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ナムジャイブログ

2021年10月11日

ミャンマーは内戦状態だと思う

 ミャンマーのクーデターから8ヵ月がたった。テレビや新聞で流れるミャンマーのニュースはめっきり少なくなってしまった。
 しかしミャンマーの状況が落ち着いてきているわけではない。ヤンゴンでは毎日、爆弾事件が起きている。地方では軍と地元の人々の戦闘が激化している。死者は機械で刻むように確実に増えている。
 軍の行動は残忍さを増している。軍に反抗し、不服上運動に加わって病院を去り、ボランティアで医療活動をしていた医師が、看護師とともに殺害された。以前、軍は不服従運動の医師らを検挙はしたが、命を奪いことはしなかった。
 全国には軍に反発する人民防衛軍(PDF)が組織されている。軍は密告者にその情報を集めさせ、人民防衛軍がいるという噂がたつ村を一気に焼き討ちにする。そのたびに多くの犠牲者が出る。遺体は山積みにされ、その周りには地雷が埋められる。行方不明者を探しにくる村民が地雷の犠牲者になってしまう。
 人民防衛軍は軍が運営する通信会社の鉄塔を爆破することが多い。これに対して、軍のトップのミンアウンラインは、
「軍の中心を攻めてこい」
 と挑発する。これが暫定とはいえ、政権を担う人間の言葉だろうか。ミャンマーは確実に内戦状態なのだ。
 ミャンマーの通貨、チャットの急落が止まらない。クーデター前は1ドル1300チャット前後を推移していたが、どんどん価値がさがり、10月には1ドル3000チャットという値がついたこともあった。価値は3分の1に近づいているわけだ。
 ミャンマーは生鮮品をのぞいて、輸入に頼っている部分が多い。単純に考えれば、輸入品の価格が3倍近くに値あがりしてしまうわけだ。その日、一時的に店舗を閉めたスーパーが多かったという。値札の付け替えが間に合わなかったのだ。
 クーデター後、仕事を失ったミャンマー人は多い。ただでさえ、現金収入が減っているところへの値あげである。ガソリン代は2倍を超えているという。
 人々の暮らしは困窮度を増している。しかし軍は国民の生活に責任を負おうとしない。
 軍は海外からの車の輸入を禁止した。表向きは外貨の流出を防ぐことだが、軍はその権力で密輸ができる。
「軍はそうやって私腹を肥やすだけ。昔の軍事政権時代と同じですよ」
 市民は冷淡な視線を向ける。
「私たちは少ない友人とやっていくことに慣れている」
 政権を掌握した軍のミンアウンラインはクーデター後にそういった。
 国際的な枠組みから離脱するしか軍が生きていく道はない。人々の生活はますます苦しくなり、経済は停滞し、若者には希望がなくなっていく。事態は深刻になる一方だ。運営するYouTubeでは、粘り強く現状を続けていくつもりだが。
 

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Posted by 下川裕治 at 17:38│Comments(1)
この記事へのコメント
ミャンマーについてはなにかやれる事はないかと思います。

群馬の館林や高田馬場の駅前でのミャンマー人の寄付は嘘偽りなく彼等の元に届くのでしょうか。微力ながらも力になりたいと思います。
Posted by アオくん。 at 2021年10月11日 20:57
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