんでしまうのだ。ところが寒い時期の上海やハノイは、どこか身の置き場がないような寒さに包まれる。さして気温は低くないというのに、寒さが応えるのだ。きっと湿度が高いのだろう。
冬の東京や韓国は乾いている。だからTシャツ1枚でも大丈夫? いや、そういうことではないと思うのだが……。
お願いだから、半ズボンはやめてほしい……と朝の駅で呟くことがある。どこかの私立小学校に通う少年だろうか。真冬でも制服は半ズボンなのだ。
以前、娘が通う小学校で、1年中、Tシャツ1枚で通した少女がいた。思いあまって訊いたことがある。
「寒くないの?」
「ぜんぜん寒くない」
小学生の体は、大人とは違うのだろうか。
本人たちが寒くないと思っているのはいい。人のことなのだ。しかし氷点下にもなろうという冷気のなかで、露わになった腕や太ももを目にすると、こちらのほうが寒くなる。
先週の日曜日、ソウル郊外の水原という街にいた。ここには水原華城という世界遺産がある。ソウルに戻ろうと、水原駅で列車を待っていると、ホームのベンチにTシャツ1枚の欧米人が座っていた。天気はよかったが、真冬の韓国である。しばらく前に降った雪が溶けない気温なのだ。
「どういう奴っちゃ」
子どもの体質のまま、大人になってしまったのだろうか。
体で感じる寒さは、湿度も影響するという話を聞いたことがある。湿度が低いほうが寒さを感じないのだという。
たとえばロサンゼルス。やや寒い時期になると、セーターを着込む人もいれば、それまでのTシャツ1枚ですごしてしまう人がいる。湿度が低いため、Tシャツでもなんとなくすんでしまうのだ。ところが寒い時期の上海やハノイは、どこか身の置き場がないような寒さに包まれる。さして気温は低くないというのに、寒さが応えるのだ。きっと湿度が高いのだろう。
冬の東京や韓国は乾いている。だからTシャツ1枚でも大丈夫? いや、そういうことではないと思うのだが……。
Posted by 下川裕治 at 14:47│Comments(0)
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