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ナムジャイブログ

2010年06月01日

タイと沖縄の磁場

 世のなかには、わからないことが山ほどある。しかし、わからないことにもふたつの種類がある。勉強したり、体験を経ればわかることと、いくら考えても理解できないことがある。
 バンコクのセントラルワールドの一部が延焼した。そこに出店していた店舗の今後が話題になる。補償や資金の問題ならわかる範囲だが、タイにはもうひとつの発想が生まれてくる。「気持ちが悪い」とか「怖い」といったものだ。その感覚は霊といったものにつながっていく。
 人々はその場所に花を捧げ、僧侶が聖水をまく……。犠牲者も出たわけだから、慣習としてのこの行為がわからないわけではない。しかし僕のなかでは、どこか軽んじているところがある。お祓いとか占いといったものが、やはりわからないのだ。これはどしようもない。
 だが、いくらそうもいえない立場の人もいる。たとえば延焼した店のオーナーが、かなりの唯物論者だとしても、スタッフが「怖い」といわれれば、お祓いもするだろう。人とのかかわりのなかで生きていくということはそういうことだ。
 しかし心の奥底では、「そんなことは迷信にすぎない」と思っているわけで、どこか腰が引けたままで従っていくことになる。だが、それでことがすぎていけば、人生に大きな波風は立たない。
「そうもいかないんです」
 そういう情況に巻き込まれた本を読んだ。仲村清司氏の『ほんとうは怖い沖縄』(新潮社刊)である。この本には、「見えてしまう人」が頻繁に現れる。彼自身は僕同様、「見えない人」だから理解に苦しむ。しかし彼の周りに蠢く霊のようなものに翻弄され、22年連れ添った妻と離縁し、彼は鬱に陥ってしまうのだ。
 仲村氏は昔からの知人である。別れてしまった奥さんもよく知っている。沖縄に移り住んで13年になる。那覇に行ったときは必ず会う人でもある。そういう身近な人が、巻き込まれた沖縄という土地の磁場をまた考えてしまうのだ。
 沖縄好きはタイ好きとオーバーラップする。僕自身もその典型である。霊とかお祓いなどといったものがわからないタイプだが、沖縄の人やタイ人に惹かれる。それは僕とは違う磁場のなかで生きている人たちと、酵素がぴったりと合致するということなのかもしれない……などと考えてもみる。
(2010/6/1)


Posted by 下川裕治 at 18:28│Comments(1)
この記事へのコメント
私もスピリチュアルなものに興味を持っています!。。
また遊びにきますね。。。
Posted by tomo at 2010年06月04日 12:23
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