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ナムジャイブログ

2023年05月08日

俎上の『歩くアンコールワット』

『歩くアンコールワット』が発売になった。Kindleの電子版で480円、ペーパーバックという紙版が1078円だ。
 アンコールワット、そしてその基点になるシェムリアップのガイドは以前にも出版していた。しかし1冊のガイドになるほどのボリュームがなく、『歩くベトナム&アンコールワット&ルアンパバーン』という形での出版だった。
 コロナ禍が明ける頃、僕はいくつかのアジアの街をまわった。バンコク、シェムリアップ、アンコールワット、ヴィエンチャン、ルアンパバーン、ソウル……。どの街も新型コロナウイルスに席巻され、大きく変わってしまった。なかにはまだ多くの店が閉まっている街もあった。
 そのなかでいい方向に変貌した街がシェムリアップやアンコールワットだった。アンコール遺跡を縫うように自転車道が整備されていった。シェムリアップは本格工事だった。幅の広い歩道が繁華街を網の目のようにつくられた。車道を狭くせず、店舗の前面を削るようにして歩道が広がった。各店舗が街の整備に協力したのだ。街は歩きやすくなった。広がった歩道にはテラスのようにテーブルが並び、そこでビールを飲む観光客が羨ましかった。
 車道も整備され、店の前には駐車スペースがつくられた。街を流れるシェムリアップ川の周りも手が加わり、芝が植えられ、東屋やアスレチック設備も点在。その脇には自転車専用道がつくられた。まるで公園都市に変身したかのようだった。
 工事はコロナ禍前からはじまっていた。そこを新型コロナウイルスが襲い、観光客の姿は消えてしまった。しかし工事を止めなかった。シェムリアップは観光にかかわる仕事に就いていた人が多い。仕事がなくなってしまった人たちへの雇用対策もあったようだが、店が閉鎖されたから、工事はかえって計画通りに進んだのかもしれない。
 姿を変えたアンコール遺跡やシェムリアップを紹介できないだろうか……。
 これまで僕らは出版社からガイドを発行してきた。予算が決められ、それをやりくりして本を出してきた。しかしコロナ禍が尾を引いて、日本人観光客の腰は重い。そこに円安が拍車をかけ、出版社を通しての本の発行は難しかった。アンコール遺跡とシェムリアップだけではページ数が少なく、流通には乗りにくい。
 しかし紹介したい。
 そんな思いの5人が集まった。予算はゼロである。つまり全員が手弁当。ギャラはないところからスタートした。そんな環境下で制作は進み、なんとか電子版の「歩くアンコールワット」は完成した。同時に紙版も発売することにした。
 かかわった5人のメンバーの収入は、この本の売りあげで決まる。売れた分の収益を皆で分け合うことになる。
 そんな事情を説明し、「買ってください」と懇願するつもりはない。「こういうガイドがほしかった」という思いのなかで購入し、自転車に乗ってアンコール遺跡を巡り、公園都市シェムリアップでまったりしてほしい。その俎上に載せて満足してもらう。手弁当でつくった自負である。予算のなかでつくる本とはレベルが違う。
 はたして皆さんが、価格を含めてどう評価してくれるか。僕も俎上にいる。


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Posted by 下川裕治 at 12:32│Comments(0)
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