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ナムジャイブログ

2010年06月14日

5分の1の値段から臭うベトナム

 7月からロシアに行く。ユーラシア大陸の東端から西端まで列車でいくという取材がはじまる。東端は間宮海峡に面したソヴィエツカヤ・カバニという街で、そこから列車に乗り込まなくてはならない。
 その街に行くために、まずサハリンへ飛び、間宮海峡を船で渡ることになる。
 その手配は旅行会社に頼まざるをえない。一時、ロシアは目的地のホテルを予約した証明があればビザを発給してくれた。しかし最近は、すべての行程の切符とホテル予約が完了していないとビザがとれない情況になってしまった。昔に戻ってしまったわけだ。当然、ホテル代やら列車代も高くなる。
 かつての社会主義国はこのスタイルが多かった。外国人観光客からは国レベルでぼるシステムである。
 しかしその後、そのスタイルを軟化させる国が多くなった。中国などは次々に自由化策が打ち出された。日本人の場合、短期滞在ならビザも免除され、どんなホテルも泊まることができるようになった。
 ベトナムもその流れのなかにあるものとばかり思っていた。列車の外国人料金もなくなった。ホテルはもともとベトナム人との料金差がないと思っていた……。
 たしかにホテルに外国人料金はないのかもしれない。しかし街ぐるみで料金をつり上げていた。
 先月、ローカル列車でホーチミンシティからハノイまで移動した。夜行1泊を含めた3泊4日の旅だった。3泊目、僕はドンレーという街で列車を降りた。ホテルという英語も通じないバイクタクシーに乗って、市内の宿に向かった。ホテルという英語の文字もない宿だった。ツインの部屋の料金を訊くと……1泊14万ドン。
「安すぎない?」
 同行のカメラマンと顔を見合わせた。14万ドンは日本円にすると700円もしない。部屋を見せてもらった。エアコンと扇風機があり、お湯のシャワーがある。ベットには天蓋付きの蚊帳もついている。このレベルで14万ドンだというのだ。
 後でわかったが、この宿は、ドンレーにある3軒のホテルのなかでは最高ランクだった。街の食堂で夕食をとったが、桁違いに安かった。
 考えてみれば、僕がいままで滞在したベトナムの街は、ホーチミンシティ、ハノイ、フエ、ダナンだけである。どこも外国人がよく訪れる街だ。こういった街では、ゲストハウスでも800円ほどはする。ドンレーで泊まったホテルのレベルになると3000円から4000円はするだろう。
 外国人がめったにこない地方都市に行けば、物価が下がることは知っている。しかしせいぜい2、3割安くなる程度だ。ところがベトナムでは5分の1に下がってしまうというのは、限りなく臭うのだ。この5分の1というのがベトナム物価で、外国人がやってくる街だけ作為的な値段がついているのではないか。それはかつての社会主義国の臭いである。
 僕はベトナムのそのあたりのからくりに詳しくない。ベトナム通に訊きたいところだが、これからは、きっとドンレーのような街を選んで旅をするような気がする。
(2010/6/13)


Posted by 下川裕治 at 15:14│Comments(0)
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