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ナムジャイブログ

2020年04月20日

自宅仕事の極意

 日本はテレワークやリモートワークが進みつつある。我が家にはふたりの娘がいるが、ともに自宅で仕事になった。昼間、彼女たちの部屋から、パソコンを通した耳障りな音が漏れてくる。会議や打ち合わせなのだろう。
 ふたりとも、体がなまる、気分転換が難しい……などという。僕はずっと昔から、テレワークというか、自宅で原稿を書くことが多いから、そういう面では先輩でもある。
 ネットでは海外に滞在しているときの旅を発信することが多いから、ほとんど日本にいないような印象を受ける人もいるかもしれないが、1年の半分以上は日本にいる。その間はほとんど、自宅にこもっている。原稿を書かなければならないからだ。
 自宅缶詰がはじめると、まず睡眠時間が減る。原稿は簡単に進まないから、どうしても深夜まで机に向かうことになる。しかしこれでは進まない……と4日目ぐらいに悟る。毎回のことだ。そして規則正しい生活を心がけるようになる。そうしないと2週間、3週間といった長丁場はもたない。
 しかしはじめから規則正しい生活に入るのは難しい。いったん苦しみ、諦めて、これしかないというところに追い詰めないとすんなりと移行しない。
 規則正しい生活といっても、その時間、さくさくと原稿が進むわけではない。そこは個人差があると思うが、僕は目を覚まし、朝食をとってから2時間、そして夕暮れどきの2時間が稼ぎどきである。
 夕方から説明する。その日の午後も机に向かっているのだが、さして進まない。そのうちに日が傾いていく。
「今日の午後はほとんど進んでいない」
 と焦りはじめる。こう追い詰められるのが夕方なのだ。
 夕食のあとも机に向かう。しかし思うようにはいかない。頭のなかはぐるぐるまわるだけで先に進まないのだ。それでもなんとか頑張る。しかし進まない。そうこうしているうちに午前2時ぐらいになる。これ以上起きていると生活が乱れる。眠くもなる。寝ることになるのだが、そのとき、まとまりのつかない内容をメモのように紙に書いておく。眠っている間に少しは整理される気がして目を閉じるわけだ。
 つまり目が覚めてから2時間というのは、前夜、進まない原稿を前に苦しんでいたご褒美のようなものに映る。
 規則正しい缶詰生活というのは、一見、だらだらしている時間をいかに耐えるかということのように思う。1日のなかで、その時間と筆が進む時間の組み合わせだと思う。こうしてなんとか1日に400字詰め原稿用紙で10枚以上をなんとか埋める。もちろんその分量に達しない日もある。そして最後には、本当に追い込まれていく。
 自宅での仕事の助けにと思ったが、これではなんの参考にもならないか。

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Posted by 下川裕治 at 12:38│Comments(2)
この記事へのコメント
たいへん参考になりました。かんけいない話しですが、うちの奥さんが近所で下川さんをよく見かけるそうです。彼女は下川さんのバンコク子育て記が大好きです。
Posted by にし at 2020年04月20日 13:08
読んで救われました!
テレワーク疲れとコロナへの積る不安で神経が参りがちな上、生活も徐々に不規則になってきていました。
でもこれも過程なのかと思えばホッとします。
エッセイ文をスラスラと書かれているのだろうと思っていましたが、下川さんでもバイオリズムを経ているのですね。
これももう一つホッとさせられました。
Posted by earlgrey at 2020年04月20日 18:12
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