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ナムジャイブログ

2022年04月11日

やはり空白だったのか

 新型コロナウイルスの感染が広まってからしばらくたった頃だろうか。このブログで、コロナダイエットの話を書いた。
 緊急事態宣言やテレワークがつづくなか、体重が増えたという話をよく聞いた。家にいる時間が長くなり、楽しみといったら食べること……。部屋飲みという言葉も生まれた。運動不足も肥満を招いた。
 しかし僕の周りでは、体重が減った人が多かった。
「夕飯っていったら外で知り合いと酒。そういう生活がつづいてた。それがコロナでピタッとなくなった。なにしろ店が閉まってるんですから」
 マニラに住む知人はその時点で5キロ痩せていた。
「家飲みになったんだけど、妻と、酒ばっかり飲んでいてもしょうがないから、ダイエットっていう話がもちあがってね。一緒に糖質を減らしたり、走ったり……」
 その知人はすでに8キロ痩せていた。
 僕も痩せた。僕は妻と娘と暮らしている。やはり家にいる時間が多くなり、食事も家になる。彼女らがつくる料理はカロリーが控えめだ。それを食べる機会が多くなるにつれ、自然と体重が落ちていった。
 僕はこれまで、本格的にダイエットをしたことがなかった。しかし体重が少しずつ減っていくことは面白かった。なにかゲームをしているような感覚だった。
 知人たちも同じようなことをいった。
「コロナ禍で仕事も少ない。この間に体重を落として健康体にもっていくぐらいやらないと悔しいでしょ」
 その感覚はよくわかった。
 あれから1年以上、いや2年近くの月日が流れた。新型コロナウイルスに翻弄される日々だった。
 バンコクに暮らす知人と話していた。彼もダイエットに励んだひとりだった。体格は大きく、体重は90キロ近くあったはずだ。
「一時は10キロ近く体重を落としました。糖質ダイエットと水泳です。体重が減ると、なんだか頭がよくなるような気になる。クリアーになるっていうか。体も軽い。気分、よかったですよ。でも1年ぐらい前からかな、疲れやすくなってきて、一度、めまいを起こした。心配になって検査をしてもらったら、栄養不足っていわれました。ちゃんと食事をとれと。糖質制限を厳しくやりすぎたみたい。それで食事を戻した。すると、なにか重しが一気になくなったというか、解放されたというか。それにダイエットにも少し飽きがきていた。1年以上、食事制限つづけたわかだから。体重が減ってからは、太らないようにする日々でしょ。ダイエットをやめると、米がおいしくてね……」
 訊くと体重はコロナ禍前に戻っていた。
「新型コロナウイルスの感染が広まって、体重を落として、また体重が戻って、コロナ禍が終わっていくってことですか」
 彼は力なく笑った。
 コロナの時代はやはり空白だったのか。
 
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Posted by 下川裕治 at 14:04│Comments(0)
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