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ナムジャイブログ

2022年04月04日

ちょっと元気になった

 こういう愚痴っぽい話は最後にしたいのだが……。
 4月1日、日本政府は世界の感染症危険度レベルを見直した。106ヵ国が、「渡航中止勧告」から、「不要不急の渡航はやめてください」になった。
 コロナ禍がはじまってから、この不要不急という言葉はやめたほうがいいと思いつづけている。曖昧なのだ。政治用語に映る。
 ある人にとっての不要不急は、別の人にとって不要不急ではない。そういう個人の立場を無視している。
 たとえば音楽の世界。コンサートに行くことは不要不急といわれるかもしれないが、そのコンサートで生活しているミュージシャンにとっても不要不急? そう訊かれると誰も答えることができなくなる。
 旅も同じだ。旅は不要不急なのかもしれないが、その旅を生業にしている物書きはどうなのか……。
 僕である。
 コロナ禍前からつづいているラジオ番組や講演などが困る。聴く人は旅の話を期待するのだが、しだいに材料が枯渇していく。世界のほとんどの国が、「渡航中止勧告」になっていたわけだから、旅をすすめられない旅話になる。
 NHKのラジオ深夜便にときどき出演している。「のんびりアジア旅」。コロナ禍前からつづいている。
 先週もその番組があった。道の話をした。コロナ禍では海外の旅を紹介することができない。そこで、東京にある暗渠道や「おくのほそ道」の一部を歩いた。川を埋めた暗渠道や、芭蕉が歩いた旧街道は微妙に曲がっているのだ。わずかに曲がっている道はすごく歩きやすい。疲れが少なく、飽きがこない。しかし直線の道は辛い……。
 海外渡航が難しいなかでの苦し紛れのテーマ? と思う方もいたと思う。
 しかしこれが好評だった。ラジオ深夜便の視聴者は高齢の方が多いから、散歩を趣味にしている人が多いのかもしれない。皆、気づいていたのだ。微妙に曲がった道は歩きやすいということを。
 4月15日に、東京の西荻窪でトークイベントがある。『「おくのほそ道」をたどる旅』が発売になった。そのイベントである。
http://www.nomad-books.co.jp/
 正直なところ、なにを話したらいいのかと思っていた。集まってくれる人の年齢は幅広い。皆、僕から海外の話を聞きたいだろう。僕はコロナ禍でも海外に出たことは多いほうだったと思う。タイ、エジプト、世界一周、カンボジア……。しかし、政府が多くに国をレベル3としている以上、大手を振って語ることはできなかった。日本政府の決定を完全に認めてはいない。新型コロナウイルスへの対応は、個人レベルのものだという欧米の発想のほうがしっくりくる。しかし僕は日本人でもある。
 しかしたまには、日本政府は後押ししてくれる。レベルをさげてくれたから、ラジオ深夜便では話すことができなかった世界の道話ができる。
 ちょっと元気になった。

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Posted by 下川裕治 at 11:21│Comments(0)
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