2020年01月06日
手袋に開眼しても……新年
この齢になっていうようなことではないかもしれないが、手袋について開眼した。手袋と気温との関係である。
去年の12月、ロシアのサハリンに8日ほど滞在した。寒かった。最低でマイナス17度ぐらいになった。
外に出るときは、ダウンジャケットとマフラー、帽子は欠かせなかった。そして手袋。
しかし、手袋をはめて歩いていると、指先が痛くなってくる。痺れるような感覚だ。同時に足先も痛くなってくる。
どうしたらいいものか。歩きながら試行錯誤がはじまる。手袋をはめたまま、ズボンのポケットに手を入れてみる。指先の痺れは消えない。ふと思い、手袋をはずしてポケットに手を入れてみた。しばらくすると、指先の感覚が戻ってきた。
これかもしれない。その日の気温はマイナス13度ほどだった。気になって、街を歩く人の手を見てみる。手袋をはめている人も多いが、半分ぐらいがポケットに手を入れて歩いている。たまに手が見える。手袋をはめていない。
真冬のチベットを思い出した。多くの人が民族衣装の蔵袍を着ていた。ずんどうのコートのような形をしている。皆、そのなかに手を入れているのだが、その手は素手だった。やはり気温はマイナス10度を下まわっていたと思う。
年末年始は実家のある信州の松本にいた。この時期の気温は、最低でマイナス5度ぐらい。昼間は8度近くになった。近くの寺に初詣に出かけたが、そのとき、手袋をはめた。暖かかった。そう感じた。手先も痛くならない。その夜、テレビを観ていると、札幌での街頭インタビューが映し出された。氷点下12度という朝、素手で通学する学生にレポーターがマイクを向ける。
「ポケットに手を入れていれば大丈夫です」
マイナス10度あたりが境界のように思う。それより暖かいと、手袋が効果を発揮する。しかしマイナス15度ぐらいに冷えると、手袋はつらい。素手でポケットに手を突っ込んだほうが暖かい。
厳冬期、外で仕事をする人や、登山隊となると、ポケットに手を突っ込むわけにはいかないが、街を歩く程度なら、素手ポケットのほうが暖かいのだ。
しかし道はがちがちに凍っていることが多い。ポケットに手を入れて歩くときは、転倒すると危ない。滑らないブーツと経験ということだろうか。
年が明け、手袋と気温の関係に気づいて、ひとり悦に入っている。イランでは戦争が起きるかもしれないというのに。
そういえば今年、イランに行かなくてはならない。はたして旅ができるのか。こうして2020年の現実がはじまる。
■“旅情報ノート”クラブの内容は、以下のサイトで http://www.arukubkk.com/
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=タイの国境旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=台湾の秘湯シリーズがはじまりました。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
去年の12月、ロシアのサハリンに8日ほど滞在した。寒かった。最低でマイナス17度ぐらいになった。
外に出るときは、ダウンジャケットとマフラー、帽子は欠かせなかった。そして手袋。
しかし、手袋をはめて歩いていると、指先が痛くなってくる。痺れるような感覚だ。同時に足先も痛くなってくる。
どうしたらいいものか。歩きながら試行錯誤がはじまる。手袋をはめたまま、ズボンのポケットに手を入れてみる。指先の痺れは消えない。ふと思い、手袋をはずしてポケットに手を入れてみた。しばらくすると、指先の感覚が戻ってきた。
これかもしれない。その日の気温はマイナス13度ほどだった。気になって、街を歩く人の手を見てみる。手袋をはめている人も多いが、半分ぐらいがポケットに手を入れて歩いている。たまに手が見える。手袋をはめていない。
真冬のチベットを思い出した。多くの人が民族衣装の蔵袍を着ていた。ずんどうのコートのような形をしている。皆、そのなかに手を入れているのだが、その手は素手だった。やはり気温はマイナス10度を下まわっていたと思う。
年末年始は実家のある信州の松本にいた。この時期の気温は、最低でマイナス5度ぐらい。昼間は8度近くになった。近くの寺に初詣に出かけたが、そのとき、手袋をはめた。暖かかった。そう感じた。手先も痛くならない。その夜、テレビを観ていると、札幌での街頭インタビューが映し出された。氷点下12度という朝、素手で通学する学生にレポーターがマイクを向ける。
「ポケットに手を入れていれば大丈夫です」
マイナス10度あたりが境界のように思う。それより暖かいと、手袋が効果を発揮する。しかしマイナス15度ぐらいに冷えると、手袋はつらい。素手でポケットに手を突っ込んだほうが暖かい。
厳冬期、外で仕事をする人や、登山隊となると、ポケットに手を突っ込むわけにはいかないが、街を歩く程度なら、素手ポケットのほうが暖かいのだ。
しかし道はがちがちに凍っていることが多い。ポケットに手を入れて歩くときは、転倒すると危ない。滑らないブーツと経験ということだろうか。
年が明け、手袋と気温の関係に気づいて、ひとり悦に入っている。イランでは戦争が起きるかもしれないというのに。
そういえば今年、イランに行かなくてはならない。はたして旅ができるのか。こうして2020年の現実がはじまる。
■“旅情報ノート”クラブの内容は、以下のサイトで http://www.arukubkk.com/
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=タイの国境旅を連載中。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=台湾の秘湯シリーズがはじまりました。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
Posted by 下川裕治 at 10:05│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。