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ナムジャイブログ

2013年07月22日

中国で「嗟嗟」(じぇじぇ)は流行りだしている

 執拗な雨が降り続いている。昨日から雨が途切れることはほとんどない。対岸の北朝鮮も霧に霞んでほとんど見ることができない。
 梅雨である。しかしこの地方の梅雨が、これほどまで濃い霧に覆われるとは思ってもいなかった。
 中国の丹東にいる。
 目の前を鴨緑江が流れている。北朝鮮と中国の国境である。対岸は北朝鮮の新義州である。ここにやってくる中国人の観光客は、死んだように静まり返る北朝鮮を眺めにくるのだが、この霧では……。
 先週、ソウルにいた。ソウルは梅雨のただなかだった。そこから梅雨明けの日本に2日ほど滞在して上海。
 上海は猛暑だった。連日36度という熱気が街を包んでいた。「日本人町を歩く」という取材のため、どうしても歩かなくてはならない。午前中はなんとか頑張るのだが、午後になるとあごが出てしまう。もう一歩も歩けないほど疲れが溜まってきてしまう。
 そこから北上して大連。そしてバスに5時間ほど揺られて丹東。ぐっと下がった気温にほっとしたのだが、今度は雨と霧である。
 この1週間、梅雨前線から出たり入ったりを繰り返していることになる。
 さすがに疲れる。
 上海では、連日、日本人と会っていた。出版にかかわる人たちだが、尖閣列島問題にはじまった今回の中国と日本のぎくしゃくした関係は、かなり堪えたようだった。僕は中国に何度も足を運んでいるから、中国という国が日本人が考えるように一枚岩ではないことを知っている。ナショナリズムを支える政治の時代というものは、貧困がその背後に横たわっている。抗日デモというものも、その枠のなかで起きるものだと思う。しかし豊かになった中国人がかなりいる。
 しかし多くの日本人は、中国人が皆、日本を憎んでいるように思っている。そう考えてしまうのは、日本という国が単一民族の色合いが強いからだ。
 たとえば世界の多くの人たちが身分証明書というものをもっている。IDカードといわれるものだ。多民族国家ではしかたがないことだともいわれる。しかし日本という国には、IDカードに相当するものがない。日本はそういう国なのだ。それがいい面でもあり、悪い面でもある。
 上海でこんな話をきいた。中国人の間で、いま、『あまちゃん』がブームになっているのだという。あの朝の連続ドラマの感性を理解し、面白いと思う中国人が、かなりいるのだ。
 「嗟嗟」
 この言葉がはやりつつある。「じぇじぇ」である。中国の発音に当てた新語である。
 こういう中国もあるのだ。

(お知らせ)
 朝日新聞のサイト「どらく」連載のクリックディープ旅が移転しました。「アジアの日本人町歩きの旅」。アクセスは以下。
http://www.asahi.com/and_M/clickdeep_list.html


Posted by 下川裕治 at 14:39│Comments(0)
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