2012年09月03日
ラオス人がカレーを食べる日
ラオスのビエンチャンで、1軒の日本料理店に入った。ゲストハウスもある一般的な店だ。そこでカレーを食べた。こくのある日本のカレーだった。在住日本人の間ではファンも多いという。
「ラオス人ってカレーを食べるの?」
同行した知人に訊いた。
「手をつけないと思いますよ。たぶん。以前、ラオスの少年チームが日本に招待されたことがあったんです。宿が子供たちだからって、カレーを出したんですが、誰も食べることができずに、次の日の試合は負けたっていう話を聞いたことがありますから」
たしかにカレーという料理の見た目はよくない。知らなければ、口をつけるのに勇気がいるかもしれない。
カレーという料理は不思議なものだと思っている。
日本では明治初頭に入ったが、その味は北海道に飛び火する。ジャガイモばかり食べていた開拓農家が、別の味つけで食べることができないだろうか……と触手を伸ばしたのがカレー味だったのだという。もっとも当時は、いまのカレーライスの形ではなかった。カレー汁のようなものだったらしい。米がないのだから、カレーライスにはならなかったのだろう。それが再度、本土に上陸し、いまのカレーライスの原型ができあがっていった。
そのカレー汁に相当するものが、タイ北部でよく食べられるカオソーイという麺ではないかと想像力を働かせてみる。チェンマイのカオソーイがとくに有名だ。これはカレー味の麺である。
しかしラオスにもカオソーイがある。こちらはカレー味ではない。一度、ラオスのルアンパバンで食べたカオソーイはなかなかのものだった。味のベースは大豆を発酵させたものだという。
カオソーイは、もともとミャンマーからラオスに伝わり、それがチェンマイに流れたものらしい。もともとはカレー風味の麺ではなかったのだ。
いまの世界には、インド人やバングラデシュ人が経営するインド料理屋が無数にある。そこでは本格的なカレーを食べることができるのだが、そこにいたるまでに、現地風にアレンジされたカレー料理があるような気がしてならない。日本にはカレー汁があり、タイには北部にカオソーイがあった。だから、抵抗感が少なく、本格カレーになじんでいったように思うのだ。
しかしラオス人は、ラオス風のカレー料理をつくらなかった。だからいまでも、カレーに手が伸びない……。
ラオスでカレーが広まっていくのはいつ頃だろうか。意外と早いのかもしれない。変化の激しいビエンチャンを眺めていると、そんな気もする。
「ラオス人ってカレーを食べるの?」
同行した知人に訊いた。
「手をつけないと思いますよ。たぶん。以前、ラオスの少年チームが日本に招待されたことがあったんです。宿が子供たちだからって、カレーを出したんですが、誰も食べることができずに、次の日の試合は負けたっていう話を聞いたことがありますから」
たしかにカレーという料理の見た目はよくない。知らなければ、口をつけるのに勇気がいるかもしれない。
カレーという料理は不思議なものだと思っている。
日本では明治初頭に入ったが、その味は北海道に飛び火する。ジャガイモばかり食べていた開拓農家が、別の味つけで食べることができないだろうか……と触手を伸ばしたのがカレー味だったのだという。もっとも当時は、いまのカレーライスの形ではなかった。カレー汁のようなものだったらしい。米がないのだから、カレーライスにはならなかったのだろう。それが再度、本土に上陸し、いまのカレーライスの原型ができあがっていった。
そのカレー汁に相当するものが、タイ北部でよく食べられるカオソーイという麺ではないかと想像力を働かせてみる。チェンマイのカオソーイがとくに有名だ。これはカレー味の麺である。
しかしラオスにもカオソーイがある。こちらはカレー味ではない。一度、ラオスのルアンパバンで食べたカオソーイはなかなかのものだった。味のベースは大豆を発酵させたものだという。
カオソーイは、もともとミャンマーからラオスに伝わり、それがチェンマイに流れたものらしい。もともとはカレー風味の麺ではなかったのだ。
いまの世界には、インド人やバングラデシュ人が経営するインド料理屋が無数にある。そこでは本格的なカレーを食べることができるのだが、そこにいたるまでに、現地風にアレンジされたカレー料理があるような気がしてならない。日本にはカレー汁があり、タイには北部にカオソーイがあった。だから、抵抗感が少なく、本格カレーになじんでいったように思うのだ。
しかしラオス人は、ラオス風のカレー料理をつくらなかった。だからいまでも、カレーに手が伸びない……。
ラオスでカレーが広まっていくのはいつ頃だろうか。意外と早いのかもしれない。変化の激しいビエンチャンを眺めていると、そんな気もする。
Posted by 下川裕治 at 20:18│Comments(1)
この記事へのコメント
はじめて コメントします 。
いつも 下川さんの本を 楽しく読ませてもらってる 隠れファンです(笑)
10年以上前に 下川さんの本に出会って タイに 興味をもち 今では すっかり チェンマイオタクになってしまいましたwww
チェンマイのカオソーイ 絶品ですよね !!
7,8件 食べ歩きましたが アナダードホテルの前の 夫婦でやってる カオソーイ屋に 惚れ込んでしまいました !!
あと 浦野さんの店(ぐでん×2)
近くの 屋台、 いつも テンガロンハットをかぶったマダムの店、 カオナーぺッ? って アヒルぶっかけメシも 絶品で 1週間に3回は かよってました !!
周りの屋台で 群を抜いた集客で 未だに 忘れられない味です 。
下川さんも ご存知かもしれませんが チェンマイへ 行きましたら ぜひ のぞいてみてくださいね !!
では これからも 本 読ませていただきますので 執筆 がんばってくださいね !!
では 失礼します !!
いつも 下川さんの本を 楽しく読ませてもらってる 隠れファンです(笑)
10年以上前に 下川さんの本に出会って タイに 興味をもち 今では すっかり チェンマイオタクになってしまいましたwww
チェンマイのカオソーイ 絶品ですよね !!
7,8件 食べ歩きましたが アナダードホテルの前の 夫婦でやってる カオソーイ屋に 惚れ込んでしまいました !!
あと 浦野さんの店(ぐでん×2)
近くの 屋台、 いつも テンガロンハットをかぶったマダムの店、 カオナーぺッ? って アヒルぶっかけメシも 絶品で 1週間に3回は かよってました !!
周りの屋台で 群を抜いた集客で 未だに 忘れられない味です 。
下川さんも ご存知かもしれませんが チェンマイへ 行きましたら ぜひ のぞいてみてくださいね !!
では これからも 本 読ませていただきますので 執筆 がんばってくださいね !!
では 失礼します !!
Posted by 濱野 寧範 at 2012年09月13日 15:31
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