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ナムジャイブログ

2012年12月11日

死に振りまわされる年末

 バンコクで温泉だ、マラソンだ……と動きまわり、日本に戻ると、机の上に、「喪中」のはがきが4通も届いていた。
「喪中につき、年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」
 というはがきである。最近は年末年始の挨拶などないから、実際は、「年賀状を送りません」ということになる。
 ここ数年、年末年始は原稿に追われ、賀状を書く暇もなく、「これではいけない」と、2月や3月に、お詫びと一緒に出すことが多い。知人のなかには、年賀状を一切出さない人もいる。そんななかでの喪中はがきはなにかぴんとこないものがあるが、これも日本の習慣である。
 知人たちもそういう年齢に達したということだろう。皆、50代である。親は70代から80代といったところである。
 これが高齢化社会というものだろうか。
 知人のひとりが、那覇の病院で静かに眠っている。死亡したわけではない。麻酔をかけられ、強制的に眠らされているのだ。
 50代である。日課のランニング中、頭の痛みを感じた。普通の頭痛と感覚が違う。精密検査を受けると、静脈と動脈がつながっている場所がみつかった。100人にひとりぐらいの割合で、こういう人がいるらしい。生まれつき、血管がつながっていたのだ。若いうちは問題ないが、年齢を重ねていくと、支障が出てくる。
 珍しい病気ではないが、大変な手術のようだ。手術は成功した。その後、脳の安静を保つために、数日、麻酔で眠ることになる。医師は、「冬眠です」と説明したという。
 来週半ばには、冬眠から覚めるのかもしれない。元気に話ができるようになったら、那覇に行こうか……。
 そんなことを考えていた矢先、叔父の訃報が届いた。すでにあまり意識がなく、長く病院に入院していた。
 僕は高校時代、父親の転勤の関係で、信州の松本にいた叔父の家に1年間、下宿させてもらった。ずいぶん世話になった。
 そういえば、パリに住む知人のお父さんも2週間前に亡くなった。僕はバンコクにいたので、葬儀に出ることはできなかったが。
 日本で暮らしていくということは、頻繁に人の死と出合っていくことになる。日本はそういう年代を迎えている。世界に例をみない高齢化社会の一面である。これからも、多くの死が降りかかってくるのだろう。
 いや、人のことをいってもいられない。
 帰国後、健康診断の結果をもって、かかりつけの医師と相談をする。
「うーん、LDLの値が少しきになりますねぇ。再検査、しましょか」
 LDLとは俗に悪玉コレステロールと呼ばれるものだ。
 仕事は山のように溜まっている。


Posted by 下川裕治 at 16:51│Comments(1)
この記事へのコメント
ブログの上でははじめましてになります。多田ともうします。
10月にバンコクの金城で少しだけ話させていただいたオヤジです。
実は私、那覇に行くと栄町市場周辺で飲む事が多く。1月に行ったら「おとん」に行って飲む事を楽しみにしておりました。といっても「おとん」の存在を知ったのが最近なので店に行った事もないですし、店主もブログやツイッターをとうして一方的にこちらが知っているだけなんですが。ブログで大変な手術らしいことは想像しておりましたが、その後の経過がわからずヤキモキしておりました。大体の状況が分かり少し安心しました。
1月に「おとん」に行って元気な姿を見られると嬉しんですがね。まだ無理ですかね。
Posted by 多田 at 2012年12月17日 17:21
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