2018年02月12日
東南アジアの列車旅に楽勝はない
このブログでも、ときどき紹介しているのだが、東南アジアの全鉄道に乗るという旅はまだ続いている。タイとミャンマー編は、既に『東南アジア全鉄道制覇の旅 タイ・ミャンマー迷走編』(双葉文庫)として発売されている。しかし、東南アジアには、まだ多くの鉄道がある。
マレーシアの鉄道は全路線乗ったと思っていたら、読者の方から、「サバ州にも鉄道がありますよ」という指摘を頂いた。全鉄道制覇という酔狂な旅につきあってくれる読者がいる。……ありがたかった。
いまビューフォートという街にいる。バンコクに用事があり、その間を縫って、マレーシアのサバ州にやってきた。サバ州はボルネオ島にある。
タンジュン・アル駅。新しくできた駅がサバ州の鉄道の起点になる。しかし発券窓口で悩んでしまった。タンジュン・アル駅からボーフォート、そしてテノムまで鉄道はのびていた。途中のビューフォートで乗り換えが必要だったが、一気に乗ることができる。「これは楽勝ではないか」と思った。しかしタンジュン・アルの4キロほど手前にセンブランという駅がある。
「タンジュン・アルとセンブランの間は?」
「朝の5時にビューフォートを出る列車に乗るか、夕方5時半にセンブランを出る列車に乗るしか方法はありません」
「いまいるタンジュン・アル駅からは乗れないんですか」
「そうなんです。なぜかわかりませんが」
一気にスケジュールづくりが難しくなってしまった。朝にタンジュン・アルを発車する列車に乗る。ビューフォートでの接続はすごく悪く、テノムに着くのは午後4時近く。戻る列車はもうなく翌朝になるが、それに乗ると、ビューフォートを朝の5時に出る列車に間に合わない。時刻表を提示しながら説明しないとわかりずらいと思うが、とにかく効率が悪いのだ。そして、明日僕はバンコクに戻らなくてはならない。旧正月に入り、飛行機は混み合い、やっととった予約だった。
結局、テノムで車をチャーターしてビューフォードに戻るしかなかった。チャーター代は約5000円。列車の本数が少ないためこんなことになる。
ビューフォードとテノム間の線路はひどかった。ミャンマーの列車の揺れを思い出してしまった。座っていても、どこかにつかまっていないと体が飛び出しそうになるのだ。
「東南アジアの列車旅に楽勝はない」
改めて痛感してしまった。
明日の朝、午前4時には起きなくてはならない。列車は5時発……
やはり、東南アジアの列車旅に楽勝はないということか。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=ベトナムの旅。ハノイからホーチミンシティへ。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。インドネシアの列車旅の連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
マレーシアの鉄道は全路線乗ったと思っていたら、読者の方から、「サバ州にも鉄道がありますよ」という指摘を頂いた。全鉄道制覇という酔狂な旅につきあってくれる読者がいる。……ありがたかった。
いまビューフォートという街にいる。バンコクに用事があり、その間を縫って、マレーシアのサバ州にやってきた。サバ州はボルネオ島にある。
タンジュン・アル駅。新しくできた駅がサバ州の鉄道の起点になる。しかし発券窓口で悩んでしまった。タンジュン・アル駅からボーフォート、そしてテノムまで鉄道はのびていた。途中のビューフォートで乗り換えが必要だったが、一気に乗ることができる。「これは楽勝ではないか」と思った。しかしタンジュン・アルの4キロほど手前にセンブランという駅がある。
「タンジュン・アルとセンブランの間は?」
「朝の5時にビューフォートを出る列車に乗るか、夕方5時半にセンブランを出る列車に乗るしか方法はありません」
「いまいるタンジュン・アル駅からは乗れないんですか」
「そうなんです。なぜかわかりませんが」
一気にスケジュールづくりが難しくなってしまった。朝にタンジュン・アルを発車する列車に乗る。ビューフォートでの接続はすごく悪く、テノムに着くのは午後4時近く。戻る列車はもうなく翌朝になるが、それに乗ると、ビューフォートを朝の5時に出る列車に間に合わない。時刻表を提示しながら説明しないとわかりずらいと思うが、とにかく効率が悪いのだ。そして、明日僕はバンコクに戻らなくてはならない。旧正月に入り、飛行機は混み合い、やっととった予約だった。
結局、テノムで車をチャーターしてビューフォードに戻るしかなかった。チャーター代は約5000円。列車の本数が少ないためこんなことになる。
ビューフォードとテノム間の線路はひどかった。ミャンマーの列車の揺れを思い出してしまった。座っていても、どこかにつかまっていないと体が飛び出しそうになるのだ。
「東南アジアの列車旅に楽勝はない」
改めて痛感してしまった。
明日の朝、午前4時には起きなくてはならない。列車は5時発……
やはり、東南アジアの列車旅に楽勝はないということか。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=ベトナムの旅。ハノイからホーチミンシティへ。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。インドネシアの列車旅の連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
Posted by 下川裕治 at 16:58│Comments(4)
この記事へのコメント
また新たな路線が見付かってしまったのですね。
東南アジアの列車旅は奥が深い。。。
東南アジアの列車旅は奥が深い。。。
Posted by たぬきまるようこ at 2018年02月12日 17:03
ミャンマーですが、Sittwe発の路線も運行しております。現地で駅に到着するのを目撃しました...線路はバスでMrauk Uに向かう道路と平行して走ってます。
Posted by びびび at 2018年02月14日 12:44
さんざん過酷な旅を経験してきた下川さん。
これは旅が過酷というよりも、企画が過酷!!
ネバーエンディングストーリーですね。
これは旅が過酷というよりも、企画が過酷!!
ネバーエンディングストーリーですね。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2018年03月06日 17:48
昔、このサバの列車に乗って川の上流まで行きゴムボートでラフティングした覚えあるな。
Posted by AK at 2019年04月08日 22:35
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