2011年07月11日
たった1日の夏休み?
土曜日は朝から、那覇の球場にいた。バックネット裏の席を知人が確保していてくれた。
沖縄セルラースタジアム那覇という球場である。以前は奥武山球場といった。沖縄の高校野球の決勝戦は、いつもこの球場だった。沖縄の離島の野球部員にしたら、奥武山球場は憧れだった。沖縄の甲子園球場ともいわれた。
球場は、プロ野球の公式戦もできるように改装された。座席数もずいぶん増えた。ネット裏席の屋根も大きくなり、日陰がずいぶん増えた。これでずいぶん楽になる。
夏の高校野球……。以前、石垣島の八重山商工野球部が、沖縄離島勢としては、はじめて甲子園の土を踏んだ。そのストーリーを、『南の島の甲子園』という本にまとめた。それ以来、僕にとっての沖縄の夏に高校野球刷り込まれてしまった。
夏の甲子園の県予選のなかで、最も早くはじまるのが沖縄である。8月になると、台風に襲われるため、早くはじまるのだ。しかし高校は夏休みに入っていないから、試合は毎週、週末に行われる。沖縄の梅雨が明け、予選がはじまると落ち着かなくなる。暴力的な日射しに晒されての野球観戦……。
今年も行ってしまった。日陰に座ることができたが、強い海風に吹かれ、流れる雲を眺めながらの高校野球は、僕にとっての沖縄なのである。
トーナメントは3回戦まで進んでいた。第一試合は八重山と沖縄尚学、第二試合は豊見城と与勝、第三試合は興南と具志川。どれも面白かった。
沖縄の高校野球のレベルは、確実にレベルアップしてきていることがよくわかる。エースは130キロを超えるストレートを投げる。それが予選レベルなのだ。バントもうまくなった。1点をとる野球というものが、昔に比べればずいぶん浸透してきた。野球がうまくなってきているのだ。
第一試合はその典型だった。八重山高校は、毎回のようにヒットを打つのだが、点数がとれない。ランナーが塁に出ても、バントや盗塁といった小技が少なく、残塁の回ばかりが続く。しかし沖縄尚学は、少ないチャンスをことごとく点に結びつけてしまう。
「野球部員の体力を調べると、八重山の生徒がトップになるんですよ。遠投とか走力とか。でも試合に勝てない」
一緒に観戦した八重山出身者はいう。八重山商工がそういうチームだった。沖縄本島に押し寄せる日本。そして南の風をまだいっぱい感じさせてくれる八重山の高校生たち。フィールドに広がる世界もまた沖縄である。
その日の夜の飛行機で東京に戻った。
帰りの飛行機のなかで、日程が書き込まれたノートを開く。来週は台湾。その翌週はタイ……。締め切りやら講演、打ち合わせがぎっしりと詰まっている。
たった1日の夏休み?
ちょっと切なかった。
沖縄セルラースタジアム那覇という球場である。以前は奥武山球場といった。沖縄の高校野球の決勝戦は、いつもこの球場だった。沖縄の離島の野球部員にしたら、奥武山球場は憧れだった。沖縄の甲子園球場ともいわれた。
球場は、プロ野球の公式戦もできるように改装された。座席数もずいぶん増えた。ネット裏席の屋根も大きくなり、日陰がずいぶん増えた。これでずいぶん楽になる。
夏の高校野球……。以前、石垣島の八重山商工野球部が、沖縄離島勢としては、はじめて甲子園の土を踏んだ。そのストーリーを、『南の島の甲子園』という本にまとめた。それ以来、僕にとっての沖縄の夏に高校野球刷り込まれてしまった。
夏の甲子園の県予選のなかで、最も早くはじまるのが沖縄である。8月になると、台風に襲われるため、早くはじまるのだ。しかし高校は夏休みに入っていないから、試合は毎週、週末に行われる。沖縄の梅雨が明け、予選がはじまると落ち着かなくなる。暴力的な日射しに晒されての野球観戦……。
今年も行ってしまった。日陰に座ることができたが、強い海風に吹かれ、流れる雲を眺めながらの高校野球は、僕にとっての沖縄なのである。
トーナメントは3回戦まで進んでいた。第一試合は八重山と沖縄尚学、第二試合は豊見城と与勝、第三試合は興南と具志川。どれも面白かった。
沖縄の高校野球のレベルは、確実にレベルアップしてきていることがよくわかる。エースは130キロを超えるストレートを投げる。それが予選レベルなのだ。バントもうまくなった。1点をとる野球というものが、昔に比べればずいぶん浸透してきた。野球がうまくなってきているのだ。
第一試合はその典型だった。八重山高校は、毎回のようにヒットを打つのだが、点数がとれない。ランナーが塁に出ても、バントや盗塁といった小技が少なく、残塁の回ばかりが続く。しかし沖縄尚学は、少ないチャンスをことごとく点に結びつけてしまう。
「野球部員の体力を調べると、八重山の生徒がトップになるんですよ。遠投とか走力とか。でも試合に勝てない」
一緒に観戦した八重山出身者はいう。八重山商工がそういうチームだった。沖縄本島に押し寄せる日本。そして南の風をまだいっぱい感じさせてくれる八重山の高校生たち。フィールドに広がる世界もまた沖縄である。
その日の夜の飛行機で東京に戻った。
帰りの飛行機のなかで、日程が書き込まれたノートを開く。来週は台湾。その翌週はタイ……。締め切りやら講演、打ち合わせがぎっしりと詰まっている。
たった1日の夏休み?
ちょっと切なかった。
Posted by 下川裕治 at 15:37│Comments(0)
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