2022年02月07日
16冊しか売れていない
『クーデターから1年。ミャンマー人たちの軍との闘い全記録』
https://note.com/shimokawa_note/m/m9dcecdc89604
を発売した。ユーチューブ「下川裕治のアジアチャンネル」で、クーデター直後から連載を続けた「ミャンマー速報」をまとめたものだった。マガジンという名称になっているが、電子書籍だと思っている。ボリュームは1冊の単行本並みだ。
発売から1週間がたったが、あまり売れてはいない。16冊しか売れていない。それほどまでに、日本人はミャンマーに関心がないのだろうか……悩んでしまう。
1年の間にミャンマーで起きたことをまとめているから、物語ではない。資料として評価する人もいるだろう。そういった本はなかなか売れるものではない。一般的な紙の書籍にはなりにくい。だから電子版というスタイルにしたが……。
ミャンマーに強い関心があるか、かかわっている人、そして研究者……。しかしこの本には、もうひとつの面がある。突然、10年前の「不自由で停滞」という軍事政権時代に戻されてしまったミャンマーの人々と、その痛みを共有することだった。そんな役割を負っていると思う。
しかし思いと購入がダイレクトにつながっているわけではない。訴求が足りないということだろうか。PR不足? しかし資金もマンパワーもない。
この本が売れれば、ミャンマー語に翻訳しようと思っていたのだが……。いかに軍はひどいことをやってきたのか。激しく動いた1年を確認する内容にもなっていた。
そんな悩みのなかで、ネット社会というものを考えていた。クーデターから1年を見たとき、それは軍の銃と国民がつくったネット社会の闘いのように映る。国民はインターネットを駆使して抗議デモを連携させていった。それを封じ込めようと軍はやっきだが、軍もインターネットを使うから、完全遮断はできないまま1年がすぎた。
ミャンマーから届いた情報は、ユーチューブで発信された。以前なら新聞や週刊誌での連載という形になるものかもしれないが、いまは自分たちでネットを使って発信できる。そして電子版だが本にすることもできる。
人はインターネットを通して、膨大な情報を自由に手に入れられるようになった。
しかしその費用ということになると、別のベクトルが働く。「ミャンマー速報」にしても、現地の人たちはほぼ無給で情報を送ってくれる。読む人たちが代金を払うわけではない。しかしその内容をより深めたり、書籍化や翻訳となると、どうしても費用がかかってきてしまう。それを補填するために、電子書籍を有料で発売すると、紙の書籍以上に売ることが難しくなる。インターネットの社会は無料か安価でなければ訴求力を失っていく。
そこで情報の偏りが生まれてしまう。伝えたいことが伝えられない状況ができあがってしまうのだ。
そのさじ加減はかなり難しい。
■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
面白そうだったらチャンネル登録を。
■noteでクリックディープ旅などを連載。
https://note.com/shimokawa_note/。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=コロナ禍の海外旅行を連載中。
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
https://note.com/shimokawa_note/m/m9dcecdc89604
を発売した。ユーチューブ「下川裕治のアジアチャンネル」で、クーデター直後から連載を続けた「ミャンマー速報」をまとめたものだった。マガジンという名称になっているが、電子書籍だと思っている。ボリュームは1冊の単行本並みだ。
発売から1週間がたったが、あまり売れてはいない。16冊しか売れていない。それほどまでに、日本人はミャンマーに関心がないのだろうか……悩んでしまう。
1年の間にミャンマーで起きたことをまとめているから、物語ではない。資料として評価する人もいるだろう。そういった本はなかなか売れるものではない。一般的な紙の書籍にはなりにくい。だから電子版というスタイルにしたが……。
ミャンマーに強い関心があるか、かかわっている人、そして研究者……。しかしこの本には、もうひとつの面がある。突然、10年前の「不自由で停滞」という軍事政権時代に戻されてしまったミャンマーの人々と、その痛みを共有することだった。そんな役割を負っていると思う。
しかし思いと購入がダイレクトにつながっているわけではない。訴求が足りないということだろうか。PR不足? しかし資金もマンパワーもない。
この本が売れれば、ミャンマー語に翻訳しようと思っていたのだが……。いかに軍はひどいことをやってきたのか。激しく動いた1年を確認する内容にもなっていた。
そんな悩みのなかで、ネット社会というものを考えていた。クーデターから1年を見たとき、それは軍の銃と国民がつくったネット社会の闘いのように映る。国民はインターネットを駆使して抗議デモを連携させていった。それを封じ込めようと軍はやっきだが、軍もインターネットを使うから、完全遮断はできないまま1年がすぎた。
ミャンマーから届いた情報は、ユーチューブで発信された。以前なら新聞や週刊誌での連載という形になるものかもしれないが、いまは自分たちでネットを使って発信できる。そして電子版だが本にすることもできる。
人はインターネットを通して、膨大な情報を自由に手に入れられるようになった。
しかしその費用ということになると、別のベクトルが働く。「ミャンマー速報」にしても、現地の人たちはほぼ無給で情報を送ってくれる。読む人たちが代金を払うわけではない。しかしその内容をより深めたり、書籍化や翻訳となると、どうしても費用がかかってきてしまう。それを補填するために、電子書籍を有料で発売すると、紙の書籍以上に売ることが難しくなる。インターネットの社会は無料か安価でなければ訴求力を失っていく。
そこで情報の偏りが生まれてしまう。伝えたいことが伝えられない状況ができあがってしまうのだ。
そのさじ加減はかなり難しい。
■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg?view_as=public
面白そうだったらチャンネル登録を。
■noteでクリックディープ旅などを連載。
https://note.com/shimokawa_note/。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=コロナ禍の海外旅行を連載中。
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
Posted by 下川裕治 at 12:34│Comments(3)
この記事へのコメント
下川さんの読者層は、紙媒体でないとなかなか買わないような気もいたします。私も電子書籍には手が伸びません。。。
Posted by まつし at 2022年02月07日 15:04
年齢的に電子媒体を長々読むのは目が疲れます。ついでに頭に入りません。私も紙媒体で欲しい派です。
Posted by アオくん at 2022年02月16日 13:33
物理的に本を手元に残したい
気持ちも分かるが紙媒体
に出来ない諸事情があります
大変な思いをしている
ミャンマー人に寄付と
捉えてほしい
下川先生もそう願っております
気持ちも分かるが紙媒体
に出来ない諸事情があります
大変な思いをしている
ミャンマー人に寄付と
捉えてほしい
下川先生もそう願っております
Posted by 内藤 竜太郎 at 2022年02月21日 16:26
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