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ナムジャイブログ

2019年04月15日

突然、現れた日本という壁

 日本で働くミャンマー人の知人たちが、会社をつくり、寿司店を出店しようとしている。皆、日本在住10年以上。永住権をもっている人もいる。長く寿司店で働いてきた。自分たちで独立しようとしているわけだ。
 しかしその物件探しで難航している。
 条件はすべて満たしている。保証人関係も問題はない。仲介不動産屋はこういっているという。
「日本人よりしっかりしている」
 しかしなかなか借りることができない。
 店舗を借りる場合、最後の関門は大家になる。不動産屋はすべての書類をそろえ、提出しながら大家に打診する。
「ところが大家がなかなか首を縦に振らないんです」
 その理由は明かされない。しかし雰囲気から伝わってくるものがある。
 外国人だからなのだ。
 ミャンマー人たちは、大家との面接を望んでいる。彼らには自信があるのだろう。会ってくれれば、自分たちのことをわかってくれる……と。しかし、日本の大家は面会を拒む人が多い。そのあたりは、不動産屋に任せてある……の一点張りなのだという。
 つまりは、イメージだけの問題なのだ。外国人に貸した場合のトラブルが心配なのだ。うまく言葉が通じないとも思っているのかもしれない。いくら不動産屋が説得しても、腰があがらない。
 これが東京という街らしい。
 日本の会社で働くタイ人がアパートを借りようとした。書類を出したところ、大家からこういわれた。
「保証人協会を通してほしい」
 彼が勤めている会社の日本人が保証人になっているのだが、それでは安心できないということらしい。
 2ヵ月ほど前、僕はバングラデシュ南部の村で家を借りようとした。しかしなかなか難しかった。理由は、「外国人に貸したことがない。だいたいその村で外国人が暮らしたことがないので、どうしたらいいのかわからない」ということだった。
 家や店舗を借りることは簡単ではないかもしれないが、バングラデシュの田舎と東京を同じ土壌で語っていいのだろうか。
 僕はこれまで、バンコクで何回かアパートを借りている。保証金を払い、パスポートなどのコピーを渡すだけで、簡単に借りることができた。タイ人の大家は、なにひとつ不安を抱いていないようだった。僕の知人は海外で暮らす人が多いが、大家に断られたという話はあまり聞かない。
 日本もアパートはそれほどでもないとも聞く。しかし店舗となると、突然、日本という壁が現れる。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズが連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 17:43│Comments(3)
この記事へのコメント
借家人を一方的に守る法律があって、大家は借家人が何をしても追い出せません。国はそうやって借家人を守ってやったのですが、その結果非常に物件の借りにくい国になりました。いったん貸したら終わりですから、大家は慎重になります。家賃滞納、動物を飼ったなどの契約違反ですぐに追い出せるように法律を整備してくれれば、大家の考えも少しは変わると思います。ろくでもない法律とろくでもない店子のせいで、多くのまじめな人が家や店を借りられずに困っています。
Posted by くろねこ at 2019年04月16日 10:30
差別する気はないけど、これまでに日本で暮らしてきた無数の外国人が、契約した不動産で、どのように振る舞ってきたかを物語っていますね。
彼らが信用されるような振る舞いをしていれば、大家も喜んで彼らに家や空きテナントを貸すことでしょう。
信用を得るには、それなりの時間が掛かるでしょうね。
Posted by 名無し at 2019年04月27日 15:25
一番の問題は借家人の夜逃げです、大家は夜逃げした借家人の残した持ち物を法律で勝手に処分出来ません、特に飲食店の場合は後始末が大変なので連帯保証人を強く要求します。
Posted by hsg53 at 2019年04月27日 17:02
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