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ナムジャイブログ

2022年10月24日

新しいパスポートになる

 パスポートが新しくなった。4日後にタイに向かうが、そのときはまっさらのパスポートにスタンプを捺してもらう。
 僕のパスポートは紺色の表紙の5年用。いつも増補、つまりページを増やしてもらっている。これまでは、それでもページがスタンプで埋まってしまい、3年ほどでつくり替えることを繰り返していた。
 いつも納得がいかなかった。増補は1回しか許されず、まだ有効な期間が残っているというのに、新しいパスポートをつくらなくてはいけなかったからだ。パスポート代は安くない。
「スタンプを捺すところがない」
 イミグレーションで何回も怒られていた。だからつくらざるをえなかったのだが。
 しかし今回は有効期限が切れるための更新である。
 コロナ禍だった。一時期、海外に出向くことができなくなり、余白を残したまま新しいパスポートをつくることになった。
 新しいパスポート……。気もちは少し楽になる。これまで訪ねた国の履歴がそこからはわからないからだ。
 たとえば古いパスポートには、パキスタンのビザや出入国スタンプがあった。これがあると、入国でもめる。パキスタンはテロ指定国家にされていて、なにかとチェックが多くなる。ときに別室で再審査になる。インドやアメリカでは、その憂き目に遭っていた。とりあえず、その鬱陶しさがなくなる。それだけでもありがたい。
 パスポートというものは、捺されたスタンプが少ないほど、出入国がスムーズになる。イミグレーションの職員は、スタンプを捺す前に、パスポートをぱらぱらとめくることが多い。こうして怪しい人物ではないかをチェックしている。スタンプが少なければ、疑われる可能性は少なくなる。
 しかしパスポートが新しくなると、別の手つづきが待っている。
 4日後にバンコクに向かうが、その航空券は古いパスポート番号で発券されている。航空会社に連絡をとり、番号が変わったことを伝えなくてはならない。ワクチン接種証明書にもパソポート番号が記されている。これも更新しなくてはならない。コロナ禍の残影のような作業に映る。
 まだなにかないだろうか。古い番号で登録されているものを思い返す。
 ほかの国はどうなのかわからないが、パスポートは更新されても、番号が変わらなければ、これらの作業は軽減される。しかしそれを発展させていくと、ひとりにひとつのパスポート番号という発想に結びつき、ID番号論争に組み込まれていってしまう気がする。マイナンバーカードと同質の問題につながってしまうのだ。
 いや、時代は先に進んでいるのか。今回、海外渡航用のワクチン接種証明書をつくり直したが、電子版を更新するときはマイナンバーカードを使った。
 更新するたびに新しい番号になる……。しかし海外に出ると、IDのようにその番号は使われる。パスポート番号の話は、意外と深そうだ。

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Posted by 下川裕治 at 12:15│Comments(0)
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