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ナムジャイブログ

2018年04月30日

アルコール度数14%のビール

 海外に出たら、その街の料理を庶民の食堂で食べる──。そうしなくてはいけないものだと思っていた。仕事柄……ということもあった。しかし数年前、ホテルの部屋食というものに開眼した。国はロシアだった。この国の地方都市は食堂が極端に少ない。ときにないこともある。
 困っていたとき、部屋食を教えられた。ロシア人の多くがそうしているという。そこで、街の雑貨屋風の店やスーパーに出向く。そこには充実した総菜コーナーがあった。何品かの料理とパンを買い、ホテルで食べる。ロシアの食堂よりはるかに楽しい食事を味わうことができた。
 こういう世界があるのか……。部屋食という視点で眺めると、外食と同じぐらい普及していることがわかってきた。
 部屋食に走る理由はほかにもあった。宗教と酒である。イスラム教の社会では、女性が人前で食事をしないことが多い。ベールで顔を隠す習慣は、外食を難しくする。食事は当然のようにホテルの部屋である。
 世界は今、酒への風当たりがきつい。店でアルコール類を出さないという国が増えている。しかし雑貨屋には酒類が売っているから、部屋食になびいていってしまう。
 先週、発売になった『旅がラクになる7つの極意』(産業編集センター)でもその話を書いた。
「たしかに部屋食は楽ですけど、ちょっと安易では? やはり下川さんは外で食べてほしい。注文を忘れてしまうオカマ店員とか、ラオスの1ドルバイキングとかの話、面白かったですから」
 読者からこんな連絡をいただいた。
 襟を正さなければ……と思った。最近、かなり忙しい。旅に出る回数も多い。僕は少し疲れてきたのかもしれない。シニア旅に限定すれば、部屋食は楽なのだが、僕はその世界に走ってはいけないのだろう。
 10日ほど前、ウズベキスタンのタシケントにいた。ホテルの近くにケバブ屋があった。訊くと店にビールは置いていないが、外で買い、テラス席で飲むのは大丈夫だという。見ると隣は酒屋だった。
 充実した酒屋だった。種類も多く。ビールにはアルコール度数が11%、14%というものもある。日本酒やワインと同じぐらいの強さなのだ。
 ウズベキスタンの国民の大半はイスラム教徒である。こういうことをしていいのかと思ったが、11%のビールをしっかり飲んでしまった。14%のビールはやめたほうがいい、と酒屋でいわれた。二日酔いするという。
 そういうものだろうか。
 僕はやはり、部屋食を拒み、街に出なくてはいけないのだろう。因果な仕事? そうはいわないが。

■このブログ以外の連載を紹介します。
○クリックディープ旅=玄奘三蔵が辿ったシルクロードの旅。今は中国編を連載中。
○どこへと訊かれて=人々が通りすぎる世界の空港や駅物。
○東南アジア全鉄道走破の旅=苦戦を強いられている東南アジア「完乗」の旅。インドネシアの列車旅の連載中。
○タビノート=LCCを軸にした世界の飛行機搭乗記


Posted by 下川裕治 at 12:36│Comments(3)
この記事へのコメント
部屋食という言葉に「下川さんがルームサービスを?」と、一瞬驚きましたが、そういうことじゃなかったんですね。
そういう部屋食なら、私もよくします。
先日沖縄に行ってきた時にも。
いかにもなその地域らしい食べ物じゃなくても、地元の人たちと同じようなものを買って食べるのは楽しいですし、地元のスーパー自体もワクワクして、いつまでもウロウロ歩き回ってしまいます。
ただ、お部屋にちょうどいいテーブルがなく、ベッドに腰掛けて椅子の座面に並べて食べることになったりするのですが、旅先だと、それもまた良しです。
Posted by たぬきまるようこ at 2018年04月30日 20:42
「部屋食」は僕も実践しています。
例えばタイでは、ちょっとした市場に行けば、様々なおかずとご飯や、もち米が小分けされてビニール袋に入れて売られていますので、買って宿で食べています。ちゃんと登山用の金属皿を持参しているし、スープは宿でお椀を借りて。
インドでもビリヤーニとか、最近は言えばパケットにしてくれます。イランだってそうです。
ゆっくり落ち着いて食べられていいですね。
Posted by TIKTIK at 2018年05月01日 16:19
部屋食も良いもんですよね。
タイのご当地カップ麺
ベトナムの人気カップフォー
タイで物価の高い離島に行ってしまったときはセブン-イレブンの20枚くらい入っている食パンとはちみつで過ごしました。
Posted by たぬきまるだいすけ at 2018年05月14日 16:04
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