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ナムジャイブログ

2013年12月02日

渡る川はすべてメコンとベトナム人はいう

【2013年11月04日号から、通常のブログはしばらく休載。『裏国境を越えて東南アジア大周遊編』を連載します】
【前号まで】
 裏国境を越えてアジアを大周遊。スタートはバンコク。タイのスリンからカンボジアに入国し、プノンペンからメコン川を下り、チャドックでベトナムに入国した。
     ※       ※
 ベトナムのチャドックは、思っていた以上に大きな街だった。市街地はしかたないのだが、郊外にも高床式の家はなかった。メコン川のデルタ地帯なのだが、洪水を想定していない。途中のカンボジアの村々は水没しているというのに。カンボジアの村が調整弁の役割を果たしていた。中流域の洪水で下流域が水害から守られる構図である。
「いや、台風のときは大変だよ」
と街の人はいうのだが。
 陸路で国境を越えていく場合、困るのが両替だった。空港と違い入国する人が少ないため、正式な両替が難しいのだ。しかしカンボジアやベトナムはさしたる問題はなかった。アメリカドルが使えるため、事前に用意することができる。
 1ドルの自転車リキシャで船着き場から街に向かう。ホーチミンシティまでのバスを運行する会社まで連れていってもらった。ホーチミンシティまでのバスは6ドルだった。
 いったいいくつの橋を越えただろうか。街を出て、すぐに運河のような川を渡った。これもメコン川の支流だという。その数を指で折って数えようとしたのだが、20を超えたところで諦めた。メコン川は数えきれないほどの支流に分かれてデルタを下っていた。
 3時間ほどバスは進んだだろうか。橋のない大河に出た。褐色の水が勢いよく流れている。バスはフェリーに乗って川を越えた。フェリーの両脇には、ぎっしりとバイクが乗り込む。ホーチミンシティに近づいていることをこうして教えられる。
 それから1時間ほど走ると、大きな橋を渡った。眼下に幅の広い流れが見える。「これはなんていう川?」とバスの乗客に訊いた。
「メコン」
「じゃあ、さっき渡った川は?」
「メコン」
 そういうことでいいのだろうか。正式な名前はあるのかもしれないが、周辺を流れ下る川は、どれもメコン。ベトナム人はそういうのだった。
 昼食を途中の食堂にとり、午後2時ごろにホーチミンシティのバスターミナルに到着した。道をぎっしりと埋めたバイクの波が待っていた。
             (以下次号)

(写真やルートはこちら)
この旅の写真やルート地図は、以下をクリック。
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「裏国境を越えて東南アジア大周遊」を。こちらは2週間に1度の更新です。



Posted by 下川裕治 at 16:53│Comments(0)
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