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ナムジャイブログ

2025年03月17日

自信のないトークイベント

 3月18日の19時半から、西荻窪の「旅の本屋のまど」でトークイベントがある。
http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm
 3月13日に発売になった僕の新刊『70歳のバックパッカー』(産業編集センター刊)にからめたトークイベントだ。
「旅の本屋のまど」には、2週間に1回、お世話になっている。僕が運営にかかわるユーチューブのライブを、その店から発信しているのだ。しかし18日は、有料のトークイベント。今回から、会場でこの本のプレゼント企画もスタートする。どういうことになるかわからないが、会場にきてくれた方のなかから抽選で3名の方に『70歳のバックパッカー』を提供する。はたしてうまくいくだろうか。
「タイトルがかっこいい」
 すでに読んだ人から、そんな声が届いている。これまで100冊を超える本を書いてきたが、「タイトルがかっこいい」といわれたのははじめてだ。70歳でなにがかっこいいのかとも思うが、そんな印象で受け止められているようだ。
 しかし本書の内容は、かっこよくない。40年以上、バックパッカー風の旅をつづけてきたが、そのおかげで、僕がいま陥っている隘路のような話をまとめているからだ。
 僕の毎日はいまだ忙しく動いているが、なぜ、こんなことになってしまったかと遡っていくと、僕の旅にぶつかってしまうのだ。
 たとえばいま、『歩くパリ』の編集に追われているが、このガイドブックを発案したのは僕だった。若い頃、人気のガイドブックといえば『地球の歩き方』だった。しかしあのガイドブックは厚いから重い。そこで僕は、地図のページだけを切り離し、旅にもっていくことにした。そんなバックパッカー風のスタイルが原点である。薄くて、地図がしっかりしているガイドブック……そこから『歩くバンコク』が生まれ、それがほかの都市に波及していった。制作は現地に住む人たちにお願いした。
 この構造が崩れたのがコロナ禍だった。現地でガイドブックづくりに協力してくれた人たちが、ぞろぞろと日本に帰ってしまったのだ。僕ひとり残され、さて、どうやってつくっていく? 僕にかかる負担は一気に増えてしまった。
 年をとれば楽な人生が待っている? とんでもない。ますます大変になってきている。その原因を辿っていくと、バックパッカー旅に辿り着いてしまう。僕のいまは、バックパッカー旅の代償を払っているようなところがある。こうなってはいけません……反面教師のような話が次々にこの本には登場する。
 バングラデシュの学校、アジア人とのつながり、マイレージの苦しさ……。
 はたしてこんな内容でトークイベントになるのだろうか。本来なら、人生を豊かにするような旅をいざなう話がいいのだろうが、どうもそんな話ができそうもない。
「トークイベントの話を受けるんじゃなかった」などと唇を噛んでしまうのだが、なんとか踏みとどまって、やはり「旅に出よう」とイベントにきてくれた方が思ってくれるか、どうか……。
 自信はない。まったくない。
 それでも僕は旅をつづけている。その感覚をわかってもらえるだろうか。
 自信はない。まったくない

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Posted by 下川裕治 at 14:19│Comments(0)
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