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ナムジャイブログ

2013年01月07日

地方から眺める絵空ごと

 元旦に走ってみた。信州の安曇野。年末に実家に帰ると、短いマラソン大会があることを知った。2キロ、3キロ、5キロに分かれている。これならなんとか走ることができそうな気がした。
 昨年の12月。バンコクのミニマラソンに参加した。10キロに参加したのだが、途中から歩いてしまった。
「なんとか10キロぐらい走ることができるようになりたい」
 念頭の誓いには無縁だった。しかし今年の末には、そのくらいになっていたい。
 走る距離を伸ばすには、やはり走るしかない。元旦のマラソンは好都合だった。
 今年の安曇野は雪が多い。安曇野の元旦マラソンもコースが変更になった。雪が積もっている部分があり、危険だと主催者側が判断したようだった。
 寒かった。北アルプスから吹き下ろす風のなかを走らなくてはならない。息が継げないほどの風に苦労した。
 スタートする前、主催者の挨拶があった。そのなかで、とりやめになるマラソン大会が多いことを知った。ランニングブームのなかで、地方には雨後の筍のようにマラソン大会が出現した。費用があまりかからずに開催できたからだろう。町おこしのイベントに合っていた。
 しかし地方には若者が少ない。ボランティアで支えられるイベントは、スタッフを確保することが大変なのだという。
 先年末、叔父が鬼籍に入った。息を引き取ってから葬儀まで何日かがかかった。親族に訊くと、葬儀会場はあるのだが、スタッフのやり繰りがつかないのだという。地方では葬儀の日程を変更しなくてはならないほど人手が不足していた。
 日本は安倍政権に代わり、株価が上がってきた。円も少しずつ高くなってきた。「デフレ脱却」。首相の言葉が、毎日のようにニュース番組から流れてくる。
 しかし信州という地方都市から眺めると、それは絵空ごとに映る。いくら景気がよくなっても、働き手がいなかったら、その恩恵を受けることもできないのだ。
「まだ日本人だけでなんとかするつもりなのだろうか」
 つい呟いてしまう。
 人手が足りない日本の地方に、外国人が入ってくればすいぶん活性化する。とにかく仕事はあるのだ。
 そこが右寄りといわれる現政権の限界のような気もする。本当に景気回復を願うなら、外国人労働者への門を広げていくしかない。世界の労働力は、想像する以上に流動化しているのだ。
 かつてのイギリスは、「イギリス病」といわれるほど経済が停滞した。そこから上向きに転じた一因は、外国人労働者のパワーだったともいわれる。金融界を支えた香港系のアジア人たちの話は有名だ。
 そんな話は、日本のどこからも聞こえてこない。


Posted by 下川裕治 at 09:23│Comments(0)
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