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ナムジャイブログ

2014年09月22日

アジアの流儀に押される日本のWi-Fi

 日本という国がいかにWi-Fiがつながらない国か、ようやく日本人が認識しはじめたようだ。さまざまな場所でWi-Fiがつながる設備をつくる動きが出てきている。
 以前から痛感していた。僕はアジアからやってくる人たちからの相談を受けることが多い。「どこでWi-Fiがつながる?」としばしば訊かれた。
 いちばん相談だった。僕自身、彼らが泊まっているホテル以外の場所を知らなかったからだ。
 日本という国は、インターネットにつながる電波がかなり飛んでいる。しかしそのほとんどが有料だった。あるいは、面倒な登録作業を経なければならなかった。
 実際、僕自身が困っていた。日本の地方に出かけると、ほとんど無料Wi-Fiをつなぐことができなかった。
 あれはどの街だったろうか。駅前の喫茶店にインターネットが接続できるステッカーが貼ってあった。そこに入り、接続しようとしたのだが、なかなかつながらない。店の人に訊くと、厚い案内書をもってきてくれた。それを読んでわかったのだが、その街のNTTに出向き、登録をしないと接続ができないことだった。店の人は、丁寧にNTTまでの地図まで書いてくれたが、さすがに諦めた。
 日本でWi-Fiが普及しない理由もわかっていた。ひとつは設置費用だった。その費用を使って、どれだけ客が増えるのか……という計算だった。そして無料Wi-Fiの設備を整えると、客が長居をするのではないか、という心配だった。
 これは欧米も同様だった。客の回転率を高めないと利益が生まれないのだ。
 しかしアジア、とくに東南アジアの店は違った。Wi-Fi設置料も安く、客の回転など頭の隅にもない店が多かった。つまり、のんびりとした商売をしていたのだ。そんな人たちには、コーヒーショップでは無料Wi-Fiを使うことができることが常識だった。
 いま日本への観光客で増えているのは、この東南アジアからの人たち。ゆるい商売感覚のエリアから来た人たちなのだ。無料Wi-Fiはどこ? と口にしているのは、彼らだと思っていい。欧米人たちは日本が置かれている状況を理解している。テレビなどでは、「Wi-Fiがつながって楽になった」と欧米人がインタビューに答えている。が、訊く相手が違う。いちばん使っているのは、アジア人である。
 無料Wi-Fiへの需要が多いことを知った日本だが、一部ではいまだ、設置料を誰が負担するのかでもめているところもある。しかしぎくしゃくとした進み方だが、少しずつ増えつつある。日本の観光は、東南アジアに呑み込まれつつあるということかもしれない。


Posted by 下川裕治 at 20:16│Comments(1)
この記事へのコメント
日本のフリーWi-Fi設置店舗には物凄く頻繁に警察の操作協力依頼が来るそうです。
小規模な店舗でも月一回のペースで。
警察の対応をする人件費もバカになりません。
日本が自由に接続出来るWi-Fiを増やしたくても増やせない理由は警察にあるのかも。

それ以前に、海外旅行者が持ってきた機材を日本のWi-Fiに繋いではいけないという刑事罰が付いた法律も足かせになっています(法改正の機運が高まってはいますが)。
Posted by 通りすがり at 2014年09月24日 13:15
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