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ナムジャイブログ

2009年04月13日

30分前に終わった

 ようやく1冊の本を書き上げた。
 つい、いましがた。
 昔は分厚い原稿用紙の束を編集者に渡して「脱稿」になったが、いまはテキストを「送信」して脱稿になる。
 2ヵ月ほど格闘していた。1月にタイでいえばエアアジアのようなLCC(ローコスト・キャリア)に乗って世界を一周した。帰国するとすぐに、原稿用紙に向かった。最近、僕は手書き原稿に戻ってしまった。書いていく端から、編集者が奪うようにもっていき、オペレーターが打ち込むという作業が続いた。最後はパソコンにとり込んで手直ししていく。それが終わったのが30分前だった。
 ふーッ。
 でもない。
 こんな作業を年に何回か20年近くも繰り返してきた。脱稿の感慨に耽ることができたのは最初の数冊だった。この後、初稿、再校とゲラとの格闘が続くことがわかってしまったからだ。
 大学生の頃、新聞部に入っていた。そのとき、はじめてエッセイらしきものを書いた。タイトルは『たそがれ色のオデッセイ』。そう、このコーナーのタイトルである。いまとなっては気恥ずかしいが、あの時代は、鼻腔がつんとくるほど鮮やかに残っている。
 原稿を書いて暮らしたい。そんな淡い思いは、どこかにあったのかもしれない。が、30年がたったいま、こうやって原稿を書いている姿は想像できなかった。
 原稿が最後の段階に入っていた頃、バンコクから不穏な映像が流れてきた。タクシン派が、パタヤのホテルに乱入した。空港閉鎖の意趣返し? 
 16日にバンコクに行く。


Posted by 下川裕治 at 19:54│Comments(1)
この記事へのコメント
生まれて初めて、ブログにカキコします。
1954年生まれの下川裕治さんって、
大学の途中、同じゼミになった、
広島アジア大会でばったり会った時、共同通信スポーツ記者で、
その時の連載でミズノ賞を取った
下川記者ですよね?
私は、広島でそのまま同じメディアに居続けて、環境関連しているかわもとです。
お元気で相変わらずご活躍のようで、正直すごいなと思います。
(ただ、それだけですが)
Posted by かわもと at 2010年01月16日 17:58
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