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ナムジャイブログ

2018年03月19日

マンゴー犬と生もの犬

 飛行機を使った運び屋になることがよくある。たとえば、海外で講演がある。主催者から、講演の後でサイン会を……という依頼。しかし、現地の書店に頼んでも講演までに日本から本が届かないという。そんなときは持参するしかない。本はかなり重い。30冊となるとずっしりとくる。自分で本を持参し、サインをして、売る。旅行作家の原点のような運び屋である。
 タイ人の知人が多いから、昔、よく運び屋を頼まれた。「次にタイに来るとき、もってきてくれないかなぁ」と、タイから電話がかかってくる。「いいよ」と答えると自宅に物が届く。
 さまざまなものがあった。サッカーボールや化粧品は楽だったが、あるとき、子供用の自転車がどんと届いたことがあった。「こんなものを飛行機に預けられるんだろうか」。航空会社に訊くと、大丈夫だという。しかし空港までどうやって運んだらいいのだろうか。車をもっている友達に頭をさげた記憶がある。
 あるとき、やけに重い箱が届いた。開けると車用ジャッキが2台も入っていた。なんとか運んだが、ひたすら重かった。
 日本でエイズを発症したタイ人の薬を運んでいたこともある。彼は留学生で、日本で治療を受けていた。体調を壊しタイで治療をするようになったが、すぐに薬を変えるのはよくない……と医師からいわれた。安全に運ぶには持参しかなかった。
 知人のなかには、とんでもないものを預けた奴もいる。フランス人の知人は、日本の骨董品店で買ったたんすを預けた。容量の制限に引っかからなかっただろうか。
 中国の旅を経験した知人は、洗濯代が驚くほど安いことを知った。その後、中国に行ったとき、自分が寝ていたシーツや部屋のカーテンなど、洗濯が大変なものをすべて飛行機に預けた。最初に着く上海で洗濯し、それを店に預けておき、帰国便に再び預ける算段。うまくいったと得意げに話していた。
 マンゴー犬と生もの犬の話を聞いた。マンゴー犬は日本の空港。アジアの一般店で売っているマンゴーは、日本に持ち込めない。そのにおいを嗅ぎわける犬だという。生もの犬の話はタイの空港。生の魚や和牛のにおいを感知する犬だという。タイの場合、依頼主は日本料理店らしい。常連客が日本に行ったときの帰りに、もってきてもらうのだという。バンコクの日本料理店の競争は激しい。その結果だろうか。
 調べると、本当にそんな犬がいた。動植物検疫探知犬と日本では呼ばれている。ビーグル犬が多いらしい。
 この探知犬は世界の空港にいるようだ。タイの空港でも働きはじめたのだろうか。
 果物や生もののにおいを消す? これ難問です。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=カンボジアの旅。アンコールワット、そして船旅。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。インドネシアの列車旅の連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機


Posted by 下川裕治 at 11:45│Comments(1)
この記事へのコメント
マンゴーを洗濯物でぐるぐる巻いて
日本に持ち込んだ…
(あ、聞いた話です)
バレたら大変だったのですね。

マンゴー犬はマンゴーが好きなのでしょうね。
想像すると…なんかかわいいです。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2018年03月20日 16:49
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