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ナムジャイブログ

2020年09月21日

ユーチューブの収益、諦めました

 ユーチューブをはじめて1ヵ月半ほどがすぎた。知り合いのカメラマンと一緒につくったサイト。「下川裕治のアジアチャンネル」というタイトルをつけた。旅の動画を編集して公開している。
 ユーチューブは観る人が多いと、収益が生まれる。人気のユーチューバーは月収が100万円を超えるなど、なにかと話題になる。子供たちに、「大きくなったら、なにになりたい?」と訊くと、「ユーチューバー」という答えが返ることが多くなり、それも話題になった。
 ユーチューブには収益が生まれる条件がある。それはチャンネル登録者数が1000人以上で、総再生時間が4000時間を超えることと表記されている。チャンネル登録というのは、このサイトが気に入ったという意思表示のようなものだ。
 はじめて1ヵ月半がたち、なんとかその条件を満たしそうになってきた。そこで制作にかかわる3人で集まった。
「さて、これからどうしようか……」
 条件を満たしたところで収益は多くない。正確なところはわからないが、1000円単位。ネットの情報では、概算としてチャンネル登録が1万人で20万円というものもあった。
 1万人? 桁がひとつ違う。
 いくら頑張ってもチャンネル登録は1万人にはならないのではないか。僕ら3人は、ユーチューブで生きていくつもりはない。そんなタイプにとって、収益化はハードルが高すぎる。
 3人で膝をつき合わせた結論。それは収益を望まず、好きなサイトをつくっていくという方向だった。ユーチューブから収益……。それに固執すると、なんだか人気のユーチューブと同じ世界に入っていきそうな予感がしたからだ。そんな感性は3人にはなかった。
 ここまでユーチューブをやってよくわかったことがある。それはテレビという媒体をユーチューブは凌駕しつつあるということだ。よくいわれることだが、改めて実感した。
 サイトのなかで「コロナ禍のアジア」というコーナーがある。その動画を海外に住む知人に依頼した。知人たちの周囲には、しっかりと動画撮影の訓練を受けた人が多くいた。しかしそんな人たちに依頼する予算はない。要は素人動画がユーチューブの主流なのだ。
 ネットでブログが人気になったときと同じだった。原稿を書く訓練を受けていない人たちが、我流の文章をどんどん発表する場がブログだった。僕も含め、もの書きは批判的だった。訓練を受けたこと、いい文章を書くことに切磋琢磨する努力……その代償行為としての人の目に触れる文章を書く、という図式が崩れてしまうからだ。いままでの苦労はなんだったのか。そう唇を噛んだものだ。
 ところがいま、僕はネットでブログを書いている。同じことが、映像の世界で起きていた。素人動画がプロが撮った映像を席けんしつつあった。
 しかし何年か経ち、いい文章は、媒体の違いを関係なく評価されるという事実を知ることになる。映像の世界はその手前。浮足立った状況が続いている。

■YouTubeチャンネルをつくりました。「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
観てみてください。面白そうだったらチャンネル登録を。
■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=沖縄の離島のバス旅がはじまります。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=沖縄の離島のバス旅シリーズがはじまります。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji


Posted by 下川裕治 at 11:42│Comments(3)
この記事へのコメント
素人の訓練されていない映像かもしれないけど、下川さんの場合は何十年も訓練された文章力、蓄積された旅や政治、経済、様々な知識や情報があること前提に視聴しているので、あまり映像のクオリティーを気にしません。旅行作家にとっていかに旅を取り上げられることがシリアスなのか、とにかく一刻でも早く自由に旅を楽しめる日が来ますように。
Posted by なかも at 2020年09月22日 15:50
お疲れ様です。

下川さんの動画!?チョー楽しみです。

いずれどこか旅先とかで、お会いしたかったけれども、動画で接見できるなんて、夢にも思ってませんでした!
Posted by たかしま at 2020年09月26日 20:22
はじめまして。
下川さんの書籍デビューは書店でふと目に留まった世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロです。
独特の緩さ?が癖になり?今では次々と買い集めるようになりました。
YouTubeでサハリン〜中国国境がアップされているのを知り拝見しました。
マス釣り、取り残された客車と、見どころを動画で見ることができ感激です。
もし続きが有ればぜひともアップお願いいたします。
Posted by よつ at 2020年10月14日 00:37
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