2022年09月19日
ポストコロナでクレジットカードが消える?
先週、発売になった「沖縄の離島 路線バスの旅」(双葉社刊)のトークイベントが9月22日にある。
http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm
トークイベントでは、こんな話もしようかと思うのだが、僕にとっての初沖縄は沖縄本島ではなく、離島だった。石垣島である。離島から僕の沖縄ははじまったわけだ。
そのときは台湾からフェリーで石垣島に入った。アジアをまわった帰路だったのだ。
旅の資金は少なかった。石垣島で底をついたが、いまのみずほ銀行の前身である第一勧業銀行のキャッシュカードをもっていた。口座にはそこそこの金額が入っていた。
ところが石垣島の銀行では現金を引き落とすことができなかった。当時、都銀と沖縄の地銀のATMは連携していなかったのだ。それを僕は知らなかった。
石垣島からフェリーで沖縄本島まで行くつもりだったが、切符を買う現金がない。かなり焦った。困って船会社に話してみた。第一勧業銀行があるのは、沖縄本島の那覇。すると船会社は、那覇で現金を引き落として船賃を払うことを許してくれた。いまよりはキャッシュカードの威力があったのだろうか。あるいは沖縄の船会社は優しかったのか。
『沖縄の離島~』の取材で石垣島に行ったとき、知人はコンビニでPay Payを使って払っていた。
「便利さー。クレジットカードはもっていないけどね。石垣島はクレジットカードで払えるところは多くないけどPay Payは多いよ」
知人はそういった。
通常、キャッシュカードからクレジットカードの時代に移っていくものだが、沖縄はクレジットカード時代を省略してしまったということか。
僕は海外に出向くことが多いから、クレジットカードに頼る旅が長くつづいた。しかしそのクレジットカードの雲行きが怪しい。
ラオスで昨年開通したラオス中国鉄道。僕は駅に出向き、現金で切符を買った。クレジットカードは使えなかった。切符を買うためにヴィエンチャン市内にある発券オフィスを訪ねた知人はこういわれたという。
「ONE PAYしか使えません。現金やクレジットカードでは支払いができないんです」
ONE PAY? 知人はヴィエンチャン在住の知人に頼んで払ったという。
その後、タイのバンコクに行った。宿の近くのクイッティオというタイ風のそばの店に入ると、タイ人たちの多くが、スマホのQRコードを、店のおじさんのスマホにかざしている。支払いはこれで終わりだという。現金で支払う人は少ない。訊くと、タイに銀行口座がないとQRコードを取得できないという。そのそば屋はクレジットカードは使えないという。もともとクレジットカードとは無縁の店が、QRコード決済になびいていた。
日本の店もQR/バーコード決済に絞る店が増えているという。
この状況はかなり困る。海外でクレジットカードが使いづらくなると、現金に頼るしかなくなる。日本にやってくる外国人も戸惑うことになる。
コロナ禍に間に、支払い形態の流れが変わった。その国に暮らす人には進化なのだろうが、外国人には退化に映る。これがポストコロナ?
■YouTube「下川裕治のアジアチャンネル」。
https://www.youtube.com/channel/UCgFhlkMPLhuTJHjpgudQphg
面白そうだったらチャンネル登録を。
■noteでクリックディープ旅などを連載。
https://note.com/shimokawa_note/。
○旅をせんとやうまれけむ=つい立ち止まってしまうアジアのいまを。
○アジアは今日も薄曇り=コロナ禍の海外旅行を連載中。
■ツイッターは@Shimokawa_Yuji
http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm
トークイベントでは、こんな話もしようかと思うのだが、僕にとっての初沖縄は沖縄本島ではなく、離島だった。石垣島である。離島から僕の沖縄ははじまったわけだ。
そのときは台湾からフェリーで石垣島に入った。アジアをまわった帰路だったのだ。
旅の資金は少なかった。石垣島で底をついたが、いまのみずほ銀行の前身である第一勧業銀行のキャッシュカードをもっていた。口座にはそこそこの金額が入っていた。
ところが石垣島の銀行では現金を引き落とすことができなかった。当時、都銀と沖縄の地銀のATMは連携していなかったのだ。それを僕は知らなかった。
石垣島からフェリーで沖縄本島まで行くつもりだったが、切符を買う現金がない。かなり焦った。困って船会社に話してみた。第一勧業銀行があるのは、沖縄本島の那覇。すると船会社は、那覇で現金を引き落として船賃を払うことを許してくれた。いまよりはキャッシュカードの威力があったのだろうか。あるいは沖縄の船会社は優しかったのか。
『沖縄の離島~』の取材で石垣島に行ったとき、知人はコンビニでPay Payを使って払っていた。
「便利さー。クレジットカードはもっていないけどね。石垣島はクレジットカードで払えるところは多くないけどPay Payは多いよ」
知人はそういった。
通常、キャッシュカードからクレジットカードの時代に移っていくものだが、沖縄はクレジットカード時代を省略してしまったということか。
僕は海外に出向くことが多いから、クレジットカードに頼る旅が長くつづいた。しかしそのクレジットカードの雲行きが怪しい。
ラオスで昨年開通したラオス中国鉄道。僕は駅に出向き、現金で切符を買った。クレジットカードは使えなかった。切符を買うためにヴィエンチャン市内にある発券オフィスを訪ねた知人はこういわれたという。
「ONE PAYしか使えません。現金やクレジットカードでは支払いができないんです」
ONE PAY? 知人はヴィエンチャン在住の知人に頼んで払ったという。
その後、タイのバンコクに行った。宿の近くのクイッティオというタイ風のそばの店に入ると、タイ人たちの多くが、スマホのQRコードを、店のおじさんのスマホにかざしている。支払いはこれで終わりだという。現金で支払う人は少ない。訊くと、タイに銀行口座がないとQRコードを取得できないという。そのそば屋はクレジットカードは使えないという。もともとクレジットカードとは無縁の店が、QRコード決済になびいていた。
日本の店もQR/バーコード決済に絞る店が増えているという。
この状況はかなり困る。海外でクレジットカードが使いづらくなると、現金に頼るしかなくなる。日本にやってくる外国人も戸惑うことになる。
コロナ禍に間に、支払い形態の流れが変わった。その国に暮らす人には進化なのだろうが、外国人には退化に映る。これがポストコロナ?
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Posted by 下川裕治 at 22:22│Comments(0)
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