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ナムジャイブログ

2010年05月11日

沖縄が嫌いになるとき

 ときどき沖縄が嫌になることがある。
 とくに役所とつきあうときだ。
 先週、チェンマイに住む新里愛蔵さんと一緒に沖縄に向かった。愛蔵さんは脳梗塞の後遺症に加えて人工透析を週に2回受けないといけない体である。
 チェンマイで透析を受けた翌日、飛行機に乗った。チェンマイから那覇に行くには、台北で1泊しなければならない。沖縄に着いた2日後には透析を受ける必要があった。
 日本の人工透析は安い。特定疾病に指定されているため、月額1万円ですむ。
 しかしそのためには、健康保険に加入していることが必要だった。そのためには、住民票をつくる必要があった。
 愛蔵さんは日本人だから、なんの問題もないと思っていた。ところが名護市役所の住民票、健康保険がスムーズに進まなかった。問題は、今回の愛蔵さんの帰国が、一時帰国かどうかということだった。職員は規約をもちだしてきた。
「一時帰国の方は加入できないんです」
 海外に暮らす人にしたら意外な話に聞こえるかもしれない。健康保険のほかにも、あわよくば子ども手当も……と、住民票を日本に置いておく駐在員やその家族は多い。赴任する国にもよるが、日本の住民票を抜いてもデメリットのほうが多いのだ。
 しかし厳密には、海外に暮らすときは住民票を抜かなくてはならない。そして日本への一時帰国のときに、住民票や健康保険に加入することはできない。
 そんなことはわかっている。
 しかしこの規約に幅をもたせているのにはわけがある。一時帰国かどうか……という判断が難しいのだ。
 今回の愛蔵さんにしても、日本の医師から、「治療に専念したほうが」といわれればチェンマイに戻ることは難しくなる。場合によっては帰国になってしまうのだ。
 そのへんの含みを考慮してくれる役所が多い。しかし名護市役所は杓子定規に規約を口にするばかりだった。そして県に問い合わせるという。
 しかし翌日には、愛蔵さんの透析が迫っている。そのとき、健康保険が効かなければ、多額の治療費を払わなくてはならない。人工透析は月額50万円にもなる高額治療なのだ。
 こういったとき、沖縄の庶民社会はなーなーで通っていく。アバウトなのだ。しかし役所はその対極にあるかのような対応をする。
 那覇空港の税関の検査も厳しい。成田ではさして問題にならないことも、丹念に調べる。おそらく那覇空港は、日本でいちばん密輸が難しい空港にも思えるのだ。
 この差にいつも戸惑うのだ。
 それが沖縄という島の弱さなのかもしれない。
(2010/5/11)


Posted by 下川裕治 at 16:30│Comments(1)
この記事へのコメント
名護市役所の頭の固さは有名ですからね・・・

負けずにがんばってください!
Posted by 相互リンクのリンク先生! at 2010年05月11日 17:35
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