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ナムジャイブログ

2011年12月19日

那覇から宮古島まで2800円フライト

 やっと日本もLCCの時代……。
 先週、沖縄の那覇から宮古島に向かうスカイマーク航空に乗って実感した。片道運賃は2800円。これまで片道1万円近い運賃を払っていたわけだから、まさにLCCの時代である。
 一昨年、日本は国際線のLCC元年といわれた。そして今年は、国内線のLCC元年というらしい。僕もLCCに関する本を3冊も書いた。テレビや新聞、雑誌からの取材も多い。
 LCCは就航時、1000円を切るキャンペーン価格を打ち出す。それに反応した取材となると困る。そういうチケットはまず手に入らないか、数ヵ月先の予約である。
 必ずといっていいほど、LCC運賃を使ったコースづくりの話になる。これも困る。番組や雑誌が発表されるとき、どんな運賃になっているかがわからないのだ。LCC運賃は、搭乗する日が近づくほど高くなる傾向があるし、為替レートの問題もある。
 そんななかで予測運賃を出していくと、LCCといっても必ずしも安いわけではなくなってくる。LCCが就航すると、既存の航空会社も運賃を下げてくるから、割安感はさらに薄くなってしまう。
 日本に乗り入れる国際線LCCの運賃は、実際にはそう安くないことが多かった。LCC元年といっても、目を瞠るほどではなかった。
 しかし沖縄の離島便は違った。那覇ー宮古島間は、搭乗日がかなり近づいても2800円で買うことができる。それに1日に何便も就航している。
 LCCは沖縄の島の暮らしを変えつつある。いまの沖縄は忘年会シーズンだが、宮古島の人が那覇で忘年会、那覇の人が宮古島で忘年会ということが起きている。週末にゴルフのために、宮古島にやってくる那覇の人も増えた。これからはじまる入学試験、そして那覇の医療機関に向かう人、中学や高校の部活の遠征。沖縄の島にとって、唯一の足である飛行機の運賃が安くなることが、島を活気づけていた。既存の日本航空系の日本トランスオーシャンや全日空からのスカイマークに鞍替えする人が次々に現れている。
「日本トランスオーシャンには、親戚も働いているし、いままでいろいろお世話になった。ただこんなに運賃が違ってしまうと、やっぱりスカイマークになってしまうさー」
 宮古島の人口は5万人ほど。人間関係も濃密である。しかしそんな関係を度返ししてしまう安さなのだ。LCCはこういう区間で、本領を発揮する。
 那覇ー石垣島間はスカイマーク航空が就航していない。しかし石垣島は、なんとか早く就航できるよう動き出している。宮古島だけ活気づくのが歯がゆいのだ。こうして雪崩現象が起きていく。一気にLCCが席巻していくのだ。ヨーロッパやアジアで起きた風が、やっと日本に吹いてきた。


Posted by 下川裕治 at 14:27│Comments(0)
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