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ナムジャイブログ

2024年04月16日

髪の毛はあるだけでいい

 久々に理髪店に行った。このブログでも伝えたが、昨年の1月あたりから一気に頭髪が抜けはじめた。2ヵ月ほどで、髪の毛の7~8割はなくなってしまった。皮膚科のクリニックでは対応ができず、大学病院へ。円形脱毛症の全頭版と診断された。
 病理は自己免疫疾患説が有力だ。ある種の白血球であるTリンパ球が毛根を異物と誤認し、攻撃してしまうことで起きる……。頭皮を軽くかぶれさせるという治療を受けた。それを治すために白血球が集まってくる。かぶれが治ると白血球は去っていくが、その際、Tリンパ球を道連れにするというカラクリを、医師は図を書きながら説明してくれた。
 その方法に効果があったのかはよくわからない。昨年の秋ぐらいには、なんとなく髪の毛が生えてきたような感覚があった。昨年暮れには、頭髪が戻ってきたことを実感した。
 しかし理髪店に行くほどの髪の毛の長さではなかった。髪の毛はその後ものびたが、やがてなんとも不揃いな髪型になった。髪の長さは均一なのだ。髪の毛が更地から芽を出した雑草のように一斉に生えてきたわけだから当然だった。男性は、ときどき理髪店に出向いてそろえてもらう。つまり髪の毛の長さに長短があって、一応、髪型になる。その髪型がない状態だったのだ。
 そろそろ行くか……。1年5ヵ月ぶりの理髪店だった。
 髪の毛がなくなっていくつかの発見があった。炎天の日射しがきつく、パラッときた雨に敏感になった。そして電車でよく席を譲られるようになった。髪の毛がないと、やはり老けて見えるものらしい。髪の存在が与える印象というものがあるようだ。
 僕は隔週で、「旅の本屋のまど」からライブを配信している。ときどき新刊のトークイベントも行っている。4月25日には、新刊の「シニアになって、ひとり旅」のトークイベントもある。
http://www.nomad-books.co.jp/
 ライブをよく観る人やイベントに参加してくれた方は、髪がなくなると変わる印象に気づいていたのかもしれない。
 しかし……。
 3月の下旬、沖縄にいた。鹿児島からフェリーに乗って那覇に行く取材だった。那覇では栄町市場にある「おとん」という店のカウンターに座っていることが多い。しばらく沖縄に行く機会がなかった。1年半ぶり? ということは僕の髪がほとんどなくなったことを知らない。僕はようやく髪が生えてきた話を伝えた。そして、
「なんだか髪が不揃いで、そろそろ理髪店に行こうかと思ってるんだけど」
 と伝えると、こういわれた。
「前と変わらないじゃない?」
 これでも一応、髪型を気にしていた身には肩の力が抜けるような言葉が返ってきた。
 そういうことなのか。
 髪がなくなると、一気に老けた印象を与える。しかし髪が生えてくると、その髪型を周りの人は気にしない……。つまり髪の毛は、あればそれでいいということなのか。髪型は自己満足にすぎなくなる。理髪店の存在が全否定されてしまうではないか。いや、これは髪型をあまり気にしない僕だけの話なのだろうか。髪の毛はあるだけでいい……。僕は少し悩んでいる。

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Posted by 下川裕治 at 09:38│Comments(1)
この記事へのコメント
早く治って良かったですね。
髪の毛はあるにこしたことないですが、
無い方がマシな人もたまにいます。
やはり、散髪に行って下さい。
Posted by くん at 2024年04月16日 09:50
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