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ナムジャイブログ

2019年04月23日

いつの間にか機内映画通

 先週、「響」という映画を観た。その次に「家族のはなし」の途中で台北に到着。帰路にその続きを観て、「キスができる餃子」を観終わる頃、飛行機は成田空港に向けて下降をはじめた。
 先週、台湾に出かけた。安いことと、貯まるマイルを考えてエバー航空を選んだ。最近のレガシーキャリアは、多くの路線にシートテレビ付きの機材を使っている。モニターで映画を観ることができる。放映される日本の映画も多い。いつの間にか、僕は映画通になりつつある。
 台湾往復で3本の映画を観た。バンコク往復では4~5本の映画を観てしまう。アメリカとなると、往復で6本以上。いつもレガシーキャリに乗るわけではない。シートテレビがないLCCにもよく乗る。しかしざっと数えると、1年に40本近い映画を観ている気がする。飛行機が生んだ映画通になってしまうわけだ。
 今年の3月だろうか。日本映画のアカデミー賞の発表があった。優秀作品として、「万引き家族」「カメラを止めるな!」「北の桜守」「孤狼の血」「空飛ぶタイヤ」が選ばれていた。そのなかから最優秀作品が選ばれるのだが、そのすべてを僕は観ていた。考え込んでしまった。
 日々、原稿に追われている。もし、飛行機に乗らなかったら、映画を観にいく精神的な余裕などないだろう。
 飛行機の中で観ることができる映画は、過度な暴力シーンやセックスシーンがないものだと聞いたことがある。今回観た、「キスができる餃子」や「家族のはなし」等はその典型で、「キスが~」は宇都宮や栃木県の宣伝映画ではないかと思った。「家族~」は、僕の故郷の信州が舞台だった。ストーリーは凡庸だったが、父親役の時任三郎が、いい味を出していた。若い頃はパイロット役とか、リゲインのコマーシャルなど、はつらつとしたイメージだったが、年をとり、決して大声を出したりしないいまの時代の父親を演じるといい雰囲気が出る。
「響」で売れない作家という役どころの小栗旬も雰囲気があった。強い役より、弱いキャラクターについ、目が行ってしまうのは僕の性格だろうか。
 漫画が原作という映画が多いのは、いまの日本映画の傾向だろうか。「響」「家族~」は原作が漫画である。漫画のストーリーは展開が強引なところがある。そのテンポが映画向きなのだろう。どうしてこのセリフが出てくるのだろう、と悩んでいるうちに次のシーンになってしまう。それでいて違和感がほとんどない。活字の世界は緻密だから、そうはいかないのだ。機内で観る映画はこのほうがいいのかもしれない。そこへいくと、「万引き家族」はいくつもの伏線が潜んでいる。いい映画だが、機内で観るには少し重い。
 いつの間にか、機内映画評になってしまった。今回はこのへんで。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=再び「12万円で世界を歩く」のシリーズが連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。いまは番外編を連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 16:35│Comments(1)
この記事へのコメント
機内で映画を見るのはなんだか楽しいですね。私もこのあいだ、カイロ行きのエジプトエアで、古い映画ボガートのキーラーゴを見て感動しました。ジャンルはシルバーと書いてありました。
Posted by にし at 2019年04月24日 19:06
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