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ナムジャイブログ

2022年08月30日

コロナ禍を旅する──それも旅だった

 8月30日にkindleの電子版で一冊の本が発売になる。
「コロナ禍を旅する タイ編」。添えられているのは、「試行錯誤のバンコク隔離紀行」というキャッチだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B9XMHCKP?ref_=pe_3052080_276849420
 定価は480円。こういうことにあまり詳しくはないが、kindleのアンリミテッドに加入している人は自由に読むことができる。
 僕の本は紙の本が発売され、それと同時に電子版が発売されるパターンが多い。あくまでも紙の本が主体だ。
 今回は電子版がメインになる。最近は電子版も、希望すれば紙に印刷して届くようになってきた。オンデマンド形式で、1冊、1冊で対応する。その対応の準備も進めている。定価は1000円以下に抑えた。
 2021年の春、僕はタイに向かった。新型コロナウイルスがまだ猛威をふるっている時期だった。
 感染が広まってからほぼ1年、僕は海外に出ることができなかった。主に海外を舞台に旅の本を書いてきた僕は、羽をもがれた鳥のようなものだった。日本のなかでは、不要不急という言葉が席巻していく。感染拡大を防ぐために不要不急の行動を慎むという論調だった。
 不要不急? その言葉の前で僕は悩みつづけた。わかりにくい言葉だった。曖昧な政治用語にも映った。
 旅は不要不急の範疇だった。たしかに旅に出なくても人は死なない。しかし不要不急と既定された分野を生業にしてきた人にとっても不要不急なのか。そこで僕は立ち竦んでいた。それはミュージシャンも同じだったはずだ。コンサートは感染を拡大させる。しかし音楽で生きてきた人たちは収入の手段が絶たれる。それも不要不急なのか。
 あの頃、僕は何回か高尾山に登った。東京都内から出ることも制限される風潮のなか、ぎりぎりの都内だった。登山道に汗を流しながら、旅が空まわりしていた。
 欧米との温度差でも悩んだ。欧米ではほぼ自由な旅ができるのに、日本の政府が発表する感染危険情報は、ほとんどの国がレベル3だった。渡航の禁止なのだ。同じウイルスなのに、国の対応がこうも違う。世界の国々はウイルスを抑える共通の羅針盤をもっていなかったのだ。
 そのなかでタイが扉を開きはじめた。条件は厳しかったが、渡航者受け入れに動いたのだ。その流れに僕は乗った。
 旅が不要不急なものになることを受け入れたくなかった?
 いや、旅に出たいだけ?
 得体のしれない日本を背に飛行機に乗ることになる。300人級の大型機の座席に座るのはたった4人だったが。
 タイへの旅。それは旅といえるようなものではなかった。タイで隔離2週間。日本で隔離が3日。隔離をするために海外にでたようなものだった。しかしいまの僕ははっきりといえる。
 それも旅だった。
 コロナ禍の旅のタイ編をまとめた。読んでみてほしい。今後、エジプト、エチオピア、世界一周、カンボジアとコロナ禍の旅を書き込んでいく。

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Posted by 下川裕治 at 16:33│Comments(1)
この記事へのコメント
NHKラジオ深夜便「旅の達人」、8月31日の下川裕治先生のコーナー「のんびりアジア旅」聞きました。
前回、前々回は、奥の細道や沖縄のおはなしでしたね。本日は久しぶりに東南アジアのおはなしでした。
次回は11月のご登場だそうで。楽しみに待ってます。
Posted by マロンクリーム at 2022年08月31日 23:34
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