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ナムジャイブログ

2012年07月17日

自分でメールマガジン?

 バンコクからナコンサワンまで列車に乗った。スペシャルエキスプレスという列車で、ナコンサワンまで3時間14分とタイムテーブルには出ていた。実際は、5時間かかって着いたのだが。タイ国鉄の列車の遅れは珍しいことではない。が、最近、遅れ具合がちょっとひどい気がする。
 390バーツという運賃には昼食が含まれていた。ゲーンキヨワーンの弁当。タイ風のさつま揚げもついていた。
 こういう食事が出てくると、つい、写真に撮ってしまう。メールマガジンを出していた癖である。
 ある旅行会社からの依頼を受けて、メールマガジンを発信していた。『国境日和』というタイトルである。月に2回。160号にもなったから、7年近く続けたことになる。連載は途中から「今日も機内食」というサブタイトルがついた。毎月、僕が乗る飛行機をレポートし、各空港のインターネットの接続状況などのコラムを添えていた。
 その連載に掲載するために、飛行機に乗るたびに、機内食を撮った。数種類の菓子類のほかに、パンとザーサイという中国東方航空の機内食には困った。いったいどうやって食べたらいいのか、しばし悩んだ。リンゴがまるごと1個出てきたウクライナ・インターナショナルの機内食にも戸惑った。
 その連載が休刊になる。そこには、日本の旅行会社の事情があった。メールマガジンを発行がはじまった7年ほど前、まだ個人旅行者が旅行会社を利用していた。しかし航空券はインターネットを通じて個人が買うことができるようになっていった。僕のような旅をする旅行者が、旅行会社を使う機会がめっきり減ってしまったのだった。
 そこそこの発行部数があったが、読者の多くは個人で旅行するタイプである。旅行会社との関係が薄れ、『国境日和』の内容は、会社のニーズと合わなくなってきていた。
 このメールマガジンをどうしようか。知人に相談してみた。
「自分で課金して続けたらどう」
 なんでもそういうメールマガジンが増えているのだという。自分で価格も決定するシステムである。
 こういう世界に手を染めると、どうしても読者数を増やそうと考えてしまう。面白さがリアルタイムで現れるのがネットの社会だ。
 しかし本の世界は少し違う。売れる本を書かなくてはならないが、内容への思いと発行には時差がある。短くて半年。長ければ2~3年、いやそれ以上……。企画段階で売れると判断されたものが、発行時には違う状況になっていることもある。ときに失敗もするし、逆に予想外に売れることもある。面白い本は、そういう想定外のところから生まれる気がする。
 しかしネットの世界には、その時差がない。その結果、皆、売れそうなものに集まってきてしまう。インターネットの世界は、個性的なようでいて、妙に凡庸だ。
 自分で有料のメールマガジンを発行するということは、そんな隘路が待っているような気がしないでもない。
 さて。
 どうしたものか……。



Posted by 下川裕治 at 15:54│Comments(3)
この記事へのコメント
色々な旅をしてみたいと、日頃思っています。
メルマガで、疑似体験出来れば嬉しいです。
Posted by 山本はるの at 2012年07月20日 13:09
電子決済だと、なぜかケチになってしまう自分がいます。
Posted by タニシ at 2012年07月21日 04:47
下川さんのファンで、ほとんどの本を読んでいると思います。

有料メルマガが発行されたら、僕は是非購読したいです。
Posted by りゅうじ at 2012年08月27日 13:34
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